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第百八話
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サファリ様が遊び惚ける理由もわかった事で、早速こちらの計画を実行します。
今日のサファリ様の予定は午前は執務、午後は訓練場です。
動きやすい衣装に着替えていただき、人気のない訓練場へとやってきました。
「ま、まってシルビア! なにこの剣術書! こんなの出来るわけ無いよ!」
「大丈夫です。一般兵でもある程度は習得していますし、騎士団ならほとんどの人が習得しています」
「それをいきなり僕にやれと⁉」
「剣術の腕を騎士団長に匹敵する所まで持って行きます」
本を見ていたサファリ様は呆然と私に目を移します。
何ですかその顔は、まるで悪魔にでも会ったような顔ではありませんか。
「とにかく、この剣術書はかなり有用だと多くの方のお墨付きです。なのでこれを全てマスターして頂く事から始めましょう」
「これが始まり……悪夢の始まり……十年以上サボったツケだと思ってあきらめるしかないかな……」
とかなんとかおっしゃっていましたが、元々運動能力が高い上に色々な遊びをしていたせいか体力はあります。
それに異様にバランス感覚が高いので、無茶な体勢からも次の動きに素早く移れます。
これは凄いですね、こんな動きが出来る人がいるなんて。
「サファリ様、動きが緩慢になっています。疲れたからと手を抜かないでください」
「こ、この悪魔!」
そんな事をしていたのが十日前の事でした。
今ではすっかり剣術書の内容をマスターしてしまいました。
「そうか、この動きの次の行動は回避と攻撃を同時にしているのか、じゃあここからループさせて……」
しかも剣術書の内容もしっかり理解しています。
物覚えの早い人は良いですね。
それにサファリ様の動きを見ていて思いましたが、もっと別の動きも出来そうです。
「サファリ様、一段から十三段までの型の次、十四段と十五段の型を思い付きましたのでやってみてください」
「次があるの⁉ うんやる!」
攻撃の型は一段から十三段まであり、順番に繰り出していくとループし、また一へと攻撃を繋げることが出来ます。
そこに十四、十五の型を追加して手数を増やし、さらに型の途中に割り込ませて使う事も出来るようにしました。
三段の次に十四・十五が入り四段へと繋がり、更に七段の次にも十四・十五を入れる事ができます。
そのまま十三段まで行き十四段に入る事も可能。
つまり絶え間なく十九連撃を繰り出す事が出来るようになります。
「こうやって、次にこうです」
「わかった、やってみる!」
実際に剣を使って説明できればいいのですが、私は思ったように剣を扱えません。
なので身振り手振りでの説明だったのですが理解してもらえたようです。
「こうやって、こう! だね!」
一発で理解してしまいました。
その後で一段から十五段まで続け、間に割り込ませるパターンまでマスターしました。
……早すぎませんか?
その早すぎた習得が思わぬところに飛び火しました。
「うぉおい! ちょっと待てシルビア! いまのサファリ兄貴の技はなんだよ! そんなの銀閃流には載ってなかったぞ!!」
たまたま見学に来ていた第四王女バネット様が、私を指さしてズンズン歩いてきます。
そのすぐ後ろには騎士団長もいます。
「お久しぶりですバネット様。なんなのか、とは?」
「今のサファリ兄貴の技だ! あんなのは銀閃流剣術の初級からエキスパートのどこにも書いてなかったぞ!」
「えっと、まず銀閃流とはなんですか?」
「おっとすまないねシルビア嬢。君が書き上げた剣術書の名称だ。名前が無いと不便だったので銀閃流と名付けたのだ」
「なぜ銀閃なのですか?」
「最初はシルビア流とかエス流とか呼んでいたが、流石に個人名はまずかろう? エスも短すぎて威厳が無い。なのでシルビアの名前をもちってシルバー、光り輝くという意味で閃を組み合わせたのだよ」
「それで銀閃流ですか。名前は構いませんが、初級やエキスパートというのは?」
「それは簡単だ。銀閃流剣術はあまりにも複雑なのでね、初級・中級・上級・エキスパートの四部に分けたのだ。一般兵は初級から中級を、騎士は中級以上を必須としたのだよ」
「なるほど、理解しました。それで「エキスパートにも書いてない」という発言に繋がったのですね」
「その通りだ。それでシルビア嬢、サファリ様が使った技は何なのだ?」
「あれは攻撃の型、十四段と十五段です。サファリ様の動きを見て思い付きました」
「だから! それを俺にも教えろ!」
「? 見ておられたのならマネをしたら良いのでは?」
「バカ野郎! サファリ兄貴の動きが速すぎてよくわからなかったんだよ!!」
ああなるほど、それは確かに言えています。
騎士団長には見えていたようですが、どうやら詳しい説明を聞きたいようです。
まあ説明するくらい構いません。
「ほぅ、ほっほぅ! なるほどこれはいい! サファリ様、お手合わせ願えますかな?」
「え!? う、うんいいよ」
サファリ様と騎士団長が練習を始めました。
えーっと、何をやっているのか知っているはずなのに、何をやっているのかわかりません。
目が追いつきません。
「くっそぅ、サファリ兄貴、昔よりも強くなってるんじゃねぇか?」
