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第5章 神々の異世界 ~天神回戦 其の弐~
第155話 新たな力とさくらの剣1
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限りない地平線の世界に燦然と輝く太陽が昇った。
自らの加護の真の使い方に気付いたみづきは、ここではない異世界の頼れる相棒と加護の力を呼び寄せた。
地平の加護の補助に特化し、すべてを成功に導き、不完全を完全へ変る。
異なる世界を繋ぐ道さえ開く奇跡の結晶、その名は太陽の加護。
迷宮の異世界にて、パンドラの地下迷宮に挑む試練を共にするエルフ姉妹の姉、アイアノアが備える加護を──。
みづきは神々の異世界であるこの場所、今まさに臨む最中の天神回戦の試合で従えるに至っていた。
「だけど、これは……」
少し後ろの頭上に浮かぶ太陽の加護を振り仰ぎ、弱り顔でくたびれた息を吐く。
これまでのような洞察済みの技能を発現させては一旦収めるという散発的な使い方ではなく、太陽の加護は発現を常態化させ、持続的な運用をしている。
その結果、みづきは自分に降り掛かる異常に驚きを隠せない。
「精神的に掛かる負荷が半端無いぞっ……! 目の前を光が物凄い速さでぐるぐる回って見える……。うぅ、頭の奥が火傷しそうだ……!」
それは、さながらコンピュータの高速演算のようだった。
太陽の加護を呼び出し続けている間、ひたすら地平の加護が稼働をしている。
絶え間なく太極天の恩寵がエネルギー源の黄龍氣に変換されていて、それを莫大に消費しながら地平の加護の上で太陽の加護が動き続けている状態だ。
肉体はシキのものなれど、精神は人間のままのみづきにとって、その動作状況にはただただ圧倒されるばかり。
そのくせ、驚くみづきをそっちのけでギアを上げた処理を平然と可能としている地平の加護に、舌を巻くやら開いた口が塞がらないやら。
「つくづく俺は加護の力を使いこなせてなかったんだな……。それに地平の加護も凄いけど、こんなきつい負荷の太陽の加護を使っていたアイアノアには相当苦労を掛けてたってことか……。今度会ったらちゃんとお礼を言っておこう」
実際に扱ってみて初めてわかった太陽の加護の「重さ」と「難しさ」。
これほどの加護を涼しい顔をして使役していたとは、流石は勇者の相棒だなぁ、とみづきはエルフの彼女の凄さを再確認するのであった。
そうしたら気のせいか、みづきの中で待機中のアイアノアの概念体が満足そうに笑ったように感じた。
えっへん、お褒めに与り光栄です。
そんな声が聞こえた気がした。
「特質概念の枠──、か」
みづきはふと呟く。
今は試合の真っ最中で、相対する少年姿の地蔵狸まみおは未だ健在である。
しかし、さっきからみづきの中で流れる時間はやけに緩やかに感じられていて、本領を発揮し始めた地平の加護をより鮮明に理解できていた。
漠然としたイメージが脳裏に流れている。
──これはパソコンの概念と同じなんだ。太陽の加護はプログラムの一つで、アイアノアっていうソフトウェアの機能の一部だ。それを大元のOSにあたる、地平の加護の上で動かしている状態と同じ……。となると、CPUとメモリは雛月の役目で一手に処理を引き受けてくれてて、それを使うユーザはこの俺って訳か。
「アイアノアはメモリを食うんだな」
技能再現の権能を連続稼働させるのはこれが初めてだが、アイアノアの、というより太陽の加護使用における記憶領域の使用率が殊更高い。
地平の加護の限界なんて皆目わからないが、あくまで感覚的に心の中を占めているエルフの彼女の存在を強く大きく感じた。
これは単純に太陽の加護の情報量が多いというだけでなく、みづきのアイアノアに対する気持ちの丈が大きいのかもしれない。
そう思うと無性に照れくさくて苦笑いが浮かんだ。
とはいえ、太陽の加護の補助はほぼ必須のため、この使用領域の枠はアイアノアの指定席となってしまいそうだ。
メモリを食う、は言い得て妙ではあるが、自分で言ってみて確かにその通りだとも思った。
