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第二十七話
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壊れた馬車を見て私は直ぐに鍛冶屋さんへと戻りました。
「そんなモン出来るわけが……いやでもな……いやいやそんな邪道な……だが待てよ……」
鍛冶屋さんに考えを伝えると、表情をコロコロと変えて考えています。
どうでしょう、素人考えもいい所なのでとんでもない欠陥があるかもしれません。
「嬢ちゃん、この案を他のやつには……」
「言っていません。思い付いてすぐにこちらに伺いましたので」
「そうか、よし! 少し時間をくれ、十日、いや七日後にもう一度来てくれ」
鍛冶屋さんを出るとすでに馬車は道の隅に運ばれており、車輪の修理が行われていました。
「シルビアって面白い考えをするわよね。ワタクシではあんな事は思い付かないわ」
「私が思い付いたというよりも、過去に見た本の内容を上手く混ぜた感じですね。だから手柄は本の著者です」
「著者はそんな事を考えてもないと思うわよ?」
そういうものでしょうか。
きっと私以外にも思い付く人は沢山いるはずです。
そして七日が過ぎ、私達はもう一度プリメラと共に鍛冶屋さんに来ました。
「こんにちは」
「おお来たか嬢ちゃん! こっちだこっち、ほらほら早くしな」
ニコニコな笑顔で店の奥に連れていかれます。
どこへ行くのかと思ったら鍜治場でした。
そこには私が話した通りのものが置いてあります。
「すでに試運転は済ませてある。どうだ、言われた通りのものだろう? ハーッハッハッハ!」
直径六十センチ、幅十センチほどの車輪のような物が立てて置いてあり、外周には分厚い砥石の輪がはめられています。
中心の軸は台から伸びた金属で持ち上げられ、回転させるレバーが付いています。
砥石の下には水を溜める長方形の容器が付いており、回転させた砥石に剣を当てれば素早く研げるという物です。
「へー、ここを持って回すの? 重くないの?」
「軸や内輪は金属で重いが、油を差してやれば男なら問題ねぇ。それに一回転でもさせりゃ後は軽いもんよ」
「流石ですね。私が想像していた物より立派です」
「そうか? そうだろうそうだろうハーッハッハッハァ!」
鍛冶屋さんはご機嫌です。
私もとてもご機嫌です。
プリメラは……珍しそうに見ていますがご機嫌ではないですね。
「こいつぁ~仕上げには向かねぇが、その前までなら十分に使える。鍛冶の砥ぎも随分と早くなるってもんだ!」
なるほど、仕上げには向かない……え?
「あの、これを戦場に持って行っても使えないという事でしょうか?」
「戦場? 戦場なら問題ねぇな。仕上げってのは切れ味が良くなるが、戦場ではそこまでの切れ味は必要ねぇからな」
ほっ、よかった。
ではこの案をアベニール様にお伝えしましょう。
「んで? これは持って帰るのかい? できれば俺も作って使いたいんだが」
「作るのはお待ちなさい。まずはワタクシの父であるアベニール辺境伯に献上してからよ」
「なんでぇアベニール辺境は……はぁ!? お嬢ちゃん達は辺境伯の娘なのか!?」
「娘なのはワタクシ、シルビアはワタクシの付き人よ」
「お、おおそうだっ……そうでしたか。そいつぁ~ようござんした?」
「今さら言葉遣いなんて気にしなくてもいいわよ。アナタはシルビアの役に立ったんだから胸を張りなさい!」
「おうそうだな! お嬢ちゃんは中々話がわかるじゃねーか」
二人で笑っています。
こ、これがコミュ力⁉ 私にはなかなか手にできないものです。
さて、まずは回転砥ぎ機を馬車に積み込んで……持ち上がりませんね。
「嬢ちゃん、そいつは百キロはあるからな、その細腕じゃ~無理ってもんだ」
「「百キロ⁉」」
「馬車は外か? おーいお前達!」
鍛冶屋さんが声をかけると若い衆が四人現れ、回転砥ぎ機をヒョイッと持ち上げました。
お、おおー、流石は職人さん、力持ちですね。
えっほえっほと馬車に運び込んでもらい、代金を払おうとしましたが受け取ってくれません。
「いやいや、こんないいモン教えてくれたんだ、それに辺境伯と繋がりが持てたんなら十分さ。あの武人アベニール辺境伯だろ? また御贔屓してくれよ」
お礼を言ってお別れしました。
最初は少し怖い人かと思いましたが、とても気持ちのいい人でしたね。
早速アベニール様のお屋敷に向かい回転砥ぎ機を見てもらいました。
「ふむぅ? ほうほう、おおっ! おお~ほっほっほ、これは良いな!!」
気に入ってもらえたようです。
早速使い込んだ剣を研ぐことになりましたが、残念ながら全部きれいに手入れがされていたようです。
「なければ作ればいい」
そう言って剣を持って庭に出ると、いきなり木を切り倒しました。
……へ? 私の胴体よりも太い木って一刀のもとに切り倒せるものなんですか?
