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第百十二話
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「あっはっはっはっは! シルビアは妖艶な女性だと思われてたんだね! あっはっはっはっは!」
ディアマンテ龍王国のアウトランダー陛下との謁見が終わり、私達はパルサー様のお屋敷に戻ってきました。
それまで堪えていたのでしょう、サファリ様が大声で笑いだしました。
私だって……私だってそんな風に思われていたなんて思いませんでしたよ!
「サファリ様、あまり笑いすぎると短く切りそろえられた髭がうっかり無くなってしまうかもしれませんよ?」
朝の身支度は私がしていますから、手が滑ってカミソリで剃ってしまうかもしれません。
ひっ、と声を上げて両手を口に当てます。
まったく、この御方は私相手には本性を隠さなくなりましたね。
「そうですわよサファリお兄様。シルビアはこのままでも十分に綺麗なんですのよ? だからお兄様も素直に言う事を――」
「うぉっほん!! あーまずは龍を探すための手掛かりを見つけるとしようか」
パルサー様は何を言おうとしたのでしょうか? サファリ様にはわかっていたのか言葉を遮りました。
まあ王族同士でしかわからない会話なのでしょう。
「それについては龍博物館へ行けばいいんですの。館長には話を通してありますので、行けば色々と教えて下さるはずですわ」
「なるほど、それは確かに手掛かりがありそうですね」
龍に関する情報は王族か博物館が一番持っているでしょう。
それに私も龍の爪を見てみたいですしね。
翌日の朝から早速龍博物館へと向かいました。
白髪で長い白髭のお爺さん館長さんにお会いしましたが、やはり龍が現在まで存在している証拠は見つかっておらず、化石が見つかった事も奇跡に近いのだとか。
正直なところ「そうでしょうねぇ」としか思いませんでした。
なので見つかった龍の爪の化石を見せていただく事にしました。
「これがそうです」
館長さんに案内され館内に展示されている龍の爪を見せてもらいます。
鉄の柵に囲まれて触れる事は出来ませんが、確かに大きな爪らしきものが展示されています。
黒に近い茶色で表面はつやつやしていますが、よく見ると爪の太い部分から細い部分に向けて細かな筋が無数にあります。
それに細かい穴や凹みも沢山ありますね。
「こんなに大きな爪を持つ生き物いえば龍しかありえません。なので過去に龍が存在していた事は間違いないのですが……」
館長さんは残念そうに爪を見てつぶやきますが、私が見たところで何がわかるわけでもありません。
それにしてもこの形、爪かもしれませんが牙だったりしませんか?
ああいえ、専門家が調べたのですから爪なのでしょう。
「館長、この爪は前足か? 後ろ足か?」
「わかりません。文献を調べても大雑把な形しかわかりませんので」
サファリ様は足の前後で何かが気になったようです。
それよりも私は直接触ってみたいですね。
「館長さん、触る事は出来ませんか?」
「それは出来ません。しかし……」
館長さんが手招きして私達をバックヤードへと連れていきます。
博物館の関係者以外は入れない場所……なんだかドキドキしますね。
館長さんは沢山積み上げられた箱の一つを脚立に乗って取ると、静かにテーブルに乗せて箱を開けます。
「これは展示してある爪のすぐ近くで見つかった物です。恐らくは小龍の爪ではないかと思います」
ワタの上には私の指ほどの小さく長めの爪、いえ爪と繋がった骨が入っていました。
「これは龍の足、爪と骨がつながった物ですの?」
「そう考えています。これはいくつか見つかっていますので、触っても構いません」
「では失礼します」
私は爪を手に取り軽く爪でつつきます。
硬く少し高い音がしましたので、石のようになっているようです。
石膏で作ったまがい物じゃないかと疑っていましたが、少なくともまがい物では無いようです。
爪を見て触れられたのは良いのですが、これが龍の発見につながるものではありませんね。
後は化石の発掘現場に行く程度でしょうか。
博物館を後にして化石の発掘現場へと向かいます。
山のふもとにあるようで、近くに行けばすぐにわかると言われました。
ああ、確かに馬車の中からでもわかりますね。
『龍の発掘現場 無断での立ち入り厳禁』
と大きな看板が掲げられていました。
今は関係者なので入りましょう。
入ってしばらくすると警備兵らしき人たちに止められましたが、パルサー様がエルグランド王国の王女だと知っていたのか通してくれました。
さていよいよ発掘現場に入りました。
馬車を降りて大きなテントが張られた場所に行き挨拶をすると、発掘の見学を許可されました。
じっくりと発掘現場を見ていますが……あまり大きなものは発掘されていないようですね。
龍の爪があった場所の近くに他の化石もあるのかと思いましたが、長年かけて地面が移動してバラバラになってしまう事が多いそうです。
そういえば今ある大陸や島なども、昔は形が違っていたという話を聞いた事がありますが、それと同じ理由でしょうか。
おや……どうした事でしょう、発掘の様子を見ていたら私も発掘をしたくなってきました。
コツコツと細かい作業をしているので、メイドの仕事と似ているからでしょうか。
パルサー様とサファリ様、キャラバン様は飽きたようで龍の痕跡を探しに行かれるようです。
私は発掘に参加しましょう。
ディアマンテ龍王国のアウトランダー陛下との謁見が終わり、私達はパルサー様のお屋敷に戻ってきました。
それまで堪えていたのでしょう、サファリ様が大声で笑いだしました。
私だって……私だってそんな風に思われていたなんて思いませんでしたよ!
