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第三十四話
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リック、いえセドリック様がどうしてここに?
学園を卒業してからは王城で働きながら、商売の勉強をしているって聞いていたのに。
は! いけないいけない、そんな事よりも。
「お久しぶりです殿下。まさかお忍びで来られるとは思いませんでした」
私は胸に右手を当てて片膝を付き頭を垂れます。
以前の様に王子だと知らなかったならいざ知らず、今の私はセドリック様の事を王子だと認識しているもの。
……貴族なら御学友という事で許されるけど。
「シルビア……その、友人として接して欲しい。僕は……以前の様に話をしたいんだ」
「しかし……」
「ほらほらシルビア、ワタクシの顔に免じてリックと呼んで上げなさいな」
「私はタダのメイドですよ?」
「かまわないんじゃありませんこと? 本人が良いと言っているのですから」
「うん……リックと呼んで欲しい」
「では、えっと、リック様、お久しぶりです」
「本当に……久しぶりだね。会えて嬉しいよ」
こうやって皆さんに会うと学園を思い出します。
ちょっと早いですが同窓会みたいですね。
「あ、私ったら昔を懐かしんじゃって。セフィーロ様とリック様のお部屋に案内していませんでした」
「ああ本当だね。さあシルビア、俺との愛の巣へ案内してくれるかい?」
「はい。エクストレイル様とご一緒の部屋でよろしければご案内しますよ?」
「oh~、個室でお願いするよ」
セフィーロ様とリック様を部屋にご案内し、その後でエクストレイル様に報告に行きます。
リビングにお茶を用意して、そこで御歓談される予定だ。
しかし。
「やあ皆さん、すみませんが私は急用が出来てしまったので、後の事はシルビアに聞いてくれ。騎士殿もどうかごゆっくりしていかれよ」
リビングに来られたと思ったら、そんな事を言ってお屋敷を出ていかれました。
騎士殿? この場でわざわざ護衛の騎士に挨拶を……ああ、御存じなのね。
ヘルメットをかぶって顔を隠しているリック様の事を。
「かしこまりましたわエクストレイル様、こちらはこちらで楽しんでおりますので、そちらは御用を済ませてくださいまし」
「すまないねリバティ嬢、では皆さんもごゆっくり」
エクストレイル様がリビングから出ていかれました。
「それでは皆さん、お茶とお菓子の用意をしますので少々お待ち――」
「それは私がやるから、シルビアは座ってて」
準備をしようとした私をマーチが引き止め、更にソファーに座らせようとしてきます。
「ちょ、ちょっと待ってくださいマーチ。それは流石にいけません」
「なに言ってんのよ、同窓会みたいなものだからいいのよ、いーの」
あ、やっぱりそういう感覚だったんですね。
ならお言葉に甘えて。
ちょこんとプリメラの隣に座ると、プリメラが私のアゴをクイッと持ち上げプリメラの方に顔を向けられました。
「気になっていたんだけど、何を悩んでいるの?」
「え? 別に何も……」
「ウソ言わないの。ワタクシはシルビアの事はシルビア以上に知っているわ。表面上は嬉しそうでも心のどこかに何かか詰っている顔よ」
「……はぁ、久しぶりに会うのですから、楽しい話をしたかったのですけど」
「ワタクシの喜びはシルビアの笑顔を見る事、そしていつでも自由に生きていられることよ」
「ふふふ、相変わらず強引ですね。でも……ええそうです、今少しですが悩んでいます」
私はこのお屋敷の問題、ひいては領地の問題を話しました。
こんな話をしても面白くないでしょうが、みんな真剣に聞いてくれます。
「それでシルビアはどうしたいの? あなたの事だから自分の出来る事なら改善したいのでしょう?」
「はい。しかし私はメイド、屋敷全体や領地の事に口を出するのは越権行為になってしまいます」
「かまわないのではなくって? プリメラに仕えていた時もそうでしたが、シルビアはやりたい事をやるべきですわ。もちろん雇い主にプラスになるのなら、ですけども。プラスになるのですわよね?」
「それはもちろんですリバティ様。でも……以前は付き人の役割を超えた事ばかりでしたので……」
「はっはっはっは! シルビアは相変わらず面白いな。俺だったらメイドだろうが付き人だろうが、ためになる事を言われたら嬉しいけどね」
「僕もそう……だよ。エクストレイル伯爵は人の意見を聞ける人、だから……思った事を言えばいい」
「皆さん……ありがとうございます。そうですね、言いたい事を我慢するなんて、それこそ今さらですよね」
そうね、そうよね、たとえ越権行為でも解決方法があるのに提案しないのは、それはメイドどころか人としていけないわ。
ああ、なんだか気分がスッキリしました。
「良い顔になったわね。それで、ここではどんなことをしているの?」
「そうですね、このお屋敷では――」
