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第四十五話
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ぼっちゃんの話では、若旦那様と若奥様は食後すぐに自室に戻るらしい。
つまり自室に軽食の準備がされているという事だろう。
軽食の準備をしているメイドは誰かしら、それがわかれば詳しい話を聞けるけど、多分秘密裏に用意しているはずだから、表立って聞く事も出来ない。
なら張り込むしかないわね。
早速その日の夕食から、若旦那様の部屋が見える場所で張り込みました。
残念ながら夕食時には誰も部屋には近づかず、若旦那様達がお部屋に戻ってからも部屋に近づく人はいなかった。
今日は食べないのかしら。おっと、ぼっちゃんが厨房に来る時間ね。
その後数日間張り込んだけど、一向に若旦那様の部屋に食事の用意をする人は現れなかった。
ひょっとして自室で軽食を取っているというのは、ぼっちゃんの勘違いかしら。
そう思い始めた夕食時、ようやく一人のメイドが部屋に近づいてきました。
ワゴンを押しているけど、上に乗っているのは着替えだわ。
でもワゴンには黒い布がかけられており、一番上の段以外は見えなくなっている。
メイドがノックして部屋に入るけど、もちろん誰もいないので返事を待たずに中に入っていく。
今よ!
「あら? お疲れ様です。こんな時間にどうされたんですか?」
「きゃっ! あ、ああシルビア? 何でもないのよ、何でも。あなたもこんな時間にどうしたの? 早く戻らないと食事が無くなってしまうわよ?」
まだ若いメイドですが、焦っているのか早口です。
この人は普段はおっとり系のはずですが……
「私はもう済ませました。あ、お手伝いしますね」
「だだだ大丈夫よ! うん大丈夫! 食べたのなら戻っていいわよ!」
「ん? なんだか美味しそうな匂いがしますね」
「そっそんな事ないわ? 私はサンドイッチなんて持ってないから、食堂の匂いが流されて来たのかしらね~」
なるほどサンドイッチですか。
しかし私はメイドを困らせたいわけではないので、そろそろネタをばらす事にしましょう。
「若旦那様と若奥様のお夜食ですよね? デイズさんに依頼されて、過度な質素倹約をやめさせる方法を探っているんです」
「え、デイズさんから? あ! もしかしてぇ~、ぼっちゃんの、お顔がまるくなったのわぁ~……シルビアの仕業ね?」
「仕業というか、毎食後に厨房で一緒に食事をしています」
「きゃ~ん、偉いわシルビア、ぼっちゃんはね、人見知りだから、新しい人には、中々懐かないのよ~」
そう言って私の顔を抱きしめました。
おっとり系でピンクのフワフワヘアー、そして背が大きいので顔が胸に埋まってしまいました。
あら、この感覚は……プリメラ並みの豊満さだわ!!
くっ、メイド間でもこの格差……!
「あらぁ~? それじゃあぁあ、若旦那様のお食事は、ぼっちゃんと一緒に、した方がいいっぽい?」
何とか胸から脱出し、何事も無かった様に平静を装います。
「そうですね、今日は無理ですが、明日からはご一緒した方が良いかもしれません。出来れば私も同席したいのですが……」
「かまわないよ」
部屋の外から男性の声がしました。
ビックリして振り返ると、そこには若旦那様と若奥様がいらっしゃいました。
「あらあらあら~、ごめんなさい、若旦那様、若奥様~、まだ準備、出来てないんです~」
「では今からしてくれるかしら? ほらほら、戸を開けっ放しだとお義父様に見つかってしまうわよ」
若奥様と若旦那様が部屋に入り戸を閉めます。
あら? なんなら今からお話を聞いても良いのでは?
