3 / 8
三話
しおりを挟む
「千夏さんことは俺が脱がせますけど、俺のほうは脱いだほうがいいですか?」
「そ、そのままでお願いします」
「わかりました」
上半身裸の藤堂さんも気になるけど、スーツ姿でも十分絵になるし。むしろ目の保養だ。これから毎日一緒なら藤堂さんのハダカも見れる機会はあるだろうし……。
「嫌だったら言ってね?」
「は、はい」
気がつけばブラのホックを外されていた。露わになった私の胸に優しく触れる藤堂さん。
「んっ……」
「胸だけで感じるの? 千夏は敏感だね」
自然と甘い声が漏れてしまう。我慢しようと思ったのに最初からこれなんて藤堂さんも対応に困るよね。
普通の女の人は声を抑えたり、感じるような演技でごまかしたりするんだろうか。抱きたいと言われ、承諾したものの、実際は恥ずかしさで穴があったら今すぐ入りたい。
「6年前もキス以上のことはしたけど、今日は前よりも刺激的なことをしよう」
「刺激的な、こと? ……あっ、そこは駄……」
「もっと聞かせて。千夏の甘い声を聞いてると、俺どうにかなりそうだ」
「ん……藤堂さ……ん」
「千夏、好きだよ」
「私も藤堂さんのことが好きです」
私は単純だ。愛の言葉を囁かれただけで、昔の悲しい記憶が飛んでいきそうになるんだから。
飛んでいきそうなのは記憶だけじゃない。私の理性が壊れそうなんだ。本能は藤堂さんをどうしようもなく求めてしまっている。
「千夏が知らない世界を俺が教えてあげる」
「藤堂さん……」
「俺のこと、名前で呼んで」
「樹さ、あっ……」
「これでやっと一つだ。千夏と繋がれて、俺は世界一幸せだよ」
藤堂さんの熱いナニかが私の中に入ってきた。初めてで痛いはずなのに、最初にやってきたのは幸福感だった。
藤堂さんと同じように私も幸せになった。悔しくて認めたくなかった。だって、それを認めてしまったら、私は藤堂さんに心も身体も堕ちてしまっているということだから……。
本当は最初からこうなることを望んでいたんじゃないかと過去の自分に問う。グチャグチャになってもいい。壊れたっていい。藤堂さんに愛されるなら、私はそれだけで女としての悦びを知れるから。
「千夏、愛してる」
「私も……」
こんなにも本気で私を求めてくる人が他の女性を見てるわけがない。藤堂さんは私のことが好きなんだ。だから私のために努力して社長にまで上り詰めた。それだけでも褒めるべきなのに、今はそんな藤堂さんの腕の中で抱かれている。私には勿体ないくらい素敵な恋人だ。
「これからは千夏に寂しい思いはさせない。俺は千夏の側を絶対に離れないから」
「約束してくれる?」
「ああ、もちろんだ」
そういって指切りをした。ふと目をやると、藤堂さんの薬指にも私と同じ指輪がつけられていた。まだ結婚はしていないから婚約指輪なんだろうけど、お揃いのものをつけているだけで嬉しい。
「今日はたくさん愛してあげる。千夏が嫌だって言っても朝までするつもりだから」
「うっ……。お手柔らかにお願いします」
「俺が手加減できたら、ね」
「っ」
私を見つめる藤堂さんの瞳は血に飢えたケモノのようだった。理性を失った男性というものはこんなにも変わってしまうのだろうか。
さっきまでの優しくて笑顔が素敵な藤堂さんも良かったけど、今の男らしい藤堂さんもカッコいいと思ってしまう。どちらの顔も魅力的な藤堂さんは罪な男だ。
それから私は藤堂さんにたくさんの愛を注がれた。藤堂さんの言葉に嘘はなく、外が明るくなるまでシたのは二人の秘密。
◇ ◇ ◇
「……夏、きて」
「う~ん」
「千夏、起きて。もうお昼だよ」
「まだ眠い~」
「千夏。仕事はいいの?」
「やばっ……、今何時!?」
「なんてね、冗談だよ」
「え?」
「驚かせちゃってごめんね。今日の千夏がオフなのを知ってて、からかってしまった」
「……っ」
口元を押さえて微笑む藤堂さんは男性なのに妖艶という言葉が似合う。スケジュール帳を確認すると、たしかに今日は休みだったけど。でもそれを何故、藤堂さんが把握してるんだろう?
