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第百五話
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「毒を持って毒を制す作戦です」
五人の顔が歪みます。
それはそうでしょうね、毒殺されそうになった兄を救うために毒を飲んだサファリ様に対し毒で制すなんて作戦名ですから。
「シルビア? もう少し作戦名は何とかならないかしら?」
「しかしサンタナ妃殿下、作戦名を変えても毒で制す事に変わりはありませんよ?」
「良いのではないかしらサンタナ。『毒を食らわば皿まで』ということわざもあるくらいだから、やるなら徹底的にやるべきだわ」
「お、おおぅ、相変わらずセレナは思い切りが良いな」
「皿は食べたくないけど、サファリの為になるなら毒を飲んでもいい」
「毒はダメよリオ~。でもやり切るしかないものね~」
どうやら五人も覚悟が出来た様です。
では早速皆さんと顔を寄せてヒソヒソ話をしましょう。
翌日。
朝食を取られたサファリ様は部屋にお戻りになりお出かけの準備を始めます。
お出かけといっても遊びに行くだけですが。
「おお~いシルビア、今日はたくさん飲むから少しゆったりした服装にしてくれ」
「今日もですよねサファリ様?」
「フハーッハッハッハ! 俺が飲まないはずが無いんだぜ!」
相変らずお元気ですね。
昨晩も深夜まで私達と一緒に夜を明かしたというのに。
しかし今日はいつもと違う事があります。
それは。
「サファリ~? 準備は出来たかしら~?」
「おうホーミー、今行くぜ! キャラバンも準備できた……か??」
今日はホーミー様、キャラバン様と遊びに行く予定でしたが、何とそこにはサンタナ妃殿下を始め側室四人が揃っています。
「んんんんん? あれ? 俺はもう酔っちまったかな、全員出かける格好をしている様に見えるぜ」
「酔ってなんかいないわ。今日は全員で遊びに行くのよ」
サンタナ妃殿下がサファリ様の手を取り部屋の外へと連れ出しました。
最初は戸惑っていましたが、全員でのお出かけはあまり出来ないので喜んでおいででした。
良かったですねサファリ様、当分の間は全員で遊んでいられますよ。
帰って来たのは深夜になってからでした。
サファリ様はべろんべろん、他の五人はほろ酔いといった所ですね。
二日目、今日もサファリ様達はご機嫌で酔いつぶれて帰ってきました。
三日目、いつもと違う場所へ遊びに行き、珍しくあまり酔わずに帰ってきました。
四日目、ピクニックに行くからと馬車で少し遠出をしました。
五日目、全員で飲み比べを始めてしまい、居室内で皆さん酔いつぶれました。
六日目、サファリ様がお出かけになる直前に大きな音がしたため、サファリ様は音の元へとやってきました。
音の元凶はサンタナ妃殿下達の執務室。
まる五日間放置された書類の山脈が雪崩を起こしたようです。
「な、何だこりゃぁ!? さ、サンタナ! 仕事が溜まりに溜まってるぜ!?」
「あら本当ね。まあいいんじゃない? ほらほら、速く出かけないと売り切れてしまうわ」
「だ、だがしかし」
「サファリ、今日は新発売のアクセサリーを買ってくれる約束」
「で、でもリオこれ!」
四人に手を引かれ背中を押され、私と数名のメイドは雪崩の回収を始めました。
七日目、執務室が気になるサファリ様の気を無理やり別の物に向かせ、べろべろになるまで飲ませて帰ってきました。
八日目、遂にサファリ様が力づくで執務室に入ってしまいました。
「ふ、増えてる!!」
山脈はサンタナ妃殿下の机だけではなく、両脇にある側室用の机の上まで浸蝕していました。
それはそうです、二日分が追加されたのですから。
「サーファーリー? 今日は湖でボートに乗るんだぞ? 早くいかないとボートが無くなってしまうぞ」
「ま、まてキャラバン! この書類の山をどうにかしてから――」
「ささ、行きますわよ」
「ああーー!」
さらわれていきました。
さて、私達メイドは書類の山を追加していくだけですね。
どこまで高く積み上げられるか、それが楽しくなってきました。
少し時間が進んで十五日目、サファリ様が……壊れました。
「お願いだ! 俺も協力するから仕事をしてくれ! このままじゃ周りに迷惑がかかっちまうんだぜ!」
それはもう土下座をする勢いでサンタナ妃殿下達五人に頭を下げています。
あれから雪崩が五回、執務室に入りきらなくなった書類が寝室を侵食し、大好きなボードゲームをしていると書類の山積みが見えてしまいます。
「嫌よ。今日は新作のドレスを見に行くって言ったじゃありませんか」
「サンタナすまん! 本当にすまん! 俺のせいでみんなに迷惑をかけていた事を本当に済まないと思っている!」
「明日は行列のできるスイーツの店に行くって言ったじゃんか!」
「キャラバンの言う通りだ! だがそれはもう少し後にしてくれ!」
「私の髪に合うシャンプー選びに付き合ってくれるって約束、覚えていますか?」
「もちろんだともセレナ! 仕事が片付いたら一緒に行こう!」
「やだ、仕事だるい」
「そう言わずに頼むよリオ! この通り!」
「わ~、今なら何を言っても言う事を聞いてくれそ~」
「いや、あのなホーミー、仕事が終われば確かに色々としてやりたいが、限度を考えてくれよ?」
ですが五人はサファリ様の言う事を聞かずに部屋を出て行きました。
「そ、そんな……みんな……」
がっくりとうな垂れて書類の山を見ます。
一枚を手に取りますが、残念ながら長く遊び惚けていたサファリ様には内容が理解できないようです。
「なぁシルビアよ、俺はどうしたらよかったんだ?」