メイドがてきぱきと食事をテーブルに並べると、お二人はホッとしたように食事を始めます。
ああ、これは明日の方がいいわね。
翌朝、デイズさんにお願いして、フーガ様を朝から外に連れ出してもらいました。
大丈夫だと思いますが、この方が安全だと思います。
「皆さま、朝食の準備が出来ましたので食堂に……きゃ」
お部屋に呼びに行くと若旦那様達三人は勢いよく部屋から出てきました。
い、一応は貴族としての振る舞いを忘れないのね。
食堂にいくと、そこにはいつもとは違う風景が見えます。
「わぁ! おとうさま! おかあさま! 今日はパーティーです!」
「ば、馬鹿者、この位の事でパーティーなわけがあるか」
「そ、その通りよ、貴族なら当たり前の朝食だもの」
そんな二人も口元が緩みっぱなしです。
今日はフーガ様がいらっしゃらないので、私の知る一般的な貴族の朝食を再現してみました。
ええ、本当に極々一般的なものだと思います。
お三方が席に座り、いつもとは違う賑やかな朝食が始まりました。
「あれ? シルビアは一緒に食べないの?」
「ぼっちゃん、私はメイドです。メイドは皆さんと一緒のテーブルには着けないのです」
「え、でもいつもは僕と一緒に食べてるのに?」
「あれは……えっと、何といいましょうか」
「かまわないよ。シルビアも座りたまえ」
若旦那様に言われ、流石に断れなくなり周囲のメイドや執事を見ますが、無言で頷いています。
はぁ、仕方がありません。
「シルビア! これ美味しいね! シルビアが作ってくれたの⁉」
「はい。今日の朝食は私が作らせていただきました」
「やっぱり! 僕のお嫁さんは料理が上手だね!」
!! 普段なら構いませんが、流石に若様方の前では……
もう食事が終わったようです。早いですね。
「それでシルビア、私達に聞きたい事は何だ?」
お嫁さんをスルーしました!!
いえそれはそれで助かります。
「では率直にお尋ねします。若旦那様、フーガ様の異常な質素倹約の理由をご存じありませんか?」
食堂内に糸が張り詰めたような緊張が走ります。
これはメイドや執事も知りたがっていた事ですが、聞く事はタブー視されていたのでしょう。
ある意味新人の私だから出来る事です。
「父上のアレの理由……もちろん知っているよ」
つまり自室に軽食の準備がされているという事だろう。
軽食の準備をしているメイドは誰かしら、それがわかれば詳しい話を聞けるけど、多分秘密裏に用意しているはずだから、表立って聞く事も出来ない。
なら張り込むしかないわね。
早速その日の夕食から、若旦那様の部屋が見える場所で張り込みました。
残念ながら夕食時には誰も部屋には近づかず、若旦那様達がお部屋に戻ってからも部屋に近づく人はいなかった。
今日は食べないのかしら。おっと、ぼっちゃんが厨房に来る時間ね。
その後数日間張り込んだけど、一向に若旦那様の部屋に食事の用意をする人は現れなかった。
ひょっとして自室で軽食を取っているというのは、ぼっちゃんの勘違いかしら。
そう思い始めた夕食時、ようやく一人のメイドが部屋に近づいてきました。
ワゴンを押しているけど、上に乗っているのは着替えだわ。
でもワゴンには黒い布がかけられており、一番上の段以外は見えなくなっている。
メイドがノックして部屋に入るけど、もちろん誰もいないので返事を待たずに中に入っていく。
今よ!