「俺と結婚するつもりなら、このまま仕事は辞めてもいいんだよ。昨日も言った通り、今の俺なら千夏を養えるし」
「そ、そういうわけにはいきません!」
「どうして?」
「実は私、一人暮らしが長いわりに料理があまり得意じゃなくて……」
「あれ? それはおかしいな」
「?」
何かを思い出したかのように言い放つ藤堂さん。
「自分は家事が得意だから専業主婦希望なんじゃなかった? それに6年前は俺のために毎日美味しい料理を作ってくれてたのに。俺の記憶違いだった?」
「全く出来ないってわけじゃないんです。でも社長になった藤堂さんの口にあうような手料理を作れる自信がなくて」
「なんだ。そんなことか」
「え?」
「それなら大丈夫だよ」
お金持ちだから、専属秘書やらお手伝いさんが料理を用意してくれるってこと?
「俺は千夏が好きなんだから、千夏の作るものならなんだって美味しい」
「食べてもないのにですか?」
「それに6年前、千夏の料理は食べたことあるしね。それに千夏が俺のために愛情込めて手料理を準備してる姿を想像するだけで襲いたくなる」
「へ?」
今のは聞き間違いだろうか。なんで私が料理を作るだけで「襲いたい」って言葉が出るの? 藤堂さんって実は変な人?
「そ、そのままでお願いします」
「わかりました」
上半身裸の藤堂さんも気になるけど、スーツ姿でも十分絵になるし。むしろ目の保養だ。これから毎日一緒なら藤堂さんのハダカも見れる機会はあるだろうし……。
「嫌だったら言ってね?」
「は、はい」
気がつけばブラのホックを外されていた。露わになった私の胸に優しく触れる藤堂さん。
「んっ……」
「胸だけで感じるの? 千夏は敏感だね」
自然と甘い声が漏れてしまう。我慢しようと思ったのに最初からこれなんて藤堂さんも対応に困るよね。
普通の女の人は声を抑えたり、感じるような演技でごまかしたりするんだろうか。抱きたいと言われ、承諾したものの、実際は恥ずかしさで穴があったら今すぐ入りたい。
「6年前もキス以上のことはしたけど、今日は前よりも刺激的なことをしよう」
「刺激的な、こと? ……あっ、そこは駄……」
「もっと聞かせて。千夏の甘い声を聞いてると、俺どうにかなりそうだ」
「ん……藤堂さ……ん」
「千夏、好きだよ」
「私も藤堂さんのことが好きです」
私は単純だ。愛の言葉を囁かれただけで、昔の悲しい記憶が飛んでいきそうになるんだから。
飛んでいきそうなのは記憶だけじゃない。私の理性が壊れそうなんだ。本能は藤堂さんをどうしようもなく求めてしまっている。
「千夏が知らない世界を俺が教えてあげる」
「藤堂さん……」
「俺のこと、名前で呼んで」
「樹さ、あっ……」
「これでやっと一つだ。千夏と繋がれて、俺は世界一幸せだよ」
藤堂さんの熱いナニかが私の中に入ってきた。初めてで痛いはずなのに、最初にやってきたのは幸福感だった。
藤堂さんと同じように私も幸せになった。悔しくて認めたくなかった。だって、それを認めてしまったら、私は藤堂さんに心も身体も堕ちてしまっているということだから……。
本当は最初からこうなることを望んでいたんじゃないかと過去の自分に問う。グチャグチャになってもいい。壊れたっていい。藤堂さんに愛されるなら、私はそれだけで女としての悦びを知れるから。
「千夏、愛してる」
「私も……」
こんなにも本気で私を求めてくる人が他の女性を見てるわけがない。藤堂さんは私のことが好きなんだ。だから私のために努力して社長にまで上り詰めた。それだけでも褒めるべきなのに、今はそんな藤堂さんの腕の中で抱かれている。私には勿体ないくらい素敵な恋人だ。
「これからは千夏に寂しい思いはさせない。俺は千夏の側を絶対に離れないから」
「約束してくれる?」
「ああ、もちろんだ」
そういって指切りをした。ふと目をやると、藤堂さんの薬指にも私と同じ指輪がつけられていた。まだ結婚はしていないから婚約指輪なんだろうけど、お揃いのものをつけているだけで嬉しい。
