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六章 夏、はじまります!
46話
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「やっぱり夏祭りといったら射的だよな!」
「え、そうなの?」
私は、ハトが豆鉄砲を食らったみたいにポカンとした。
「銃ってなんかカッコ良くないか? ゲームだとよくやるけど、現実だとなかなか触れる機会なんてないからな。先に射的してもいいか?」
黒炎くん、そういうジャンルのゲームもするの、なんか意外。勝手にギャルゲー一筋って思ってたから。これは私の偏見だけど。
目がキラキラしてる。黒炎くんにも子供ぽっいところはやっぱりあるんだね。
「わかった、いいよ。ただ、私は出来ないから見てるだけになるけど」
「じゃあ、欲しい景品があったら朱里にやるよ。ただ、リアルで射的は初めてだから上手く出来るかわからないけどな」
「ありがとう」
☆ ☆ ☆
「取れなかった……」
「黒炎くん、大丈夫だよ。ああいうのは慣れっていうし、次は上手くいくよ」
私は、しょんぼりしてる黒炎くんを慰めていた。結局、射的は難しかったようで一度も景品は取れずじまいだった。
だけど、なんでもできる黒炎くんにも出来ないことがあってちょっと嬉しかった。だって、凄く悔しがってる黒炎くんはなんだか可愛かったから。
「ゲームで練習して来年こそは朱里にカッコいいところ見せてやるからな!」
今でも十分カッコいいのに。って、そこは現実じゃなくてゲームで練習なんだね。でも、そういうところは、いつもの黒炎くんらしいね。
「うん、楽しみにしてる」
黒炎くんは気にしてないかもしれないけど、“ 来年こそ”って言葉が私はとても嬉しく思えた。
だって、来年もこうして黒炎くんと夏祭りに来るってことだよね?
来年も黒炎くんと夏祭りを楽しめますように……と私は神様にお願いした。これは、ほんの小さな願い事。
それから焼きそばと唐揚げを食べると思ったよりもお腹は膨れて、おかず系はもう限界だった。
口の中を甘い物で満たしたくなった私はチョコバナナを食べながら、黒炎くんと会話をしていた。
立ちっぱなしも足が痛くなるので、今は椅子に座っている。
「あれだけ食ったのにまだ入るのか?」
「甘い物は別腹なの」
「確かにそれもそうだな。それにしても朱里は本当になんでも美味しそうに食べるよな」
「だって本当に美味しいだもん! って、それ褒めてるの?」
「褒めてる。他にどんな意味があるんだ?」
黒炎くんは不思議そうに私を見ていたけど、私には、あんまり食べると太るぞ的な意味に聞こえた。まぁ本人はそんなこと思ってもいないみたいだけど。
でも、食べすぎちゃった。これは後々響いてきそうでこわい。今日はいいけど、明日から少しは運動して痩せなきゃ。
「朱里、チョコ垂れてるぞ」
「え?」
話しながら食べていたせいでチョコが浴衣に垂れた。しまった、やらかしてしまった。せっかくの可愛い浴衣がこれじゃあ台無しだよ。
「ハンカチ濡らしてくるから、ここで待っててくれないか」
「うん、わかった」
黒炎くんは立ち上がり、ハンカチを濡らしにその場からいなくなった。一人ポツンと残された私。黒炎くんは相変わらず私を気にかけてくれてるんだなぁ。
「え、そうなの?」
私は、ハトが豆鉄砲を食らったみたいにポカンとした。
「銃ってなんかカッコ良くないか? ゲームだとよくやるけど、現実だとなかなか触れる機会なんてないからな。先に射的してもいいか?」
黒炎くん、そういうジャンルのゲームもするの、なんか意外。勝手にギャルゲー一筋って思ってたから。これは私の偏見だけど。
目がキラキラしてる。黒炎くんにも子供ぽっいところはやっぱりあるんだね。
「わかった、いいよ。ただ、私は出来ないから見てるだけになるけど」
「じゃあ、欲しい景品があったら朱里にやるよ。ただ、リアルで射的は初めてだから上手く出来るかわからないけどな」
「ありがとう」
☆ ☆ ☆
「取れなかった……」
「黒炎くん、大丈夫だよ。ああいうのは慣れっていうし、次は上手くいくよ」
私は、しょんぼりしてる黒炎くんを慰めていた。結局、射的は難しかったようで一度も景品は取れずじまいだった。
だけど、なんでもできる黒炎くんにも出来ないことがあってちょっと嬉しかった。だって、凄く悔しがってる黒炎くんはなんだか可愛かったから。
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今でも十分カッコいいのに。って、そこは現実じゃなくてゲームで練習なんだね。でも、そういうところは、いつもの黒炎くんらしいね。
「うん、楽しみにしてる」
黒炎くんは気にしてないかもしれないけど、“ 来年こそ”って言葉が私はとても嬉しく思えた。
だって、来年もこうして黒炎くんと夏祭りに来るってことだよね?
来年も黒炎くんと夏祭りを楽しめますように……と私は神様にお願いした。これは、ほんの小さな願い事。
それから焼きそばと唐揚げを食べると思ったよりもお腹は膨れて、おかず系はもう限界だった。
口の中を甘い物で満たしたくなった私はチョコバナナを食べながら、黒炎くんと会話をしていた。
立ちっぱなしも足が痛くなるので、今は椅子に座っている。
「あれだけ食ったのにまだ入るのか?」
「甘い物は別腹なの」
「確かにそれもそうだな。それにしても朱里は本当になんでも美味しそうに食べるよな」
「だって本当に美味しいだもん! って、それ褒めてるの?」
「褒めてる。他にどんな意味があるんだ?」
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でも、食べすぎちゃった。これは後々響いてきそうでこわい。今日はいいけど、明日から少しは運動して痩せなきゃ。
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「え?」
話しながら食べていたせいでチョコが浴衣に垂れた。しまった、やらかしてしまった。せっかくの可愛い浴衣がこれじゃあ台無しだよ。
「ハンカチ濡らしてくるから、ここで待っててくれないか」
「うん、わかった」
黒炎くんは立ち上がり、ハンカチを濡らしにその場からいなくなった。一人ポツンと残された私。黒炎くんは相変わらず私を気にかけてくれてるんだなぁ。
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