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インゲン豆のポタージュ
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154 インゲン豆のポタージュ
朝起きてフェルと朝市に向かって走る。
前に白い豆を買った店でスープで使う分の豆を買う。
いっぱい買ったので少しオマケしてくれた。豆の名前はインゲン豆で良いそうだ。白い品種もあるらしい。
マルセルさんのところで牛乳を多めに、そしてタマゴも買う。
「マルセルさん。トマトはどう?」
「おや、ゴードンから聞いたかい?もう少し日に当てたいから、あと2週間ってとこかな。ケイにはいいやつとっとくから期待しておいてくれ」
収穫が楽しみだ。
フェルは家の中をもう少し整理したらギルドで訓練をしてくるそうだ。
新しい鎧を少し体に馴染ませておきたいみたい。
朝食はシチューの残りを食べて、手早くお弁当を作ったら中央まで走って乗り合い馬車に乗る。
今日もフェルが見送ってくれる。
少し混んできた市場を人の間をすり抜けるようにしてお肉屋さんに辿り着いた。
たしかエマさんだっけ?奥さんが店番をしていた。
「あら、ケイくんじゃない。どうしたの?クライブなら帰ったわよ」
「今日のスープにホーンラビットのお肉を使いたいんです。5匹ください。あとお会計は別で腸詰とベーコンも」
エマさんは笑顔で頷いた。
ふと思いついてお肉を選んでも良いかと聞いてみたら、中に入って亭主に声をかけてと言われた。
ホーンラビットの肉がぶら下がっている中から、いつも僕が捌いているようなキレイなピンク色の肉を5匹分選んだ。
「おや、ケイくんなかなかやるじゃないか。店の在庫だとそれが一番良い肉だよ」
ホーンラビットの肉だけでいうならもう1000体以上は解体している。
肉の状態ならかなり人より理解していると思う。
オーク肉はまだ少し自信はないけど。
「じゃあご褒美だ。クライブの店に下ろしてるのと同じオーク肉だよ。これでクライブのオークステーキの練習でもしてごらん」
ロバートさんにオーク肉を塊でもらった。お礼を言ってベーコンと腸詰のお金を払って店を出た。
ホーンラビットの肉は店の仕入れの分につけてくれるそうだ。僕が買った分もつけておくと言われたけどそれは丁重にお断りした。
店に行って仕事を始める前に店の掃除をすることにした。普段はスープの下拵えをしながら掃除をしてたけど、今日は気合いを入れ直すために仕込みの前に店内の掃除を丁寧にやった。
チキンカツを夜に出しているから店では鶏の骨はけっこう潤沢に使える。
血合いを丁寧に取りのぞいた鶏の骨と野菜のクズで出汁をとる。臭みをなるべく消したいからセロリの固いところも一緒に煮込んだ。
煮込んでいる間にホーンラビットのお肉を食べやすい大きさに切り分ける。いつもより少しだけ小さめに切った。
切った肉は昨日と同じ香草と塩を入れてよく揉み込んでおく。
水筒に牛乳を入れて力を入れて上下に振る。温度が低い方がバターになりやすい。氷魔法の応用で牛乳の温度を下げながら振った。
「ケイくん?何やってるんすか?」
「ロイ。牛乳からバターを作りたいんだよ。こうやって振るとバターが出来るんだ」
「知ってるっす。バターっすよね。ミキサーで作れますよ」
まじか。全然思いつかなかった。
ロイが実際にパン屋でやっているようにバターを作ってくれる。
ロイの作業を引き続き、仕込みを進めながらバターの作り方の説明を聞いた。
交代して僕も作ってみる。
何これ、すごく楽だよ。
バターに塩を足すときは練りながら少しずつ足していくと良いみたい。
少しずつバターから水分を出していった方が美味しく出来上がるそうだ。