「ふふふ。サファリ様は更にお強くなられます。そして政治においても他の追随を許さない程になるでしょう」
「お、お前が言うとしゃれになんねぇぞ」
今日のサファリ様の予定は午前は執務、午後は訓練場です。
動きやすい衣装に着替えていただき、人気のない訓練場へとやってきました。
「ま、まってシルビア! なにこの剣術書! こんなの出来るわけ無いよ!」
「大丈夫です。一般兵でもある程度は習得していますし、騎士団ならほとんどの人が習得しています」
「それをいきなり僕にやれと⁉」
「剣術の腕を騎士団長に匹敵する所まで持って行きます」
本を見ていたサファリ様は呆然と私に目を移します。
何ですかその顔は、まるで悪魔にでも会ったような顔ではありませんか。
「とにかく、この剣術書はかなり有用だと多くの方のお墨付きです。なのでこれを全てマスターして頂く事から始めましょう」
「これが始まり……悪夢の始まり……十年以上サボったツケだと思ってあきらめるしかないかな……」
とかなんとかおっしゃっていましたが、元々運動能力が高い上に色々な遊びをしていたせいか体力はあります。
それに異様にバランス感覚が高いので、無茶な体勢からも次の動きに素早く移れます。
これは凄いですね、こんな動きが出来る人がいるなんて。
「サファリ様、動きが緩慢になっています。疲れたからと手を抜かないでください」
「こ、この悪魔!」
そんな事をしていたのが十日前の事でした。
今ではすっかり剣術書の内容をマスターしてしまいました。
「そうか、この動きの次の行動は回避と攻撃を同時にしているのか、じゃあここからループさせて……」
しかも剣術書の内容もしっかり理解しています。
物覚えの早い人は良いですね。
それにサファリ様の動きを見ていて思いましたが、もっと別の動きも出来そうです。
「サファリ様、一段から十三段までの型の次、十四段と十五段の型を思い付きましたのでやってみてください」
「次があるの⁉ うんやる!」
攻撃の型は一段から十三段まであり、順番に繰り出していくとループし、また一へと攻撃を繋げることが出来ます。
そこに十四、十五の型を追加して手数を増やし、さらに型の途中に割り込ませて使う事も出来るようにしました。
三段の次に十四・十五が入り四段へと繋がり、更に七段の次にも十四・十五を入れる事ができます。
そのまま十三段まで行き十四段に入る事も可能。
つまり絶え間なく十九連撃を繰り出す事が出来るようになります。
「こうやって、次にこうです」
「わかった、やってみる!」
実際に剣を使って説明できればいいのですが、私は思ったように剣を扱えません。
なので身振り手振りでの説明だったのですが理解してもらえたようです。
「こうやって、こう! だね!」
一発で理解してしまいました。
その後で一段から十五段まで続け、間に割り込ませるパターンまでマスターしました。
……早すぎませんか?
その早すぎた習得が思わぬところに飛び火しました。
「うぉおい! ちょっと待てシルビア! いまのサファリ兄貴の技はなんだよ! そんなの銀閃流には載ってなかったぞ!!」
たまたま見学に来ていた第四王女バネット様が、私を指さしてズンズン歩いてきます。
そのすぐ後ろには騎士団長もいます。
「お久しぶりですバネット様。なんなのか、とは?」
「今のサファリ兄貴の技だ! あんなのは銀閃流剣術の初級からエキスパートのどこにも書いてなかったぞ!」
「えっと、まず銀閃流とはなんですか?」
「おっとすまないねシルビア嬢。君が書き上げた剣術書の名称だ。名前が無いと不便だったので銀閃流と名付けたのだ」
「なぜ銀閃なのですか?」
「最初はシルビア流とかエス流とか呼んでいたが、流石に個人名はまずかろう? エスも短すぎて威厳が無い。なのでシルビアの名前をもちってシルバー、光り輝くという意味で閃を組み合わせたのだよ」
「それで銀閃流ですか。名前は構いませんが、初級やエキスパートというのは?」
「それは簡単だ。銀閃流剣術はあまりにも複雑なのでね、初級・中級・上級・エキスパートの四部に分けたのだ。一般兵は初級から中級を、騎士は中級以上を必須としたのだよ」
「なるほど、理解しました。それで「エキスパートにも書いてない」という発言に繋がったのですね」
「その通りだ。それでシルビア嬢、サファリ様が使った技は何なのだ?」
「あれは攻撃の型、十四段と十五段です。サファリ様の動きを見て思い付きました」
「だから! それを俺にも教えろ!」
「? 見ておられたのならマネをしたら良いのでは?」
「バカ野郎! サファリ兄貴の動きが速すぎてよくわからなかったんだよ!!」
ああなるほど、それは確かに言えています。
騎士団長には見えていたようですが、どうやら詳しい説明を聞きたいようです。
まあ説明するくらい構いません。
「ほぅ、ほっほぅ! なるほどこれはいい! サファリ様、お手合わせ願えますかな?」
「え!? う、うんいいよ」
サファリ様と騎士団長が練習を始めました。
えーっと、何をやっているのか知っているはずなのに、何をやっているのかわかりません。
目が追いつきません。
「くっそぅ、サファリ兄貴、昔よりも強くなってるんじゃねぇか?」
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