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第百四話
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料理長がサンタナ妃殿下の元にいらっしゃり、白パンの話を始めました。
どうやら以前私が厨房で試作した白パンを配ったらしく、皆さん白パンをもっと食べたいとお願いしていたようです。
どうりで「白パン専用のオーブンを作るから協力して欲しい」と言われるわけです。
「ど、どうしてシルビアのお陰なん……ですか?」
おっとキャラバン様、驚きのあまり料理長への敬語を忘れてしまいそうになりましたね。
でも間に合ったのは流石です。
「白パンの作り方はシルビアに教えてもらったんです。他にも私の知らない調理方法も色々と教えてもらいました」
おや? 皆さん今度は私から目を逸らしましたね。
何があったのでしょうか。
「あ、あの~料理長? 料理長は厨房に関係者以外は入れないと聞きましたが~?」
「もちろんですともホーミー様。ああシルビアですか? シルビアは他のメイドと共に厨房に来たのですが、異様に手際が良かったのでそれ以降も許可しました」
あれ? 厨房ってお願いしたら入れるものじゃなかったんですか?
ああでも最初は睨まれていたかもしれません。
きっと私を強引に連れて行ったメイドがリーフ様の名を出したから、仕方なく厨房へ入る事を許可したのかもしれません。
「そうでしたか。では白パンは近いうちに食べれられるようになるのですね」
「今はオーブンの試運転をしていますので数日中には」
サンタナ妃殿下はニコニコです。他の側室もニコニコです。
食べ物の力って凄い!
「今日はその事を報告に来ただけなので私はこれで。ああシルビア、試作品が出来たら呼ぶから試食を頼むよ」
「はい、かしこまりました」
料理長は一礼して出て行きました。
それにしても皆さんとてもいい笑顔ですね、これはこの先の交渉も上手くいくかもしれません。
「さて、そろそろ話を戻しましょうか。シルビアの言うサファリをどうにかしたいという話、反対の人はいる?」
誰も手を上げません。
というか紅茶を飲んでお菓子を食べています。
決して話を聞いていないわけではなく、話を聞いたうえでお菓子を食べているようです。
「つかさ、クリッパー殿と料理長がシルビアを高く評価してて、どうやらシルビアの評価はウワサとは違うんだろう?」
「そうなのよね。どうせ嘘だろうと思っていたら本当だったんでしょう?」
「無理、降参、お手上げ」
「私達じゃ無理だったけど~、何とかしてくれるならして欲しいかな~」
交渉が上手くいくどころかすでに終わっていました。
私の言葉で動いたわけではないのが残念ですが、外部協力者は私の力と思っておきましょう。
「それでシルビア、具体的な案はあるのかしら? あの人は何年もあんな感じよ? 今更元に戻すなんてできるの?」
「元に戻すつもりはありません」
「「「「「はぁ⁉」」」」」
「グロリア様やシルフィー様より優秀になってもらいます」
「「「「「……はぁ?」」」」」
「最強の三番手としてエルグランド王国を支えてもらい、グロリア様の方がましだと帝国に思わせることが出来れば、二度と毒殺を企てる事は無くなります」
あれ? 妃殿下や側室であれば喜んでもらえると思いましたが、なんでそんなに微妙な顔をしているのですか?
確かに第一第二王子より優秀に! なんて言うと御二人には不敬に聞こえるかもしれませんけど。
「あのねシルビア。あなたは知らないかもしれないけれど、グロリア様はそれはそれは素晴らしい方なのよ? 剣を扱えば騎士団員より強く、指揮を取れば軍師顔負け、内政では貴族平民問わず評価を受け、外交でもグロリア様が行けば丸く収まる、そんな完璧と言われる最強の王子なのよ?」
「問題ありませんサンタナ妃殿下。サファリ様がただの腑抜けになっていない限り、それより上を目指す事は可能です」
「いや可能って! お前はあの人の恐ろしさを知らないから言えるんだって!」
「いえキャラバン様、グロリア様の話は嫌でも耳に入ってきます。それを知った上で可能と判断しました」
「グロリア様だけじゃないわ、第二王子のシルフィー様だってとんでもない御方よ? グロリア様がいなければ間違いなく過去最強と言っても良いんだもの」
「その程度ですかセレナ様。誰かがいなければ、などと言うレベルなら問題はありません。超えられます」
「昔の元気な時でも勝てなかった。どうして今から勝てる?」
「リオ様、昔のサファリ様はワザと能力を隠していたと聞きました。その能力を遺憾なく発揮させ、現在の知識を詰め込みます」
「でもでもぉ~、想像できないわ~」
「私達が信じなくて誰が信じるのですかホーミー様。間違いなくサファリ様は過去最強の、いえ、世界最強の王子になれます」
世界最強の王子、そうですね、それを目指すのは面白そうです。
皆さんの反応は目を輝かせているのがサンタナ妃殿下、キャラバン様、ホーミー様。
イマイチなのはセレナ様とリオ様。
「私は見てみたいのです。今までの姿は世を忍ぶ仮の姿で、本当は全てを見通し理解し、すでにすべての対策が終わっていた、という周囲の驚いた顔が」
「……サファリは演技してただけで、本当は凄かった、って事?」
「その通りですリオ様」
「でもそれじゃあ……でも世を忍ぶ仮の姿って……いいかも」
「セレナ様が愛するサファリ様は、今この瞬間にも誰かを手玉に取っているけど、でも普段は遊び惚けている。ワクワクしてきませんか?」
全員の目が輝きました。成功です。
「でもシルビア、具体的にはどうするのかしら」
「毒を持って毒を制す作戦です」
どうやら以前私が厨房で試作した白パンを配ったらしく、皆さん白パンをもっと食べたいとお願いしていたようです。
どうりで「白パン専用のオーブンを作るから協力して欲しい」と言われるわけです。
「ど、どうしてシルビアのお陰なん……ですか?」
おっとキャラバン様、驚きのあまり料理長への敬語を忘れてしまいそうになりましたね。
でも間に合ったのは流石です。
「白パンの作り方はシルビアに教えてもらったんです。他にも私の知らない調理方法も色々と教えてもらいました」
おや? 皆さん今度は私から目を逸らしましたね。
何があったのでしょうか。
「あ、あの~料理長? 料理長は厨房に関係者以外は入れないと聞きましたが~?」
「もちろんですともホーミー様。ああシルビアですか? シルビアは他のメイドと共に厨房に来たのですが、異様に手際が良かったのでそれ以降も許可しました」
あれ? 厨房ってお願いしたら入れるものじゃなかったんですか?
