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第三話
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雑貨屋さんで働くことが決まった。
お給料を払えるほど儲かってないって言われたけど、お給料は出来高制で良いといったら渋々雇ってくれた。
「店長、帳簿と仕入れ状況を教えてください」
「ああん? そんなモンつけてないし、無くなりそうなら仕入れるんだよ」
え~っと、お店をやってる人は字が書けると思ったけど、どうやら数字はかけるけど文字は簡単な物しか書けないみたい。
だからどんぶり勘定でしか分からないし、仕入れも適当だった。
じゃあ逆に一から出来るんだし、私のやりたい様にやらせてもらいましょう。
とは言ってもこの街は本当に人の出入りが無いから、そこを何とかしないと始まらない。
この小さな街の中だけじゃ、お金の回りが悪すぎるもの。
なので町長さんのところへ行って色々と話を聞かせてもらった。
メイド時代に何度も会っていたから、色々と教えてくれて助かる。
一通り話を聞いて、街をくまなく見て回る。
その上で一番近い隣町へと移動する。
「そっか、これなら何とかなりそうだわ」
急いで雑貨屋に戻り、店長に必要な事を伝えた。
「あ、ああん?? なんだそりゃ」
「今お店にある物を使ってやるので、許可が欲しいんです」
「ま、まぁ店にあるモンなら構わねぇが」
「ありがとうございます!」
早速私はお店にある物の加工を始めた。
流石に全部は出来ないから、店長にもお手伝いをお願いしよう。
「よしっ! これで完成です!」
「こんなモンが売れるのか?」
「きっと売れますよ。だって毎日使う物ですから」
私は試作品をいくつか持って、近隣の街を回り始めた。
働いている雑貨屋のある街はここら辺でも一番寂しい街で、他の街はここに比べればまだマシだ。
他の街で必要になれば、必ずこの街にも人が集まるはずだ。
「おやシルビア、前に言ってた物が出来たのかい?」
「ええ、ぜひ使ってみてください」
「へぇ、どうやって使うんだ?」
「こうやって両面を数回通すんです」
近場の街を回り終わり、私は確かな手ごたえを感じていた。
よし! 量産体制を整えるわよ!
金物屋さんにもお手伝いをお願いして、数日かけて百個作る事が出来た。
近所のお店にも試用期間として使ってもらったけど、反応は上々だ。
そして遂にその日が来た。
「やぁシルビア、砥ぎ機をニ十個もらえるかい」
「こっちは三十だ!」
「おい待て俺だって三十欲しいんだぞ!」
「待て在庫はいくつあるんだ!?」
他にも数名の店主さんが来てくれたけど、在庫が足りなくなるとは思わなかった。
私が考えた砥ぎ機はご家庭でも毎日、飲食店なら商売道具となる包丁を手軽に砥ぐための道具だ。
V型の金属の板に沿って包丁をスライドさせると、刃が砥石に当たって簡単に切れ味を復活させてくれる。
今までは包丁が全く切れなくなるまで使い潰し、ようやく鍛冶屋さんで砥いでもらうモノだったけど、切れ味の悪い刃物はとても危険だ。
だから安全を確保して、更に料理の効率を上げるために考えたものだ。
砥ぎ機には金属も使ってるから、鍛冶屋さんの仕事にもなる。
「こいつぁ~驚いた。包丁なんて押せば切れると思ってたがな」
「店長それ危ないからやめてください」
「まぁ台所に立つなと叱られたがな」
「それよりも増産しますから、店長もお手伝いお願いします」
「お、おおよ」
それから毎日、砥ぎ機を買いに来るお客さんが来るようになった。
必要のない人もいるけど、子供のいるご家庭なら持っているととても便利だし、料理も楽になる。
全家庭、全料理屋は無理でも、かなりの需要は見込めるはず。
お店の砥ぎ機フィーバーはひと月ほど続き、ようやく落ち着きを取り戻したころには、街に活気が戻っていた。
砥ぎ機を買いに来て街の飲食店で食事をし、場合によっては宿泊していく。
予想外だったのは馬車の修理や、馬の鐙や鞍の木材・革も売れた事だ。
ついでにお店の他の商品も消耗品などは良く売れた。
「ふい~、まさかこの街に活気が戻るたぁな。嬢ちゃん、いやシルビアのお陰だ」
「ふふふ、ありがとうございます。でもこの街にはそれだけの可能性があったからです。私だけじゃ無理ですから」
「そういうもんかね」
店内はキレイになり埃が溜まってる場所は無くなった。
何より明るくなったし、清潔感が出た。
そんな順風満帆な生活をしていると、ウワサが流れて来た。
男爵家が取り潰しになった、と。
どうやら貴族としての仕事を全くせず、最近では税金を集める事すらしなかったとか。
税金は王都にも送らないといけないから、停滞したら厳しい処罰が科せられる。
処罰が科せられたのに何もせず、逃げ回っていたんだとか。
それはダメよね。
旦那様……いえ元旦那様、何をなさっているんですか。
ここから最寄りの貴族である子爵が仮の統治をするそうだけど、しばらくは代理人が来るようだ。
今度の貴族はまともな人であって欲しいわね。
仕事が順調に回りだし、他にも新商品をいくつか開発した。
イマイチな物もあったけど、おおむね良好な売れ行きだ。
私の懐も出来高制にしたおかげでとても潤った。
でもあるウワサが流れて来た事で、私はお店を逃げる事になった。
