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47 勇者と聖女 男と女
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「すまないが、勇者でなければダメなんだ。勇者と聖女の子、それこそが次世代の勇者なんだ」
「勇者は全て血族、という事でしょうか?」
「ああ。俺の爺さんも父親も勇者だったんだ。もっとも、爺さんが現役であった事もあって、父親は勇者としては活動していなかったらしい」
知りませんでした。
勇者は血筋だったのですね。ん? それでは聖女はどうなのでしょうか。
「ならば聖女は違うのですか?」
「聖女の血は受け継がれない様だ。だから勇者の最初の仕事は聖女探しだと言っていた」
「え? それは話がおかしいよ。それならどうして聖女を見つけやすくするために、聖女の適性検査の反応を一般に広めないの?」
ロビーの疑問ももっともです。そうしたらほぼ確実に見つける事が出来るでしょう。
無駄な労力を消費せず発見が可能です。
「昔はそうだったらしい。しかし簡単に見つけてしまった結果、男も女も恋愛感情をいだけなかった様だ。突然勇者だの聖女だの言われた上に結婚しろと言われた結果、勇者の血が途絶える所だったらしい」
なるほど……確かにいきなり言われても反発してしまいますね。
「それではギルドマスターの様に、聖女の適性検査の結果を知る人は極まれだという事ですか」
「そうだ。むしろ爺さんが口を滑らせてしまった様だがな」
そうでしたか。
いえ、だとしたらどうしてでしょうか。
「ではレッド、どうしてあなたは勇者では無いのですか?」
「本来の勇者は……俺の兄貴だ」
「ええっ!? レッド兄には兄貴がいるのか?」
「いた、だがな」
「過去形、ですね」
「俺の兄貴は勇者として開花する前に、病気で死んでしまった」
「天に召されたのですか。そうなると勇者の血はどうなるのですか?」
「途絶えてしまった……な」
「ちょっと待って~、それじゃあ異世界からの侵略はどうなるの~?」
「父親がいる間は問題は無い。勇者を名乗ってはいないが、能力的に問題はないからな。聖女もだ」
「じゃあレッドの両親が居なくなった後……だね。他に勇者になる方法は無いの?」
「確認されていない。そもそも病気で死ぬこと自体があり得ない事態だからな」
「ん? 病気で死ぬ事くらいあるんじゃねーのか?」
「聖女がいるんだぞ? 近未来を見れる先見の明で病気は未然に防げるし、仮に病気になっても治療スキルが高いから治せるんだ」
そういえばそうですね。敵に襲われて手が回らないから倒された、というならいざ知らず、病気ならば未然に防げるはずです。
「ではどうしてでしょうか」
「突然発症したんだ。その日その時まで全く前兆が無く、いきなり発症した」
「先見の明でも見えない未来……ですか」
おや? 先見の明でも見えず、突如として現れる……身に覚えがありますが、いつだったでしょうか。
確かつい最近……!!!