「おいこら、みづきっ! なにぼーっとしてんだよっ、試合中だぞっ!」
まみおの苛立った大声にはっと我に返る。
緩慢だった時間の流れはいつの間にか元に戻っていて、否応なしの現実感に感覚が一気に研ぎ澄まされる。
呆けるみづきの顔と、空中に浮いたよくわからない光の玉を見比べるまみお。
「けっ! 何が俺の勝ちだ、寝言は寝て言え! さっきと何が違うってんだよ! ただ単に眩しい光の玉を浮かべただけじゃねえか!」
一度は収めた背中の錆び刀を再び抜き払う。
切っ先を悪びれる風のみづきに突き付け、もう片方の手は刀印を組んだ。
にわかに宿る神通力、それは試合再開の合図でもある。
「変化宿し! 亡霊落ち武者、再び出でよっ!」
ひとりでにひらりと舞い上がった木の葉の護符が一枚、煙幕を放って消える。
今度もまみおの背後に重々しく立ち上がる、亡霊の和装甲冑の武者姿。
ただしかし、青白い人魂を引き連れ、再び現れた亡霊武者は姿が違っていた。
全体的に赤い甲冑で、鎧だけでなく装飾の施された兜を装着しており、頭、胴、手、足と防御面で隙が無い。
それは十分に備え足り得る、具足の状態を指し示していた。
露出する顔の部位にまで、面頬と呼ばれる髭の飾りをあしらえた仮面を付けていて、生前は名のある武将であった亡霊が呼び出された様子である。
体躯も先の武者と比べて一回りは大きく、明らかに屈強そうな佇まいは言わずもがな大当たりの召喚対象といえた。
ちらりと背後を見て、まみおはにやりとほくそ笑む。
「へっへっへ! どうやらさっきほど優しくできねえみてえだな。覚悟はいいか!」
凄むまみおが両手で刀を正眼の構えをとると、背後の具足武者も同様の中段構えに洗練された動作で移る。
神通力を通して伝わってくる畏れの黒い気迫は、やはり先ほどよりも一層強い。
「まみお、そっちこそ覚悟はいいな! 俺もいくぞ!」
しかし、みづきは動じない。
畏怖の念を正面から跳ねつけて睨み返し、まみおと同じく正眼の構えをとった。
みづきに神通力は無いが、代わりの太極天の恩寵を金色のオーラ、黄龍氣に変えて身体にまとう。
早速の地平の加護の新しき力を立て続けに繰り出していくのだ。
全身に光の線模様が走った。
『対象選択・《シキみづき》・記憶領域より特質概念構築・効験を付与』
みづきはすっと両の瞳を閉じる。
瞼の裏に映るのは記憶の映像、想起される忘れがたき自らの過去。
耳を澄ますと聞こえてくるのは、張り詰めた空気の静かな空間に打ち響く竹刀の音と張り上がる気声。
静謐な道場で、剣の鍛錬を重ねたあの日々がありありと甦る。
太陽の加護の恩恵により、曖昧だった記憶が鮮明且つ完全に再構築されていく。
そこには呼び出そうとしている特質概念の主、みづきの剣の師匠の姿があった。
『三月、剣に集中しなさい。身も心もやがて一つとなるように』
『剣は心であり、人となりだ。太刀筋のそれそのものが人格と本質を表す鏡となる』
最早、もう二度と聞くことができないと思っていた声が不意に聞こえ、身体中が総毛立つ思いに駆られて震える。
声だけではなく、呼び起こされた記憶ははっきりとみづきの目でも見て取れた。
それは想起された、みづきにしか見えない思い出の一幕。
佐倉の家、三月の自宅に併設された道場の板間に、濃紺の稽古着と袴に身を包んだ出で立ちの壮健な様の男性が佇んでいた。
手には竹刀を持ち、こちらを優し気な表情で見つめている。
地平の加護は、みづきの記憶のその者の特質概念をつくり出し、付与をする。
『《三月の父・佐倉清楽》・付与成功・全技能・全能力・同期完了』
化け狸の屈強な鎧武者の剣技に対抗して、みづきの選んだ付与対象──。
それは、実の父親だった。
朝と晩、休日などには父の清楽と家の道場で剣の鍛錬を欠かさず行っていた。
奇しくもそれぞれの異世界で戦いに役立っている剣術は、指南役たる清楽の教えの賜物なのである。
「親父……。いや、父さん……」
背後に立つ壮年の父親。
あの時から時間が止まり、もう歳を取ることのなくなった父の姿はみづきの記憶のままであった。
10年前のあの時までしていた、当時の呼び方がつい口から出てしまう。