「今日はたくさん愛してあげる。千夏が嫌だって言っても朝までするつもりだから」
「うっ……。お手柔らかにお願いします」
「俺が手加減できたら、ね」
「っ」
私を見つめる藤堂さんの瞳は血に飢えたケモノのようだった。理性を失った男性というものはこんなにも変わってしまうのだろうか。
さっきまでの優しくて笑顔が素敵な藤堂さんも良かったけど、今の男らしい藤堂さんもカッコいいと思ってしまう。どちらの顔も魅力的な藤堂さんは罪な男だ。
それから私は藤堂さんにたくさんの愛を注がれた。藤堂さんの言葉に嘘はなく、外が明るくなるまでシたのは二人の秘密。
◇ ◇ ◇
「……夏、きて」
「う~ん」
「千夏、起きて。もうお昼だよ」
「まだ眠い~」
「千夏。仕事はいいの?」
「やばっ……、今何時!?」
「なんてね、冗談だよ」
「え?」
「驚かせちゃってごめんね。今日の千夏がオフなのを知ってて、からかってしまった」
「……っ」
口元を押さえて微笑む藤堂さんは男性なのに妖艶という言葉が似合う。スケジュール帳を確認すると、たしかに今日は休みだったけど。でもそれを何故、藤堂さんが把握してるんだろう?
「俺と結婚するつもりなら、このまま仕事は辞めてもいいんだよ。昨日も言った通り、今の俺なら千夏を養えるし」
「そ、そういうわけにはいきません!」
「どうして?」
「実は私、一人暮らしが長いわりに料理があまり得意じゃなくて……」
「あれ? それはおかしいな」
「?」
何かを思い出したかのように言い放つ藤堂さん。
「自分は家事が得意だから専業主婦希望なんじゃなかった? それに6年前は俺のために毎日美味しい料理を作ってくれてたのに。俺の記憶違いだった?」
「全く出来ないってわけじゃないんです。でも社長になった藤堂さんの口にあうような手料理を作れる自信がなくて」
「なんだ。そんなことか」
「え?」
「それなら大丈夫だよ」
お金持ちだから、専属秘書やらお手伝いさんが料理を用意してくれるってこと?
「俺は千夏が好きなんだから、千夏の作るものならなんだって美味しい」
「食べてもないのにですか?」
「それに6年前、千夏の料理は食べたことあるしね。それに千夏が俺のために愛情込めて手料理を準備してる姿を想像するだけで襲いたくなる」
「へ?」
今のは聞き間違いだろうか。なんで私が料理を作るだけで「襲いたい」って言葉が出るの? 藤堂さんって実は変な人?
19
あなたにおすすめの小説
行き遅れのお節介令嬢、氷の公爵様と結婚したら三人娘の母になりました
鳥柄ささみ
恋愛
お節介焼きで困っている人を放っておけないシアは、数多のご令嬢達から人気の令嬢だ。毎日ファンレターが届き、社交界に出れば令嬢に取り囲まれるほどである。
けれど、それに反比例するように男性からの人気はなく、二十七だというのに嫁の貰い手もないため、毎日母から小言をもらっていた。
そんなある日のこと、突然公爵家から縁談の話が。
シアは公爵家がなぜ自分に縁談など持ち掛けるのかと訝しく思いつつ話を受けると、なんと公爵の後妻として三人の娘の母代わりになれと言われる。
困惑するも、自分へ縁談を持ちかけた理由を聞いて、お節介なシアは嫁ぐこと決めたのだった。
夫になるレオナルドはイケメンなのに無表情で高圧的。三人の娘も二女のアンナを除いて長女のセレナも三女のフィオナもとても反抗的。
そんな中でもお節介パワーを発揮して、前向きに奮闘するシアの物語。
※他投稿サイトにも掲載中
妖狐の嫁入り
山田あとり
恋愛
「――おまえを祓うなどできない。あきらめて、俺と生きてくれ」
稲荷神社の娘・遥香(はるか)は、妖狐の血をひくために狐憑きとさげすまれ、ひっそり生きてきた。
ある日、村八分となっている遥香を探して来たのは怨霊や魔物を祓う軍人・彰良(あきら)。
彼は陰陽師の名門・芳川家の男だった。
帝国陸軍で共に任務にあたることになった二人だったが、実は彰良にもある秘密が――。
自己評価は低いが芯に強さを秘める女が、理解者を得て才能を開花させる!