とても晴れやかな気分で皆さんとの会話を楽しみました。
ああ、やっぱり会えてよかった。
学園を卒業してからは王城で働きながら、商売の勉強をしているって聞いていたのに。
は! いけないいけない、そんな事よりも。
「お久しぶりです殿下。まさかお忍びで来られるとは思いませんでした」
私は胸に右手を当てて片膝を付き頭を垂れます。
以前の様に王子だと知らなかったならいざ知らず、今の私はセドリック様の事を王子だと認識しているもの。
……貴族なら御学友という事で許されるけど。
「シルビア……その、友人として接して欲しい。僕は……以前の様に話をしたいんだ」
「しかし……」
「ほらほらシルビア、ワタクシの顔に免じてリックと呼んで上げなさいな」
「私はタダのメイドですよ?」
「かまわないんじゃありませんこと? 本人が良いと言っているのですから」
「うん……リックと呼んで欲しい」
「では、えっと、リック様、お久しぶりです」
「本当に……久しぶりだね。会えて嬉しいよ」
こうやって皆さんに会うと学園を思い出します。
ちょっと早いですが同窓会みたいですね。
「あ、私ったら昔を懐かしんじゃって。セフィーロ様とリック様のお部屋に案内していませんでした」
「ああ本当だね。さあシルビア、俺との愛の巣へ案内してくれるかい?」
「はい。エクストレイル様とご一緒の部屋でよろしければご案内しますよ?」
「oh~、個室でお願いするよ」
セフィーロ様とリック様を部屋にご案内し、その後でエクストレイル様に報告に行きます。
リビングにお茶を用意して、そこで御歓談される予定だ。
しかし。
「やあ皆さん、すみませんが私は急用が出来てしまったので、後の事はシルビアに聞いてくれ。騎士殿もどうかごゆっくりしていかれよ」
リビングに来られたと思ったら、そんな事を言ってお屋敷を出ていかれました。
騎士殿? この場でわざわざ護衛の騎士に挨拶を……ああ、御存じなのね。
ヘルメットをかぶって顔を隠しているリック様の事を。
「かしこまりましたわエクストレイル様、こちらはこちらで楽しんでおりますので、そちらは御用を済ませてくださいまし」
「すまないねリバティ嬢、では皆さんもごゆっくり」
エクストレイル様がリビングから出ていかれました。
「それでは皆さん、お茶とお菓子の用意をしますので少々お待ち――」
「それは私がやるから、シルビアは座ってて」
準備をしようとした私をマーチが引き止め、更にソファーに座らせようとしてきます。
「ちょ、ちょっと待ってくださいマーチ。それは流石にいけません」
「なに言ってんのよ、同窓会みたいなものだからいいのよ、いーの」
あ、やっぱりそういう感覚だったんですね。
ならお言葉に甘えて。
ちょこんとプリメラの隣に座ると、プリメラが私のアゴをクイッと持ち上げプリメラの方に顔を向けられました。
「気になっていたんだけど、何を悩んでいるの?」
「え? 別に何も……」
「ウソ言わないの。ワタクシはシルビアの事はシルビア以上に知っているわ。表面上は嬉しそうでも心のどこかに何かか詰っている顔よ」
「……はぁ、久しぶりに会うのですから、楽しい話をしたかったのですけど」
「ワタクシの喜びはシルビアの笑顔を見る事、そしていつでも自由に生きていられることよ」
「ふふふ、相変わらず強引ですね。でも……ええそうです、今少しですが悩んでいます」
私はこのお屋敷の問題、ひいては領地の問題を話しました。
こんな話をしても面白くないでしょうが、みんな真剣に聞いてくれます。
「それでシルビアはどうしたいの? あなたの事だから自分の出来る事なら改善したいのでしょう?」
「はい。しかし私はメイド、屋敷全体や領地の事に口を出するのは越権行為になってしまいます」
「かまわないのではなくって? プリメラに仕えていた時もそうでしたが、シルビアはやりたい事をやるべきですわ。もちろん雇い主にプラスになるのなら、ですけども。プラスになるのですわよね?」
「それはもちろんですリバティ様。でも……以前は付き人の役割を超えた事ばかりでしたので……」
「はっはっはっは! シルビアは相変わらず面白いな。俺だったらメイドだろうが付き人だろうが、ためになる事を言われたら嬉しいけどね」
「僕もそう……だよ。エクストレイル伯爵は人の意見を聞ける人、だから……思った事を言えばいい」
「皆さん……ありがとうございます。そうですね、言いたい事を我慢するなんて、それこそ今さらですよね」
そうね、そうよね、たとえ越権行為でも解決方法があるのに提案しないのは、それはメイドどころか人としていけないわ。
ああ、なんだか気分がスッキリしました。
「良い顔になったわね。それで、ここではどんなことをしているの?」
「そうですね、このお屋敷では――」
とても晴れやかな気分で皆さんとの会話を楽しみました。
ああ、やっぱり会えてよかった。
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