「あら? お疲れ様です。こんな時間にどうされたんですか?」
「きゃっ! あ、ああシルビア? 何でもないのよ、何でも。あなたもこんな時間にどうしたの? 早く戻らないと食事が無くなってしまうわよ?」
まだ若いメイドですが、焦っているのか早口です。
この人は普段はおっとり系のはずですが……
「私はもう済ませました。あ、お手伝いしますね」
「だだだ大丈夫よ! うん大丈夫! 食べたのなら戻っていいわよ!」
「ん? なんだか美味しそうな匂いがしますね」
「そっそんな事ないわ? 私はサンドイッチなんて持ってないから、食堂の匂いが流されて来たのかしらね~」
なるほどサンドイッチですか。
しかし私はメイドを困らせたいわけではないので、そろそろネタをばらす事にしましょう。
「若旦那様と若奥様のお夜食ですよね? デイズさんに依頼されて、過度な質素倹約をやめさせる方法を探っているんです」
「え、デイズさんから? あ! もしかしてぇ~、ぼっちゃんの、お顔がまるくなったのわぁ~……シルビアの仕業ね?」
「仕業というか、毎食後に厨房で一緒に食事をしています」
「きゃ~ん、偉いわシルビア、ぼっちゃんはね、人見知りだから、新しい人には、中々懐かないのよ~」
そう言って私の顔を抱きしめました。
おっとり系でピンクのフワフワヘアー、そして背が大きいので顔が胸に埋まってしまいました。
あら、この感覚は……プリメラ並みの豊満さだわ!!
くっ、メイド間でもこの格差……!
「あらぁ~? それじゃあぁあ、若旦那様のお食事は、ぼっちゃんと一緒に、した方がいいっぽい?」
何とか胸から脱出し、何事も無かった様に平静を装います。
「そうですね、今日は無理ですが、明日からはご一緒した方が良いかもしれません。出来れば私も同席したいのですが……」
「かまわないよ」
部屋の外から男性の声がしました。
ビックリして振り返ると、そこには若旦那様と若奥様がいらっしゃいました。
「あらあらあら~、ごめんなさい、若旦那様、若奥様~、まだ準備、出来てないんです~」
「では今からしてくれるかしら? ほらほら、戸を開けっ放しだとお義父様に見つかってしまうわよ」
若奥様と若旦那様が部屋に入り戸を閉めます。
あら? なんなら今からお話を聞いても良いのでは?
メイドがてきぱきと食事をテーブルに並べると、お二人はホッとしたように食事を始めます。
ああ、これは明日の方がいいわね。
翌朝、デイズさんにお願いして、フーガ様を朝から外に連れ出してもらいました。
大丈夫だと思いますが、この方が安全だと思います。
「皆さま、朝食の準備が出来ましたので食堂に……きゃ」
お部屋に呼びに行くと若旦那様達三人は勢いよく部屋から出てきました。
い、一応は貴族としての振る舞いを忘れないのね。
食堂にいくと、そこにはいつもとは違う風景が見えます。
「わぁ! おとうさま! おかあさま! 今日はパーティーです!」
「ば、馬鹿者、この位の事でパーティーなわけがあるか」
「そ、その通りよ、貴族なら当たり前の朝食だもの」
そんな二人も口元が緩みっぱなしです。
今日はフーガ様がいらっしゃらないので、私の知る一般的な貴族の朝食を再現してみました。
ええ、本当に極々一般的なものだと思います。
お三方が席に座り、いつもとは違う賑やかな朝食が始まりました。
「あれ? シルビアは一緒に食べないの?」
「ぼっちゃん、私はメイドです。メイドは皆さんと一緒のテーブルには着けないのです」
「え、でもいつもは僕と一緒に食べてるのに?」
「あれは……えっと、何といいましょうか」
「かまわないよ。シルビアも座りたまえ」
若旦那様に言われ、流石に断れなくなり周囲のメイドや執事を見ますが、無言で頷いています。
はぁ、仕方がありません。
「シルビア! これ美味しいね! シルビアが作ってくれたの⁉」
「はい。今日の朝食は私が作らせていただきました」
「やっぱり! 僕のお嫁さんは料理が上手だね!」
!! 普段なら構いませんが、流石に若様方の前では……
もう食事が終わったようです。早いですね。
「それでシルビア、私達に聞きたい事は何だ?」
お嫁さんをスルーしました!!
いえそれはそれで助かります。
「では率直にお尋ねします。若旦那様、フーガ様の異常な質素倹約の理由をご存じありませんか?」
食堂内に糸が張り詰めたような緊張が走ります。
これはメイドや執事も知りたがっていた事ですが、聞く事はタブー視されていたのでしょう。
ある意味新人の私だから出来る事です。
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