食べてみたら昨日作った僕の即席バターよりずっとおいしかった。
「すごいよ、ロイ!ありがとう」
「家の手伝いで子供の頃から作らされてたっすからね。ケイくんのスープ作りと一緒っす」
作ったバターはパンに練り込んで、残った牛乳も別のパンの材料になるそうだ。
ロイが嬉しそうに話してくれた。
タマネギとニンジンをバターで炒めて出汁で煮込む。そこに炒めたホーンラビットの肉も投入。ホワイトソースの準備をしながら丁寧にアクを取る。
ミキサーにかけた豆と煮汁は一度ザルで濾して、ザルに溜まった小さな塊は丁寧にすり潰して濾した豆乳に混ぜた。
昨日のシチューのように濃厚な味にはなりすぎないように、味見をしながら牛乳と水で調整する。
塩と粗挽きの胡椒で味を整えて出来上がりだ。他の3つの鍋も同じように仕上げる。
ロイとサンドラ姉さんと3人で完成したスープを少し試食してみる。
インゲン豆のポタージュをイメージしたつもりだったけどそれだけだと食べ応えがないからお肉を入れたかった。
タマネギもニンジンも控えめに入れたつもりだったけど出来上がったものは結果やっぱりシチューみたいなものになってしまった。
あまり濃厚にしてしまうとメインの料理が目立たないから薄めの味付けにしたつもりだったのに。
「具材を全部ミキサーで混ぜちゃっても美味しいと思うけどね。うちは高級なレストランとは違うからこれでいいと思うわ」
サンドラ姉さんも僕の考えに同意してくれた。
出勤した師匠に小さめの器に盛ったシチューを味見してもらう。
師匠は静かにそのシチューを食べる。
やばい、緊張する。
師匠が食べ終わった皿を作業台に置く。
「インゲン豆か?悪くねえ。ケイ、原価は計算したか?」
「豆も使った肉も安いので一皿鉄貨6枚くらいになると思います」
王国には昔、銅貨の下に鉄貨という通貨が存在した。10円玉みたいなものだったらしいんだけど、戦乱があり鉄不足になってしまい今では廃止されてしまったのだ。
王国に住む人たちは小数点で単位を考える習慣がないので、0.6銅貨とは言わず6鉄貨という言い方になる。長さと重さはよく知らない。
「レシピを見せてみろ」
そう言われてすっかり斜線だらけになってしまった僕のノートを見せる。
だいぶ読みにくくなってしまったけど、師匠は何も言わずに時間をかけてレシピを見ていた。
「ケイ。店のクリームシチューも同じようなやり方で作れるか?」
「はい。出来ます」
「昼に市場に行ってこの前お前を連れて行った八百屋のジェフにこの豆をあるだけよこせと言ってこい。牛乳も買え」
「わかりました」
「このシチューだが、味はこのままでいい。ただもう少しゆるめに調節しろ。できるな?その方がロイのパンには合う。このくらいでも体が温まるから悪いわけじゃないがな。あとは豆の香りが少し青臭いがまあいいだろう。味は悪くはない。次に作る時には豆を煮る時にナツメグを入れろ。豆の選別もあとで教えてやる。それでだいぶ青臭さは抑えられるはずだ」
注文の伝票を素早く掴んでその裏に言われたことをメモしていく。
スープのとろみを調節して、味見をする。うん。このくらいの方がお店の料理には合うかも。
スープの調整に時間を取られてしまって、開店の準備はロイがやってくれた。
「ウサギ!このスープやたらうめぇじゃねぇか」
いつだったか病気だったスラムの人にポーションを渡していた髭もじゃの冒険者が僕に大声で言ってきた。
スープのお代わりはできないのかといろんな人が言ってくる。ランチのスープには限りがあるのでお代わりはあまり出せない。
スープだけ先になくなってしまってもいけないからいつも多めに作ってはいるのだけれど、
みんなに出していたら足りなくなっちゃうよ。
昼の営業は大盛況で、作ったシチューはほとんど無くなった。