「エステバン……確かエステバンも先見の明では見る事が出来ず、突如としてそこに現れました。それと何か関係があるのでしょうか」
私達に会場の警戒を呼び掛け、前触れもなく現れる影の様な存在エステバン。
しかし少なくともニルスや私達に害を及ぼす気配はありませんでした。
「あいつか……あれも存在が不明過ぎて対処に困る奴だが、今度現れたら聞いてみるのも良いだろうな」
ふぅ、分からないことが増える一方ですね。
一通り聞きたい事は聞けましたので、本来の目的に戻るとしましょう。
「事情は分かりました。レッドが勇者ではないのは残念ですが、今はニルスを探す事を優先しましょう。その後の事はその時に考えればよいでしょう」
「そっだな。レッド兄はレッド兄だしな」
「優先事項を見失わないようにしないとね」
「それじゃあ~、どうやって探すの~?」
そこですね問題は。
なにぶん大量の人に囲まれて攫われてしまったのです、目撃情報も当てには出来ないでしょう。
さてどうしますか。
「勇者は全て血族、という事でしょうか?」
「ああ。俺の爺さんも父親も勇者だったんだ。もっとも、爺さんが現役であった事もあって、父親は勇者としては活動していなかったらしい」
知りませんでした。
勇者は血筋だったのですね。ん? それでは聖女はどうなのでしょうか。
「ならば聖女は違うのですか?」
「聖女の血は受け継がれない様だ。だから勇者の最初の仕事は聖女探しだと言っていた」
「え? それは話がおかしいよ。それならどうして聖女を見つけやすくするために、聖女の適性検査の反応を一般に広めないの?」
ロビーの疑問ももっともです。そうしたらほぼ確実に見つける事が出来るでしょう。
無駄な労力を消費せず発見が可能です。
「昔はそうだったらしい。しかし簡単に見つけてしまった結果、男も女も恋愛感情をいだけなかった様だ。突然勇者だの聖女だの言われた上に結婚しろと言われた結果、勇者の血が途絶える所だったらしい」
なるほど……確かにいきなり言われても反発してしまいますね。
「それではギルドマスターの様に、聖女の適性検査の結果を知る人は極まれだという事ですか」
「そうだ。むしろ爺さんが口を滑らせてしまった様だがな」
そうでしたか。
いえ、だとしたらどうしてでしょうか。
「ではレッド、どうしてあなたは勇者では無いのですか?」
「本来の勇者は……俺の兄貴だ」
「ええっ!? レッド兄には兄貴がいるのか?」
「いた、だがな」
「過去形、ですね」
「俺の兄貴は勇者として開花する前に、病気で死んでしまった」
「天に召されたのですか。そうなると勇者の血はどうなるのですか?」
「途絶えてしまった……な」
「ちょっと待って~、それじゃあ異世界からの侵略はどうなるの~?」
「父親がいる間は問題は無い。勇者を名乗ってはいないが、能力的に問題はないからな。聖女もだ」
「じゃあレッドの両親が居なくなった後……だね。他に勇者になる方法は無いの?」
「確認されていない。そもそも病気で死ぬこと自体があり得ない事態だからな」
「ん? 病気で死ぬ事くらいあるんじゃねーのか?」
「聖女がいるんだぞ? 近未来を見れる先見の明で病気は未然に防げるし、仮に病気になっても治療スキルが高いから治せるんだ」
そういえばそうですね。敵に襲われて手が回らないから倒された、というならいざ知らず、病気ならば未然に防げるはずです。
「ではどうしてでしょうか」
「突然発症したんだ。その日その時まで全く前兆が無く、いきなり発症した」
「先見の明でも見えない未来……ですか」
おや? 先見の明でも見えず、突如として現れる……身に覚えがありますが、いつだったでしょうか。
確かつい最近……!!!
「エステバン……確かエステバンも先見の明では見る事が出来ず、突如としてそこに現れました。それと何か関係があるのでしょうか」
私達に会場の警戒を呼び掛け、前触れもなく現れる影の様な存在エステバン。
しかし少なくともニルスや私達に害を及ぼす気配はありませんでした。
「あいつか……あれも存在が不明過ぎて対処に困る奴だが、今度現れたら聞いてみるのも良いだろうな」
ふぅ、分からないことが増える一方ですね。
一通り聞きたい事は聞けましたので、本来の目的に戻るとしましょう。
「事情は分かりました。レッドが勇者ではないのは残念ですが、今はニルスを探す事を優先しましょう。その後の事はその時に考えればよいでしょう」
「そっだな。レッド兄はレッド兄だしな」
「優先事項を見失わないようにしないとね」
「それじゃあ~、どうやって探すの~?」
そこですね問題は。
なにぶん大量の人に囲まれて攫われてしまったのです、目撃情報も当てには出来ないでしょう。
さてどうしますか。
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