そして自ら回転砥ぎ機で剣を研ぐと、また木を切って……
それを見ていた屋敷の兵士も参加して、砥ぎ大会が始まりました。
男の人って珍しいものが好きなんでしょうか。
「うむ、これなら戦場に持って行っても大して邪魔にはならんな。でかしたぞシルビア」
「ありがとうございます」
ふぅ、何とかいいものが出来たわね。
さあ残るは保存食よ。
「そんなモン出来るわけが……いやでもな……いやいやそんな邪道な……だが待てよ……」
鍛冶屋さんに考えを伝えると、表情をコロコロと変えて考えています。
どうでしょう、素人考えもいい所なのでとんでもない欠陥があるかもしれません。
「嬢ちゃん、この案を他のやつには……」
「言っていません。思い付いてすぐにこちらに伺いましたので」
「そうか、よし! 少し時間をくれ、十日、いや七日後にもう一度来てくれ」
鍛冶屋さんを出るとすでに馬車は道の隅に運ばれており、車輪の修理が行われていました。
「シルビアって面白い考えをするわよね。ワタクシではあんな事は思い付かないわ」
「私が思い付いたというよりも、過去に見た本の内容を上手く混ぜた感じですね。だから手柄は本の著者です」
「著者はそんな事を考えてもないと思うわよ?」
そういうものでしょうか。
きっと私以外にも思い付く人は沢山いるはずです。
そして七日が過ぎ、私達はもう一度プリメラと共に鍛冶屋さんに来ました。
「こんにちは」
「おお来たか嬢ちゃん! こっちだこっち、ほらほら早くしな」
ニコニコな笑顔で店の奥に連れていかれます。
どこへ行くのかと思ったら鍜治場でした。
そこには私が話した通りのものが置いてあります。
「すでに試運転は済ませてある。どうだ、言われた通りのものだろう? ハーッハッハッハ!」
直径六十センチ、幅十センチほどの車輪のような物が立てて置いてあり、外周には分厚い砥石の輪がはめられています。
中心の軸は台から伸びた金属で持ち上げられ、回転させるレバーが付いています。
砥石の下には水を溜める長方形の容器が付いており、回転させた砥石に剣を当てれば素早く研げるという物です。
「へー、ここを持って回すの? 重くないの?」
「軸や内輪は金属で重いが、油を差してやれば男なら問題ねぇ。それに一回転でもさせりゃ後は軽いもんよ」
「流石ですね。私が想像していた物より立派です」
「そうか? そうだろうそうだろうハーッハッハッハァ!」
鍛冶屋さんはご機嫌です。
私もとてもご機嫌です。
プリメラは……珍しそうに見ていますがご機嫌ではないですね。
「こいつぁ~仕上げには向かねぇが、その前までなら十分に使える。鍛冶の砥ぎも随分と早くなるってもんだ!」
なるほど、仕上げには向かない……え?
「あの、これを戦場に持って行っても使えないという事でしょうか?」
「戦場? 戦場なら問題ねぇな。仕上げってのは切れ味が良くなるが、戦場ではそこまでの切れ味は必要ねぇからな」
ほっ、よかった。
ではこの案をアベニール様にお伝えしましょう。
「んで? これは持って帰るのかい? できれば俺も作って使いたいんだが」
「作るのはお待ちなさい。まずはワタクシの父であるアベニール辺境伯に献上してからよ」
「なんでぇアベニール辺境は……はぁ!? お嬢ちゃん達は辺境伯の娘なのか!?」
「娘なのはワタクシ、シルビアはワタクシの付き人よ」
「お、おおそうだっ……そうでしたか。そいつぁ~ようござんした?」
「今さら言葉遣いなんて気にしなくてもいいわよ。アナタはシルビアの役に立ったんだから胸を張りなさい!」
「おうそうだな! お嬢ちゃんは中々話がわかるじゃねーか」
二人で笑っています。
こ、これがコミュ力⁉ 私にはなかなか手にできないものです。
さて、まずは回転砥ぎ機を馬車に積み込んで……持ち上がりませんね。
「嬢ちゃん、そいつは百キロはあるからな、その細腕じゃ~無理ってもんだ」
「「百キロ⁉」」
「馬車は外か? おーいお前達!」
鍛冶屋さんが声をかけると若い衆が四人現れ、回転砥ぎ機をヒョイッと持ち上げました。
お、おおー、流石は職人さん、力持ちですね。
えっほえっほと馬車に運び込んでもらい、代金を払おうとしましたが受け取ってくれません。
「いやいや、こんないいモン教えてくれたんだ、それに辺境伯と繋がりが持てたんなら十分さ。あの武人アベニール辺境伯だろ? また御贔屓してくれよ」
お礼を言ってお別れしました。
最初は少し怖い人かと思いましたが、とても気持ちのいい人でしたね。
早速アベニール様のお屋敷に向かい回転砥ぎ機を見てもらいました。
「ふむぅ? ほうほう、おおっ! おお~ほっほっほ、これは良いな!!」
気に入ってもらえたようです。
早速使い込んだ剣を研ぐことになりましたが、残念ながら全部きれいに手入れがされていたようです。
「なければ作ればいい」
そう言って剣を持って庭に出ると、いきなり木を切り倒しました。
……へ? 私の胴体よりも太い木って一刀のもとに切り倒せるものなんですか?
そして自ら回転砥ぎ機で剣を研ぐと、また木を切って……
それを見ていた屋敷の兵士も参加して、砥ぎ大会が始まりました。
男の人って珍しいものが好きなんでしょうか。
「うむ、これなら戦場に持って行っても大して邪魔にはならんな。でかしたぞシルビア」
「ありがとうございます」
ふぅ、何とかいいものが出来たわね。
さあ残るは保存食よ。
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