ああでも最初は睨まれていたかもしれません。
きっと私を強引に連れて行ったメイドがリーフ様の名を出したから、仕方なく厨房へ入る事を許可したのかもしれません。
「そうでしたか。では白パンは近いうちに食べれられるようになるのですね」
「今はオーブンの試運転をしていますので数日中には」
サンタナ妃殿下はニコニコです。他の側室もニコニコです。
食べ物の力って凄い!
「今日はその事を報告に来ただけなので私はこれで。ああシルビア、試作品が出来たら呼ぶから試食を頼むよ」
「はい、かしこまりました」
料理長は一礼して出て行きました。
それにしても皆さんとてもいい笑顔ですね、これはこの先の交渉も上手くいくかもしれません。
「さて、そろそろ話を戻しましょうか。シルビアの言うサファリをどうにかしたいという話、反対の人はいる?」
誰も手を上げません。
というか紅茶を飲んでお菓子を食べています。
決して話を聞いていないわけではなく、話を聞いたうえでお菓子を食べているようです。
「つかさ、クリッパー殿と料理長がシルビアを高く評価してて、どうやらシルビアの評価はウワサとは違うんだろう?」
「そうなのよね。どうせ嘘だろうと思っていたら本当だったんでしょう?」
「無理、降参、お手上げ」
「私達じゃ無理だったけど~、何とかしてくれるならして欲しいかな~」
交渉が上手くいくどころかすでに終わっていました。
私の言葉で動いたわけではないのが残念ですが、外部協力者は私の力と思っておきましょう。
「それでシルビア、具体的な案はあるのかしら? あの人は何年もあんな感じよ? 今更元に戻すなんてできるの?」
「元に戻すつもりはありません」
「「「「「はぁ⁉」」」」」
「グロリア様やシルフィー様より優秀になってもらいます」
「「「「「……はぁ?」」」」」
「最強の三番手としてエルグランド王国を支えてもらい、グロリア様の方がましだと帝国に思わせることが出来れば、二度と毒殺を企てる事は無くなります」
あれ? 妃殿下や側室であれば喜んでもらえると思いましたが、なんでそんなに微妙な顔をしているのですか?
確かに第一第二王子より優秀に! なんて言うと御二人には不敬に聞こえるかもしれませんけど。
「あのねシルビア。あなたは知らないかもしれないけれど、グロリア様はそれはそれは素晴らしい方なのよ? 剣を扱えば騎士団員より強く、指揮を取れば軍師顔負け、内政では貴族平民問わず評価を受け、外交でもグロリア様が行けば丸く収まる、そんな完璧と言われる最強の王子なのよ?」
「問題ありませんサンタナ妃殿下。サファリ様がただの腑抜けになっていない限り、それより上を目指す事は可能です」
「いや可能って! お前はあの人の恐ろしさを知らないから言えるんだって!」
「いえキャラバン様、グロリア様の話は嫌でも耳に入ってきます。それを知った上で可能と判断しました」
「グロリア様だけじゃないわ、第二王子のシルフィー様だってとんでもない御方よ? グロリア様がいなければ間違いなく過去最強と言っても良いんだもの」
「その程度ですかセレナ様。誰かがいなければ、などと言うレベルなら問題はありません。超えられます」
「昔の元気な時でも勝てなかった。どうして今から勝てる?」
「リオ様、昔のサファリ様はワザと能力を隠していたと聞きました。その能力を遺憾なく発揮させ、現在の知識を詰め込みます」
「でもでもぉ~、想像できないわ~」
「私達が信じなくて誰が信じるのですかホーミー様。間違いなくサファリ様は過去最強の、いえ、世界最強の王子になれます」
世界最強の王子、そうですね、それを目指すのは面白そうです。
皆さんの反応は目を輝かせているのがサンタナ妃殿下、キャラバン様、ホーミー様。
イマイチなのはセレナ様とリオ様。
「私は見てみたいのです。今までの姿は世を忍ぶ仮の姿で、本当は全てを見通し理解し、すでにすべての対策が終わっていた、という周囲の驚いた顔が」
「……サファリは演技してただけで、本当は凄かった、って事?」
「その通りですリオ様」
「でもそれじゃあ……でも世を忍ぶ仮の姿って……いいかも」
「セレナ様が愛するサファリ様は、今この瞬間にも誰かを手玉に取っているけど、でも普段は遊び惚けている。ワクワクしてきませんか?」
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