それは『元男爵家で働いていたメイドを見つけた者には賞金を出す』と。
お給料を払えるほど儲かってないって言われたけど、お給料は出来高制で良いといったら渋々雇ってくれた。
「店長、帳簿と仕入れ状況を教えてください」
「ああん? そんなモンつけてないし、無くなりそうなら仕入れるんだよ」
え~っと、お店をやってる人は字が書けると思ったけど、どうやら数字はかけるけど文字は簡単な物しか書けないみたい。
だからどんぶり勘定でしか分からないし、仕入れも適当だった。
じゃあ逆に一から出来るんだし、私のやりたい様にやらせてもらいましょう。
とは言ってもこの街は本当に人の出入りが無いから、そこを何とかしないと始まらない。
この小さな街の中だけじゃ、お金の回りが悪すぎるもの。
なので町長さんのところへ行って色々と話を聞かせてもらった。
メイド時代に何度も会っていたから、色々と教えてくれて助かる。
一通り話を聞いて、街をくまなく見て回る。
その上で一番近い隣町へと移動する。
「そっか、これなら何とかなりそうだわ」
急いで雑貨屋に戻り、店長に必要な事を伝えた。
「あ、ああん?? なんだそりゃ」
「今お店にある物を使ってやるので、許可が欲しいんです」
「ま、まぁ店にあるモンなら構わねぇが」
「ありがとうございます!」
早速私はお店にある物の加工を始めた。
流石に全部は出来ないから、店長にもお手伝いをお願いしよう。
「よしっ! これで完成です!」
「こんなモンが売れるのか?」
「きっと売れますよ。だって毎日使う物ですから」
私は試作品をいくつか持って、近隣の街を回り始めた。
働いている雑貨屋のある街はここら辺でも一番寂しい街で、他の街はここに比べればまだマシだ。
他の街で必要になれば、必ずこの街にも人が集まるはずだ。
「おやシルビア、前に言ってた物が出来たのかい?」
「ええ、ぜひ使ってみてください」
「へぇ、どうやって使うんだ?」
「こうやって両面を数回通すんです」
近場の街を回り終わり、私は確かな手ごたえを感じていた。
よし! 量産体制を整えるわよ!
金物屋さんにもお手伝いをお願いして、数日かけて百個作る事が出来た。
近所のお店にも試用期間として使ってもらったけど、反応は上々だ。
そして遂にその日が来た。
「やぁシルビア、砥ぎ機をニ十個もらえるかい」
「こっちは三十だ!」
「おい待て俺だって三十欲しいんだぞ!」
「待て在庫はいくつあるんだ!?」
他にも数名の店主さんが来てくれたけど、在庫が足りなくなるとは思わなかった。
私が考えた砥ぎ機はご家庭でも毎日、飲食店なら商売道具となる包丁を手軽に砥ぐための道具だ。
V型の金属の板に沿って包丁をスライドさせると、刃が砥石に当たって簡単に切れ味を復活させてくれる。
今までは包丁が全く切れなくなるまで使い潰し、ようやく鍛冶屋さんで砥いでもらうモノだったけど、切れ味の悪い刃物はとても危険だ。
だから安全を確保して、更に料理の効率を上げるために考えたものだ。
砥ぎ機には金属も使ってるから、鍛冶屋さんの仕事にもなる。
「こいつぁ~驚いた。包丁なんて押せば切れると思ってたがな」
「店長それ危ないからやめてください」
「まぁ台所に立つなと叱られたがな」
「それよりも増産しますから、店長もお手伝いお願いします」
「お、おおよ」
それから毎日、砥ぎ機を買いに来るお客さんが来るようになった。
必要のない人もいるけど、子供のいるご家庭なら持っているととても便利だし、料理も楽になる。
全家庭、全料理屋は無理でも、かなりの需要は見込めるはず。
お店の砥ぎ機フィーバーはひと月ほど続き、ようやく落ち着きを取り戻したころには、街に活気が戻っていた。
砥ぎ機を買いに来て街の飲食店で食事をし、場合によっては宿泊していく。
予想外だったのは馬車の修理や、馬の鐙や鞍の木材・革も売れた事だ。
ついでにお店の他の商品も消耗品などは良く売れた。
「ふい~、まさかこの街に活気が戻るたぁな。嬢ちゃん、いやシルビアのお陰だ」
「ふふふ、ありがとうございます。でもこの街にはそれだけの可能性があったからです。私だけじゃ無理ですから」
「そういうもんかね」
店内はキレイになり埃が溜まってる場所は無くなった。
何より明るくなったし、清潔感が出た。
そんな順風満帆な生活をしていると、ウワサが流れて来た。
男爵家が取り潰しになった、と。
どうやら貴族としての仕事を全くせず、最近では税金を集める事すらしなかったとか。
税金は王都にも送らないといけないから、停滞したら厳しい処罰が科せられる。
処罰が科せられたのに何もせず、逃げ回っていたんだとか。
それはダメよね。
旦那様……いえ元旦那様、何をなさっているんですか。
ここから最寄りの貴族である子爵が仮の統治をするそうだけど、しばらくは代理人が来るようだ。
今度の貴族はまともな人であって欲しいわね。
仕事が順調に回りだし、他にも新商品をいくつか開発した。
イマイチな物もあったけど、おおむね良好な売れ行きだ。
私の懐も出来高制にしたおかげでとても潤った。
でもあるウワサが流れて来た事で、私はお店を逃げる事になった。
それは『元男爵家で働いていたメイドを見つけた者には賞金を出す』と。
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