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第百十八話
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ディアマンテ龍王国の新兵器を見てからというもの、私はパルサー様にお会いするのが憂鬱です。
こんな気持ちでお仕えするなんて初めてだけど、だからといって仕事はしっかりしないといけない。
「正解があるのでしょうか。国を優先するなら言われた通りにするべきだわ。でもそれはいらぬ火種になる可能性もある。私は……」
仕事に集中できていないせいか、つまづいたり物を落としてしまう事が増えました。
いけません、今は余計な事を考えずに仕事をしないと。
それに相変わらず毎日お城に行く用事をいわれるので、本当に精神的に参ってしまいそうです。
しかし最近はアウトランダー陛下はあまり出て来られず、第一王女のエルテナ様や第二王女のエメロード様とお茶をしています。
王子の三人はここ数日はお見掛けしません。
「おやシルビアちゃんじゃないか。今日は誰とお茶だったんだい?」
「こんにちは。今日はエメロード様でした」
廊下で門番さんに会いました。
まだ若い門番さんですがよく会いますね。
「エメロード様か! あの人実は結構なお転婆でさ、時々訓練所に来ては一緒に剣を振り回してるんだぜ」
「まぁそんな事を? 好奇心旺盛な御方なのですね」
「はっはっは! 好奇心だけならいいけど、俺たちゃ相手をさせられてたまったもんじゃないぜ。万が一怪我をさせたら首が飛ぶからな」
「あ~……心中お察しします」
「おっといけねぇ訓練が始まっちまう。じゃあな!」
「お気をつけて」
会釈をして見送ります。
そういえば今日は新兵器、タンネンベルク・ガンを持っていませんでしたね。
剣の訓練をするのでしょうか。
私はそのまま廊下を歩き、そろそろ外に出ようとしたたその時でした、背後からお城が震えるような轟音がしました。
周囲から悲鳴があがり地面にしゃがみ込む人もいます。
私も思わず頭を抑えて姿勢を低くしました。
「何ですか今の音は。廊下の先、確かこの先にあったのは……訓練場?」
ひょっとして訓練中に事故が発生したのでしょうか。
そうでなくてもあの轟音です、怪我人が複数出ているかもしれません!
私は急いで廊下をもどります。
周囲は逃げる人や音の発生源に向かう人など様々ですが、音源に向かう兵士の顔は真っ青になっています。
轟音の原因を知っているのでしょうか。
音の発生源は一目でわかりました、周囲の壁が破壊され、沢山の人が瓦礫と化した壁を必死にどかしています。
私はすき間を抜けて発生源に入りました。
「こっ、これは一体何が⁉」
周囲は焦げた匂いと知らない匂い、鼻に刺激のある匂いです。
そして崩れた壁はスス焦げており、沢山の兵士が地面に倒れています。
倒れている兵士に駆け寄り首筋で脈を診ると、よかった、生きています。
「意識はありませんが火傷が酷いですね。急いで冷やさないと」
全身にススが張り付き地肌が見えない状態です。
周囲を見回しますが、冷やせるものが見当たりません。
「どこかに水が……あった!」
大きな水瓶がありました。
割れて半分ほどになっていますが、まだ水は残っています。
私はエプロンを脱いで水の中に入れ、四隅を持って水をすくいあげました。
水は直ぐにこぼれてしまうので急いで倒れている人の元へ向かい水をかけます。
「う……水……水をくれ……」
「意識が! 大丈夫ですか、今水を差し上げます」
エプロンにしみ込んだ水を口元に垂らし、ゆっくりと飲んでもらいます。
少し水を飲んで回復したのか、目を開けて周囲を確認していますね。
「かやく……かやく樽に火が付いた……のか?」
「かやく? かやく樽とはなんですか?」
「あれほど注意しろと……いったのに」
私の声に反応していません。
どうやら耳が聞こえないようです。
よく見るとまだ目が虚ろです。
ん? よく見るとこの方が手にしているのはタンネンベルク・ガン……いえ少し形が違いますね。
鉄の棒……パイプ? に木の杖らしきものが添えられています。
鉄のパイプが無い部分は木の幅が広くなっていますが、これは一体何でしょうか?