「しりません。ご自分で考えてみられてはいかがですか?」
五人の顔が歪みます。
それはそうでしょうね、毒殺されそうになった兄を救うために毒を飲んだサファリ様に対し毒で制すなんて作戦名ですから。
「シルビア? もう少し作戦名は何とかならないかしら?」
「しかしサンタナ妃殿下、作戦名を変えても毒で制す事に変わりはありませんよ?」
「良いのではないかしらサンタナ。『毒を食らわば皿まで』ということわざもあるくらいだから、やるなら徹底的にやるべきだわ」
「お、おおぅ、相変わらずセレナは思い切りが良いな」
「皿は食べたくないけど、サファリの為になるなら毒を飲んでもいい」
「毒はダメよリオ~。でもやり切るしかないものね~」
どうやら五人も覚悟が出来た様です。
では早速皆さんと顔を寄せてヒソヒソ話をしましょう。
翌日。
朝食を取られたサファリ様は部屋にお戻りになりお出かけの準備を始めます。
お出かけといっても遊びに行くだけですが。
「おお~いシルビア、今日はたくさん飲むから少しゆったりした服装にしてくれ」
「今日もですよねサファリ様?」
「フハーッハッハッハ! 俺が飲まないはずが無いんだぜ!」
相変らずお元気ですね。
昨晩も深夜まで私達と一緒に夜を明かしたというのに。
しかし今日はいつもと違う事があります。
それは。
「サファリ~? 準備は出来たかしら~?」
「おうホーミー、今行くぜ! キャラバンも準備できた……か??」
今日はホーミー様、キャラバン様と遊びに行く予定でしたが、何とそこにはサンタナ妃殿下を始め側室四人が揃っています。
「んんんんん? あれ? 俺はもう酔っちまったかな、全員出かける格好をしている様に見えるぜ」
「酔ってなんかいないわ。今日は全員で遊びに行くのよ」
サンタナ妃殿下がサファリ様の手を取り部屋の外へと連れ出しました。
最初は戸惑っていましたが、全員でのお出かけはあまり出来ないので喜んでおいででした。
良かったですねサファリ様、当分の間は全員で遊んでいられますよ。
帰って来たのは深夜になってからでした。
サファリ様はべろんべろん、他の五人はほろ酔いといった所ですね。
二日目、今日もサファリ様達はご機嫌で酔いつぶれて帰ってきました。
三日目、いつもと違う場所へ遊びに行き、珍しくあまり酔わずに帰ってきました。
四日目、ピクニックに行くからと馬車で少し遠出をしました。
五日目、全員で飲み比べを始めてしまい、居室内で皆さん酔いつぶれました。
六日目、サファリ様がお出かけになる直前に大きな音がしたため、サファリ様は音の元へとやってきました。
音の元凶はサンタナ妃殿下達の執務室。
まる五日間放置された書類の山脈が雪崩を起こしたようです。
「な、何だこりゃぁ!? さ、サンタナ! 仕事が溜まりに溜まってるぜ!?」
「あら本当ね。まあいいんじゃない? ほらほら、速く出かけないと売り切れてしまうわ」
「だ、だがしかし」
「サファリ、今日は新発売のアクセサリーを買ってくれる約束」
「で、でもリオこれ!」
四人に手を引かれ背中を押され、私と数名のメイドは雪崩の回収を始めました。
七日目、執務室が気になるサファリ様の気を無理やり別の物に向かせ、べろべろになるまで飲ませて帰ってきました。
八日目、遂にサファリ様が力づくで執務室に入ってしまいました。
「ふ、増えてる!!」
山脈はサンタナ妃殿下の机だけではなく、両脇にある側室用の机の上まで浸蝕していました。
それはそうです、二日分が追加されたのですから。
「サーファーリー? 今日は湖でボートに乗るんだぞ? 早くいかないとボートが無くなってしまうぞ」
「ま、まてキャラバン! この書類の山をどうにかしてから――」
「ささ、行きますわよ」
「ああーー!」
さらわれていきました。
さて、私達メイドは書類の山を追加していくだけですね。
どこまで高く積み上げられるか、それが楽しくなってきました。
少し時間が進んで十五日目、サファリ様が……壊れました。
「お願いだ! 俺も協力するから仕事をしてくれ! このままじゃ周りに迷惑がかかっちまうんだぜ!」
それはもう土下座をする勢いでサンタナ妃殿下達五人に頭を下げています。
あれから雪崩が五回、執務室に入りきらなくなった書類が寝室を侵食し、大好きなボードゲームをしていると書類の山積みが見えてしまいます。
「嫌よ。今日は新作のドレスを見に行くって言ったじゃありませんか」
「サンタナすまん! 本当にすまん! 俺のせいでみんなに迷惑をかけていた事を本当に済まないと思っている!」
「明日は行列のできるスイーツの店に行くって言ったじゃんか!」
「キャラバンの言う通りだ! だがそれはもう少し後にしてくれ!」
「私の髪に合うシャンプー選びに付き合ってくれるって約束、覚えていますか?」
「もちろんだともセレナ! 仕事が片付いたら一緒に行こう!」
「やだ、仕事だるい」
「そう言わずに頼むよリオ! この通り!」
「わ~、今なら何を言っても言う事を聞いてくれそ~」
「いや、あのなホーミー、仕事が終われば確かに色々としてやりたいが、限度を考えてくれよ?」
ですが五人はサファリ様の言う事を聞かずに部屋を出て行きました。
「そ、そんな……みんな……」
がっくりとうな垂れて書類の山を見ます。
一枚を手に取りますが、残念ながら長く遊び惚けていたサファリ様には内容が理解できないようです。
「なぁシルビアよ、俺はどうしたらよかったんだ?」
「しりません。ご自分で考えてみられてはいかがですか?」
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