残りを賄いで食べて市場に向かう。
師匠に連れられて行った八百屋でジェフさんにインゲン豆を売ってもらう。
大きな麻の袋で6袋、マジックバッグに入れた。
ラウルさんの牛乳を買いに行く途中で、ロバートさんの肉屋の前を通ったので、2人に初めて師匠に作ったスープを認められたって笑顔で伝えた。
2人ともとても喜んでくれた。
ラウルさんにもそのことを伝えたらお祝いだと言ってチーズを少しもらった。
店に戻って2階に上がり師匠に報告する。
夜の分の仕込みをしていたら師匠が2階から降りてきた。
ビーフシチューの仕込みをしながら豆の選別方法を教わる。
豆は基本的に栽培方法は簡単なんだけど、収穫の時どうしても未成熟なものが混ざってしまうのだそうだ。
そういった未成熟の豆を選別して料理に使うと青臭さがなくなるらしい。
未成熟の豆は師匠が油で揚げてみんなに振舞ってくれた。
素朴な味でおいしい。青臭い感じも素材の味として感じられるから全く気にならなかった。
出来上がった豆をお皿に入れ、それを持って師匠はまた2階に戻って行った。
ロイが作ってくれたバターでホワイトソースを作る。
鍋の具材が煮えたら師匠が実際に作ってくれる。ノートにメモを取りながら作り方を教わった。
ホワイトソースと少し牛乳を入れて、バターを作る時に出た牛乳の搾り汁も鍋に入れる。
塩と胡椒、香草を入れて10分くらい煮込んだ。
師匠がこの味を覚えろと言ってロイと2人で味見する。そして師匠は少し塩辛いくらいのシチューにインゲン豆の豆乳を入れてかき混ぜた。
「豆の汁を入れたらあまり煮込みすぎるな。温め直すときは火加減に気をつけろ」
出来上がったクリームシチューは濃厚な味でとてもおいしいものになった。
師匠が言うような豆の青臭さも完全に消えていた。
以来小熊亭のクリームシチューはこの作り方に変わった。
やがてこのクリームシチューもビーフシチューと並んで店の人気のメニューになった。
朝起きてフェルと朝市に向かって走る。
前に白い豆を買った店でスープで使う分の豆を買う。
いっぱい買ったので少しオマケしてくれた。豆の名前はインゲン豆で良いそうだ。白い品種もあるらしい。
マルセルさんのところで牛乳を多めに、そしてタマゴも買う。
「マルセルさん。トマトはどう?」
「おや、ゴードンから聞いたかい?もう少し日に当てたいから、あと2週間ってとこかな。ケイにはいいやつとっとくから期待しておいてくれ」
収穫が楽しみだ。
フェルは家の中をもう少し整理したらギルドで訓練をしてくるそうだ。
新しい鎧を少し体に馴染ませておきたいみたい。
朝食はシチューの残りを食べて、手早くお弁当を作ったら中央まで走って乗り合い馬車に乗る。
今日もフェルが見送ってくれる。
少し混んできた市場を人の間をすり抜けるようにしてお肉屋さんに辿り着いた。
たしかエマさんだっけ?奥さんが店番をしていた。
「あら、ケイくんじゃない。どうしたの?クライブなら帰ったわよ」
「今日のスープにホーンラビットのお肉を使いたいんです。5匹ください。あとお会計は別で腸詰とベーコンも」
エマさんは笑顔で頷いた。
ふと思いついてお肉を選んでも良いかと聞いてみたら、中に入って亭主に声をかけてと言われた。
ホーンラビットの肉がぶら下がっている中から、いつも僕が捌いているようなキレイなピンク色の肉を5匹分選んだ。
「おや、ケイくんなかなかやるじゃないか。店の在庫だとそれが一番良い肉だよ」
ホーンラビットの肉だけでいうならもう1000体以上は解体している。
肉の状態ならかなり人より理解していると思う。
オーク肉はまだ少し自信はないけど。
「じゃあご褒美だ。クライブの店に下ろしてるのと同じオーク肉だよ。これでクライブのオークステーキの練習でもしてごらん」