&
苦しみを抱え屈折した男が、真っ直ぐな優しさに触れ愛を知る!
明治中期風の横浜と帝都を駆ける、あやかし異能ロマンス譚です。
可愛い妖怪・豆腐小僧も戦うよ!
※この作品は、カクヨム・小説家になろうにも掲載しています
男装獣師と妖獣ノエル 2~このたび第三騎士団の専属獣師になりました~
百門一新
恋愛
男装の獣師ラビィは『黒大狼のノエル』と暮らしている。彼は、普通の人間には見えない『妖獣』というモノだった。動物と話せる能力を持っている彼女は、幼馴染で副隊長セドリックの兄、総隊長のせいで第三騎士団の専属獣師になることに…!?
「ノエルが他の人にも見えるようになる……?」
総隊長の話を聞いて行動を開始したところ、新たな妖獣との出会いも!
そろそろ我慢もぷっつんしそうな幼馴染の副隊長と、じゃじゃ馬でやんちゃすぎるチビ獣師のラブ。
※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ」「カクヨム」にも掲載しています。
王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~
石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。
食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。
そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。
しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。
何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
花も実も
白井はやて
恋愛
町で道場を営む武家の三男朝陽には最近、会うと心が暖かくなり癒される女性がいる。
跡取り問題で自宅に滞在したくない彼は癒しの彼女に会いたくて、彼女が家族と営む団子屋へ彼は足しげく熱心に通っているのだが、男と接客している様子を見ると謎の苛立ちを抱えていた。
腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~
有木珠乃
恋愛
両親を亡くし、二人だけの姉妹になった一ノ瀬栞と琴美。
ある日、栞は轢き逃げ事故に遭い、姉の琴美が務める病院に入院することになる。
そこで初めて知る、琴美の婚約者の存在。
彼らの逢引きを確保するために利用される栞と外科医の岡。
「二人で自由にならないか?」を囁かれて……。
天然だと思ったギルド仲間が、実は策士で独占欲強めでした
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー本編8話+後日談7話⭐︎
ギルドで働くおっとり回復役リィナは、
自分と似た雰囲気の“天然仲間”カイと出会い、ほっとする。
……が、彼は実は 天然を演じる策士だった!?
「転ばないで」
「可愛いって言うのは僕の役目」
「固定回復役だから。僕の」
優しいのに過保護。
仲間のはずなのに距離が近い。
しかも噂はいつの間にか——「軍師(彼)が恋してる説」に。
鈍感で頑張り屋なリィナと、
策を捨てるほど恋に負けていくカイの、
コメディ強めの甘々ギルド恋愛、開幕!
「遅いままでいい――置いていかないから。」
愛されないはずの契約花嫁は、なぜか今宵も溺愛されています!
香取鞠里
恋愛
マリアは子爵家の長女。
ある日、父親から
「すまないが、二人のどちらかにウインド公爵家に嫁いでもらう必要がある」
と告げられる。
伯爵家でありながら家は貧しく、父親が事業に失敗してしまった。
その借金返済をウインド公爵家に伯爵家の借金返済を肩代わりしてもらったことから、
伯爵家の姉妹のうちどちらかを公爵家の一人息子、ライアンの嫁にほしいと要求されたのだそうだ。
親に溺愛されるワガママな妹、デイジーが心底嫌がったことから、姉のマリアは必然的に自分が嫁ぐことに決まってしまう。
ライアンは、冷酷と噂されている。
さらには、借金返済の肩代わりをしてもらったことから決まった契約結婚だ。
決して愛されることはないと思っていたのに、なぜか溺愛されて──!?
そして、ライアンのマリアへの待遇が羨ましくなった妹のデイジーがライアンに突如アプローチをはじめて──!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる