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六章 夏、はじまります!
32話
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季節は夏。
私たち一年生全員は林間学校に来ていた。
「海、すっごく綺麗!」
「朱里ちゃん、こっちで一緒に泳ごう?」
「うん!」
私はクラスメイトの遥ちゃんと海で遊んでいる。
水着は着ているけど肌が焼けるのが嫌でパーカーを着ている私。
「遥ちゃんはなんで数ある中でスクール水着なの?」
「えっと、お兄ちゃんがこれ以外だめだって」
「へ、へぇ。変わったお兄さんもいるんだね」
遥ちゃんは黒髪ツインテールで身長145cm。
本人には悪いけど童顔なせいか同級生には見えない。けど、素直でとっても可愛い女の子。
あれから黒炎くんとはお互いに意識してしまっているせいか、すれ違うことが多くなった。
黒炎くんが意識しているかどうかは本人のくちからまだ聞いてないから本当のところはわからない。
遊園地にお出掛けに行ったあの日、ちょっとしたアクシデントで私は黒炎くんとキスをした。
目が合うたび、それを思い出してしまう。私も恥ずかしくて不用意に話しかけることができない。だから今は同性の友達と楽しく過ごしていた。
女友達と遊ぶのは楽しい。ドキドキしたり心拍数がはやくなったりしないし、なにより気軽に会話が出来る。だけど、それをちょっぴり寂しいと感じるのは何故なんだろう。
そして、気になることがもう一つ。
「ねぇ。あれって会長さんだよね?」
遠目でもわかる。日陰で読書しながら、私たちを見ている。正確には私たちというより、一年生みんなを見ている感じ。
「うん、如月会長だよ。一年生の監視をしてるんだって」
「え」
会長さんって確か三年生の先輩では? なんでここに? というか、一年生の監視ってなに。
もしかして溺れないように見張ってるとか?会長さんなりに心配してるつもりなんだろうか。
黒炎くんの言う通り、本当はいい先輩なのかな?
でも普通は受験勉強とか、そもそも三年生は普通に学校では? なんて色々思うことはあったけど、先生と一緒に私たちを見ているから許可もおりてるんだろうな。
相変わらず会長さんの行動は謎だけど、色々つっこんだら負けな気がする。気にしないことが一番だよね。
「きゃー! 黒炎君の水着姿よ」
「イケメンすぎー!」
(黒炎くんだ)
女の子たちは黄色い声をあげながら、黒炎くんを見ていた。
相変わらず目立ってるなぁ~と遥ちゃんと遊びながらも、私の目線はしっかりと黒炎くんのほうを追っていた。
お泊まりしたときは見なかったけど、ゲームばかりしてるインドア派なのに身体つきはしっかりと男の子で……なんだか恥ずかしくなってきた。
「如月先輩と会話してるとか貴重すぎ!」
「二人が並ぶと絵になるわ」
遠目だけど、会長さんと黒炎くんが会話してるのが見える。なにを話しているんだろ。
女の子たちも黒炎くんたちに話しかけることはせず、遠くから眺めているだけだった。
確かに会長さんも美形だし、二人が並んでいるだけでなんかこう……オーラが違うというか、近寄りがたい雰囲気は出てる。というか、会長さんのこと先輩って言う人もいるんだ。ちょっと意外。
「朱里、楽しんでるか?」
「え!? う、うん」
いきなり黒炎くんに話しかけられて驚いた私は声が裏返った。会長さんと会話しているときは遠い存在に見えたのに今は普通で安心した。
私たち一年生全員は林間学校に来ていた。
「海、すっごく綺麗!」
「朱里ちゃん、こっちで一緒に泳ごう?」
「うん!」
私はクラスメイトの遥ちゃんと海で遊んでいる。
水着は着ているけど肌が焼けるのが嫌でパーカーを着ている私。
「遥ちゃんはなんで数ある中でスクール水着なの?」
「えっと、お兄ちゃんがこれ以外だめだって」
「へ、へぇ。変わったお兄さんもいるんだね」
遥ちゃんは黒髪ツインテールで身長145cm。
本人には悪いけど童顔なせいか同級生には見えない。けど、素直でとっても可愛い女の子。
あれから黒炎くんとはお互いに意識してしまっているせいか、すれ違うことが多くなった。
黒炎くんが意識しているかどうかは本人のくちからまだ聞いてないから本当のところはわからない。
遊園地にお出掛けに行ったあの日、ちょっとしたアクシデントで私は黒炎くんとキスをした。
目が合うたび、それを思い出してしまう。私も恥ずかしくて不用意に話しかけることができない。だから今は同性の友達と楽しく過ごしていた。
女友達と遊ぶのは楽しい。ドキドキしたり心拍数がはやくなったりしないし、なにより気軽に会話が出来る。だけど、それをちょっぴり寂しいと感じるのは何故なんだろう。
そして、気になることがもう一つ。
「ねぇ。あれって会長さんだよね?」
遠目でもわかる。日陰で読書しながら、私たちを見ている。正確には私たちというより、一年生みんなを見ている感じ。
「うん、如月会長だよ。一年生の監視をしてるんだって」
「え」
会長さんって確か三年生の先輩では? なんでここに? というか、一年生の監視ってなに。
もしかして溺れないように見張ってるとか?会長さんなりに心配してるつもりなんだろうか。
黒炎くんの言う通り、本当はいい先輩なのかな?
でも普通は受験勉強とか、そもそも三年生は普通に学校では? なんて色々思うことはあったけど、先生と一緒に私たちを見ているから許可もおりてるんだろうな。
相変わらず会長さんの行動は謎だけど、色々つっこんだら負けな気がする。気にしないことが一番だよね。
「きゃー! 黒炎君の水着姿よ」
「イケメンすぎー!」
(黒炎くんだ)
女の子たちは黄色い声をあげながら、黒炎くんを見ていた。
相変わらず目立ってるなぁ~と遥ちゃんと遊びながらも、私の目線はしっかりと黒炎くんのほうを追っていた。
お泊まりしたときは見なかったけど、ゲームばかりしてるインドア派なのに身体つきはしっかりと男の子で……なんだか恥ずかしくなってきた。
「如月先輩と会話してるとか貴重すぎ!」
「二人が並ぶと絵になるわ」
遠目だけど、会長さんと黒炎くんが会話してるのが見える。なにを話しているんだろ。
女の子たちも黒炎くんたちに話しかけることはせず、遠くから眺めているだけだった。
確かに会長さんも美形だし、二人が並んでいるだけでなんかこう……オーラが違うというか、近寄りがたい雰囲気は出てる。というか、会長さんのこと先輩って言う人もいるんだ。ちょっと意外。
「朱里、楽しんでるか?」
「え!? う、うん」
いきなり黒炎くんに話しかけられて驚いた私は声が裏返った。会長さんと会話しているときは遠い存在に見えたのに今は普通で安心した。
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