それに他の倒れている人の側にも同じようなものが転がっています。
「あれは……爆薬……火の扱いには……」
かやくは爆薬? 爆薬の一種という事でしょうか。
そういえばダイナマイトを発破させた後、似た匂いがしていた気がします。
あ、崩れた壁がどかされて沢山の人が救助に来ました。
私も協力しましょう。
簡易タンカを作り、水を運び、応急処置が出来そうな人の治療をします。
時間はかかりましたが、気が付けばほとんどの人が訓練場から運び出されました。
一人でも多くの人が助かれば良いのですが……
いえ、次は私の心配をしましょう。
私は知ってしまいました。
この訓練場で何が行われていたのか、そして何が使われていたのかを。
そして私は……そのまま姿をくらませることにしました。
こんな気持ちでお仕えするなんて初めてだけど、だからといって仕事はしっかりしないといけない。
「正解があるのでしょうか。国を優先するなら言われた通りにするべきだわ。でもそれはいらぬ火種になる可能性もある。私は……」
仕事に集中できていないせいか、つまづいたり物を落としてしまう事が増えました。
いけません、今は余計な事を考えずに仕事をしないと。
それに相変わらず毎日お城に行く用事をいわれるので、本当に精神的に参ってしまいそうです。
しかし最近はアウトランダー陛下はあまり出て来られず、第一王女のエルテナ様や第二王女のエメロード様とお茶をしています。
王子の三人はここ数日はお見掛けしません。
「おやシルビアちゃんじゃないか。今日は誰とお茶だったんだい?」
「こんにちは。今日はエメロード様でした」
廊下で門番さんに会いました。
まだ若い門番さんですがよく会いますね。
「エメロード様か! あの人実は結構なお転婆でさ、時々訓練所に来ては一緒に剣を振り回してるんだぜ」
「まぁそんな事を? 好奇心旺盛な御方なのですね」
「はっはっは! 好奇心だけならいいけど、俺たちゃ相手をさせられてたまったもんじゃないぜ。万が一怪我をさせたら首が飛ぶからな」
「あ~……心中お察しします」
「おっといけねぇ訓練が始まっちまう。じゃあな!」
「お気をつけて」
会釈をして見送ります。
そういえば今日は新兵器、タンネンベルク・ガンを持っていませんでしたね。
剣の訓練をするのでしょうか。
私はそのまま廊下を歩き、そろそろ外に出ようとしたたその時でした、背後からお城が震えるような轟音がしました。
周囲から悲鳴があがり地面にしゃがみ込む人もいます。
私も思わず頭を抑えて姿勢を低くしました。
「何ですか今の音は。廊下の先、確かこの先にあったのは……訓練場?」
ひょっとして訓練中に事故が発生したのでしょうか。
そうでなくてもあの轟音です、怪我人が複数出ているかもしれません!
私は急いで廊下をもどります。
周囲は逃げる人や音の発生源に向かう人など様々ですが、音源に向かう兵士の顔は真っ青になっています。
轟音の原因を知っているのでしょうか。
音の発生源は一目でわかりました、周囲の壁が破壊され、沢山の人が瓦礫と化した壁を必死にどかしています。
私はすき間を抜けて発生源に入りました。
「こっ、これは一体何が⁉」
周囲は焦げた匂いと知らない匂い、鼻に刺激のある匂いです。
そして崩れた壁はスス焦げており、沢山の兵士が地面に倒れています。
倒れている兵士に駆け寄り首筋で脈を診ると、よかった、生きています。
「意識はありませんが火傷が酷いですね。急いで冷やさないと」
全身にススが張り付き地肌が見えない状態です。
周囲を見回しますが、冷やせるものが見当たりません。
「どこかに水が……あった!」
大きな水瓶がありました。
割れて半分ほどになっていますが、まだ水は残っています。
私はエプロンを脱いで水の中に入れ、四隅を持って水をすくいあげました。
水は直ぐにこぼれてしまうので急いで倒れている人の元へ向かい水をかけます。
「う……水……水をくれ……」
「意識が! 大丈夫ですか、今水を差し上げます」
エプロンにしみ込んだ水を口元に垂らし、ゆっくりと飲んでもらいます。
少し水を飲んで回復したのか、目を開けて周囲を確認していますね。
「かやく……かやく樽に火が付いた……のか?」
「かやく? かやく樽とはなんですか?」
「あれほど注意しろと……いったのに」
私の声に反応していません。
どうやら耳が聞こえないようです。
よく見るとまだ目が虚ろです。
ん? よく見るとこの方が手にしているのはタンネンベルク・ガン……いえ少し形が違いますね。
鉄の棒……パイプ? に木の杖らしきものが添えられています。
鉄のパイプが無い部分は木の幅が広くなっていますが、これは一体何でしょうか?
それに他の倒れている人の側にも同じようなものが転がっています。
「あれは……爆薬……火の扱いには……」
かやくは爆薬? 爆薬の一種という事でしょうか。
そういえばダイナマイトを発破させた後、似た匂いがしていた気がします。
あ、崩れた壁がどかされて沢山の人が救助に来ました。
私も協力しましょう。
簡易タンカを作り、水を運び、応急処置が出来そうな人の治療をします。
時間はかかりましたが、気が付けばほとんどの人が訓練場から運び出されました。
一人でも多くの人が助かれば良いのですが……
いえ、次は私の心配をしましょう。
私は知ってしまいました。
この訓練場で何が行われていたのか、そして何が使われていたのかを。
そして私は……そのまま姿をくらませることにしました。
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