ロバートさんにオーク肉を塊でもらった。お礼を言ってベーコンと腸詰のお金を払って店を出た。
ホーンラビットの肉は店の仕入れの分につけてくれるそうだ。僕が買った分もつけておくと言われたけどそれは丁重にお断りした。
店に行って仕事を始める前に店の掃除をすることにした。普段はスープの下拵えをしながら掃除をしてたけど、今日は気合いを入れ直すために仕込みの前に店内の掃除を丁寧にやった。
チキンカツを夜に出しているから店では鶏の骨はけっこう潤沢に使える。
血合いを丁寧に取りのぞいた鶏の骨と野菜のクズで出汁をとる。臭みをなるべく消したいからセロリの固いところも一緒に煮込んだ。
煮込んでいる間にホーンラビットのお肉を食べやすい大きさに切り分ける。いつもより少しだけ小さめに切った。
切った肉は昨日と同じ香草と塩を入れてよく揉み込んでおく。
水筒に牛乳を入れて力を入れて上下に振る。温度が低い方がバターになりやすい。氷魔法の応用で牛乳の温度を下げながら振った。
「ケイくん?何やってるんすか?」
「ロイ。牛乳からバターを作りたいんだよ。こうやって振るとバターが出来るんだ」
「知ってるっす。バターっすよね。ミキサーで作れますよ」
まじか。全然思いつかなかった。
ロイが実際にパン屋でやっているようにバターを作ってくれる。
ロイの作業を引き続き、仕込みを進めながらバターの作り方の説明を聞いた。
交代して僕も作ってみる。
何これ、すごく楽だよ。
バターに塩を足すときは練りながら少しずつ足していくと良いみたい。
少しずつバターから水分を出していった方が美味しく出来上がるそうだ。
食べてみたら昨日作った僕の即席バターよりずっとおいしかった。
「すごいよ、ロイ!ありがとう」
「家の手伝いで子供の頃から作らされてたっすからね。ケイくんのスープ作りと一緒っす」
作ったバターはパンに練り込んで、残った牛乳も別のパンの材料になるそうだ。
ロイが嬉しそうに話してくれた。
タマネギとニンジンをバターで炒めて出汁で煮込む。そこに炒めたホーンラビットの肉も投入。ホワイトソースの準備をしながら丁寧にアクを取る。
ミキサーにかけた豆と煮汁は一度ザルで濾して、ザルに溜まった小さな塊は丁寧にすり潰して濾した豆乳に混ぜた。
昨日のシチューのように濃厚な味にはなりすぎないように、味見をしながら牛乳と水で調整する。
塩と粗挽きの胡椒で味を整えて出来上がりだ。他の3つの鍋も同じように仕上げる。
ロイとサンドラ姉さんと3人で完成したスープを少し試食してみる。
インゲン豆のポタージュをイメージしたつもりだったけどそれだけだと食べ応えがないからお肉を入れたかった。
タマネギもニンジンも控えめに入れたつもりだったけど出来上がったものは結果やっぱりシチューみたいなものになってしまった。
あまり濃厚にしてしまうとメインの料理が目立たないから薄めの味付けにしたつもりだったのに。
「具材を全部ミキサーで混ぜちゃっても美味しいと思うけどね。うちは高級なレストランとは違うからこれでいいと思うわ」
サンドラ姉さんも僕の考えに同意してくれた。
出勤した師匠に小さめの器に盛ったシチューを味見してもらう。
師匠は静かにそのシチューを食べる。
やばい、緊張する。
師匠が食べ終わった皿を作業台に置く。
「インゲン豆か?悪くねえ。ケイ、原価は計算したか?」
「豆も使った肉も安いので一皿鉄貨6枚くらいになると思います」
王国には昔、銅貨の下に鉄貨という通貨が存在した。10円玉みたいなものだったらしいんだけど、戦乱があり鉄不足になってしまい今では廃止されてしまったのだ。
王国に住む人たちは小数点で単位を考える習慣がないので、0.6銅貨とは言わず6鉄貨という言い方になる。長さと重さはよく知らない。