「サファリ様、あまり笑いすぎると短く切りそろえられた髭がうっかり無くなってしまうかもしれませんよ?」
朝の身支度は私がしていますから、手が滑ってカミソリで剃ってしまうかもしれません。
ひっ、と声を上げて両手を口に当てます。
まったく、この御方は私相手には本性を隠さなくなりましたね。
「そうですわよサファリお兄様。シルビアはこのままでも十分に綺麗なんですのよ? だからお兄様も素直に言う事を――」
「うぉっほん!! あーまずは龍を探すための手掛かりを見つけるとしようか」
パルサー様は何を言おうとしたのでしょうか? サファリ様にはわかっていたのか言葉を遮りました。
まあ王族同士でしかわからない会話なのでしょう。
「それについては龍博物館へ行けばいいんですの。館長には話を通してありますので、行けば色々と教えて下さるはずですわ」
「なるほど、それは確かに手掛かりがありそうですね」
龍に関する情報は王族か博物館が一番持っているでしょう。
それに私も龍の爪を見てみたいですしね。
翌日の朝から早速龍博物館へと向かいました。
白髪で長い白髭のお爺さん館長さんにお会いしましたが、やはり龍が現在まで存在している証拠は見つかっておらず、化石が見つかった事も奇跡に近いのだとか。
正直なところ「そうでしょうねぇ」としか思いませんでした。
なので見つかった龍の爪の化石を見せていただく事にしました。
「これがそうです」
館長さんに案内され館内に展示されている龍の爪を見せてもらいます。
鉄の柵に囲まれて触れる事は出来ませんが、確かに大きな爪らしきものが展示されています。
黒に近い茶色で表面はつやつやしていますが、よく見ると爪の太い部分から細い部分に向けて細かな筋が無数にあります。
それに細かい穴や凹みも沢山ありますね。
「こんなに大きな爪を持つ生き物いえば龍しかありえません。なので過去に龍が存在していた事は間違いないのですが……」
館長さんは残念そうに爪を見てつぶやきますが、私が見たところで何がわかるわけでもありません。
それにしてもこの形、爪かもしれませんが牙だったりしませんか?
ああいえ、専門家が調べたのですから爪なのでしょう。
「館長、この爪は前足か? 後ろ足か?」
「わかりません。文献を調べても大雑把な形しかわかりませんので」
サファリ様は足の前後で何かが気になったようです。
それよりも私は直接触ってみたいですね。
「館長さん、触る事は出来ませんか?」
「それは出来ません。しかし……」
館長さんが手招きして私達をバックヤードへと連れていきます。
博物館の関係者以外は入れない場所……なんだかドキドキしますね。
館長さんは沢山積み上げられた箱の一つを脚立に乗って取ると、静かにテーブルに乗せて箱を開けます。
「これは展示してある爪のすぐ近くで見つかった物です。恐らくは小龍の爪ではないかと思います」
ワタの上には私の指ほどの小さく長めの爪、いえ爪と繋がった骨が入っていました。
「これは龍の足、爪と骨がつながった物ですの?」
「そう考えています。これはいくつか見つかっていますので、触っても構いません」
「では失礼します」
私は爪を手に取り軽く爪でつつきます。
硬く少し高い音がしましたので、石のようになっているようです。
石膏で作ったまがい物じゃないかと疑っていましたが、少なくともまがい物では無いようです。
爪を見て触れられたのは良いのですが、これが龍の発見につながるものではありませんね。
後は化石の発掘現場に行く程度でしょうか。
博物館を後にして化石の発掘現場へと向かいます。
山のふもとにあるようで、近くに行けばすぐにわかると言われました。
ああ、確かに馬車の中からでもわかりますね。
『龍の発掘現場 無断での立ち入り厳禁』
と大きな看板が掲げられていました。
今は関係者なので入りましょう。
入ってしばらくすると警備兵らしき人たちに止められましたが、パルサー様がエルグランド王国の王女だと知っていたのか通してくれました。
さていよいよ発掘現場に入りました。
馬車を降りて大きなテントが張られた場所に行き挨拶をすると、発掘の見学を許可されました。
じっくりと発掘現場を見ていますが……あまり大きなものは発掘されていないようですね。
龍の爪があった場所の近くに他の化石もあるのかと思いましたが、長年かけて地面が移動してバラバラになってしまう事が多いそうです。
そういえば今ある大陸や島なども、昔は形が違っていたという話を聞いた事がありますが、それと同じ理由でしょうか。
おや……どうした事でしょう、発掘の様子を見ていたら私も発掘をしたくなってきました。
コツコツと細かい作業をしているので、メイドの仕事と似ているからでしょうか。
パルサー様とサファリ様、キャラバン様は飽きたようで龍の痕跡を探しに行かれるようです。
私は発掘に参加しましょう。
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