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しおりを挟む「まずはお茶でも飲みなよ。あ、大丈夫。毒なんか入ってないよ。入れるわけないじゃない。ふふふっ」
「はっ、ははは・・・・・・」
「リリー!寂しかったー!!」
「何言ってんのゼヌ。君こないだ会ってたでしょ。っていうか抱きつかないでよ」
「あのー・・・俺、いや私は一体・・・・・・」
「あー、ごめんね?話があるんだけど、少し待っててくれる?まだ人が来る予定だから」
その言葉に今でも緊張しているアランに更なる緊張が加算された。今でもよくわからない空間なのに、さらに誰が来るというのだろうか。それに、ゼノに瓜二つな男、ゼヌと呼ばれている男がやけにリリーにベタベタするのが気になる。目で追っていると『あ゛?何だよ』と口悪く言われるので、アランは黙ってカップに注がれている紅茶を見つめていた。
そうしているとバタンと静かな音が聞こえ、数人の足音が部屋に入ってきた。
「リリー!!ああまさかバレてしまったなんて・・・・・・!俺たちがいなかったばかりにすまない」
「リリー!朝ぶりだな。兄さん、バレてしまっては仕方ない。これは消すしかないですよ。リリーの心の平安のために」
視線を上げる前に、その美麗な声で誰が入ってきたのかわかった。というか、つい最近聞いた声なのだ。
足音の持ち主は、リリーの兄、ホワイトローズ家長男のギムリィと次男のハレムだった。アランは今日参加していた入学式で、副会長のギムリィと風紀委員代表のハレムの見事な挨拶を聞いたばかりだったので、その特徴的な低音ボイスが耳に記憶されていたのだった。
冗談だとは思えない言葉を冗談を言っているようには見えない顔で放ったハレムをゼノが宥め、彼らもアランの向かいの豪華なソファに腰を下ろした。テーブルを囲むように、コの字型に配置されたソファには、アランの目の前にギムリィとハレムとゼノ、サイドにリリーとゼヌが座っている。やっと話が始まるのかと思いきや、ソファに行儀悪く座っているゼヌが頬杖をついて『あいつはまだかぁ?』と言うので、アランはまだ誰か来る予定なのか!?と絶望に近い面持ちでいた。
と、そのとき鳴ったか鳴っていないかほど静かに扉が開き、最後の一人が部屋に入ってきたようだった。静かな足音が近づき姿が露わになる。
「遅れてしまい、すみません。課題がおしていたもので」
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「あぴゃ!!?」
その瞬間、アランはよくわからない言葉を口に出し、気を失って倒れてしまった。
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