「レシピを見せてみろ」
そう言われてすっかり斜線だらけになってしまった僕のノートを見せる。
だいぶ読みにくくなってしまったけど、師匠は何も言わずに時間をかけてレシピを見ていた。
「ケイ。店のクリームシチューも同じようなやり方で作れるか?」
「はい。出来ます」
「昼に市場に行ってこの前お前を連れて行った八百屋のジェフにこの豆をあるだけよこせと言ってこい。牛乳も買え」
「わかりました」
「このシチューだが、味はこのままでいい。ただもう少しゆるめに調節しろ。できるな?その方がロイのパンには合う。このくらいでも体が温まるから悪いわけじゃないがな。あとは豆の香りが少し青臭いがまあいいだろう。味は悪くはない。次に作る時には豆を煮る時にナツメグを入れろ。豆の選別もあとで教えてやる。それでだいぶ青臭さは抑えられるはずだ」
注文の伝票を素早く掴んでその裏に言われたことをメモしていく。
スープのとろみを調節して、味見をする。うん。このくらいの方がお店の料理には合うかも。
スープの調整に時間を取られてしまって、開店の準備はロイがやってくれた。
「ウサギ!このスープやたらうめぇじゃねぇか」
いつだったか病気だったスラムの人にポーションを渡していた髭もじゃの冒険者が僕に大声で言ってきた。
スープのお代わりはできないのかといろんな人が言ってくる。ランチのスープには限りがあるのでお代わりはあまり出せない。
スープだけ先になくなってしまってもいけないからいつも多めに作ってはいるのだけれど、
みんなに出していたら足りなくなっちゃうよ。
昼の営業は大盛況で、作ったシチューはほとんど無くなった。
残りを賄いで食べて市場に向かう。
師匠に連れられて行った八百屋でジェフさんにインゲン豆を売ってもらう。
大きな麻の袋で6袋、マジックバッグに入れた。
ラウルさんの牛乳を買いに行く途中で、ロバートさんの肉屋の前を通ったので、2人に初めて師匠に作ったスープを認められたって笑顔で伝えた。
2人ともとても喜んでくれた。
ラウルさんにもそのことを伝えたらお祝いだと言ってチーズを少しもらった。
店に戻って2階に上がり師匠に報告する。
夜の分の仕込みをしていたら師匠が2階から降りてきた。
ビーフシチューの仕込みをしながら豆の選別方法を教わる。
豆は基本的に栽培方法は簡単なんだけど、収穫の時どうしても未成熟なものが混ざってしまうのだそうだ。
そういった未成熟の豆を選別して料理に使うと青臭さがなくなるらしい。
未成熟の豆は師匠が油で揚げてみんなに振舞ってくれた。
素朴な味でおいしい。青臭い感じも素材の味として感じられるから全く気にならなかった。
出来上がった豆をお皿に入れ、それを持って師匠はまた2階に戻って行った。
ロイが作ってくれたバターでホワイトソースを作る。
鍋の具材が煮えたら師匠が実際に作ってくれる。ノートにメモを取りながら作り方を教わった。
ホワイトソースと少し牛乳を入れて、バターを作る時に出た牛乳の搾り汁も鍋に入れる。
塩と胡椒、香草を入れて10分くらい煮込んだ。
師匠がこの味を覚えろと言ってロイと2人で味見する。そして師匠は少し塩辛いくらいのシチューにインゲン豆の豆乳を入れてかき混ぜた。
「豆の汁を入れたらあまり煮込みすぎるな。温め直すときは火加減に気をつけろ」
出来上がったクリームシチューは濃厚な味でとてもおいしいものになった。
師匠が言うような豆の青臭さも完全に消えていた。
以来小熊亭のクリームシチューはこの作り方に変わった。
やがてこのクリームシチューもビーフシチューと並んで店の人気のメニューになった。
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