大人になってからというもの、人前で父の話をするときは何故だが照れ臭くて、当時の呼び方ができずにいたのはまだ残っているみづきの子供っぽさだ。
「だけど、何だその恰好は……!?」
金色の光で構成された父親の姿を見て、みづきは吹き出してしまった。
濃いグレーのフォーマルなスーツに同色のネクタイを締めて、両手で赤樫の木刀を真っ直ぐ正眼に構えて隙無く立っている。
一般的に木刀は他者に危害を加える凶器として扱われ、携行するにあたって護身用は理由にならず、軽犯罪法に触れてしまう。
清楽は木刀や竹刀を自宅で鍛錬に使用するときは道着を着用していた。
それなのに、そんな常識外れな恰好で呼び出されてしまったのは、普段からそういった手合いの父の姿をかっこいいと思っていたみづきの妄想であった。
「そのおかしな恰好のおっさんがみづきの奥の手か! 拍子抜けでがっかりだ! おいらの変化術のほうが強そうだな! じゃあ、いくぞっ!」
まみおから見れば、ただの人間にしか見えない呼び出された清楽。
確かに、大きな体躯と重厚な甲冑の具足武者に比べれば、一回りも二回りも清楽のほうが小さくて、見てくれの強さの差は歴然である。
地を蹴り、背後の亡霊武者を引き連れて、みづきに向かって突撃していった。
「うおりゃあああぁぁっ! 真っ二つになれえぇっ!」
大きく赤錆びた刀を振り上げるまみおと、連動した動きで見上げるほどに大刀を上段に突き掲げる具足武者の巨躯。
垂直に振り下ろされる一撃にはこれまで以上の速さと威力が込められていた。
ずどん、という重く鋭い音が響き、まみおの渾身の斬撃は深く地をえぐった。
だが、舞い上がった土煙が晴れると、そこには動じていないみづきの姿があった。
「……あれっ?」
間違いなくみづきを脳天から捉えたはずだったのに、まみおは目を丸くする。
強撃の斬りつけは目標から見事に外れていて、当の目標たるみづきは動いていないように見え、至近距離に立ってにやりと笑っていた。
うまくかわされてしまったのかと舌打ちをする。
大きな隙を見せているのに反撃がこないことに苛立ち、まみおはさらに追撃を繰り出した。
「今度こそっ、だりゃあぁっ!」
返す刀を斬り上げ気味に、間近のみづきめがけて振り払った。
ぶぉんっ、と激しく空気を割く音が響き、豪快な剣筋が一閃走る。
しかし、今度もさっきと同じで手応えがほとんどない。
「いぃっ!? なんだぁ?!」
「ははっ、まみお、凄い太刀筋だな。さっきより断然速くて鋭いぞ」
またしても、一歩も動いていないようにその場に立ち続けているみづき。
まるで、まみおの剣がみづきの身体を通り抜けたかと見紛う錯覚を生む。
「み、みづき、おめぇ……!」
驚愕に表情を歪めるまみおの少年の顔。
余裕そうな態度で、やはり反撃してこないみづきは剣を構えたままの姿。
その構えはいつの間に正眼から、やや下向きの霞の型へと変わっている。
それから何かを気取ったのか、まみおの両目は信じられないものを見るように大きく見開かれていた。
「うおおおおおおぉぉぉぉっ!」
目の前で起こったことの疑念を晴らすべく、まみおは我武者羅に何度も何度も縦横斜めと斬撃を激しく繰り返す。
その一撃一撃は重く速く、必殺の威力を秘めていて、どれもが決まり手となってもおかしくはなかった。
ただ、それはあくまで当たれば、の話である。
「すげえっ! これが親父の剣っ、やっぱり凄過ぎるっ……!」
まみおよりも、当のみづきが一番驚いていたかもしれない。
嵐の如く空間を走り抜ける無数の斬りつけをすべてかわしている。
ただ、身体を捻ったりよじったりして避けているのではない。
不滅の太刀を絶妙に操り、斬撃の威力と向きをうまく逸らしている。
触れるか触れないかの剣さばきで、柳の木のように剣の暴風をいなしていた。
それを目にも止まらぬ速さと、途切れぬ集中力で淡々とこなし、紙一重で回避し続けている。
「おいらの剣をっ、全部受け切る気かよっ! みづきっ……!」
まみおは懸念が現実となり、剣を振るいながら青ざめた顔をしていた。
防御に向いていると言われる霞の構えを中心にした剣術の前に、具足武者の巨躯から放つ大振りな斬撃は悉く当たらない。
「結局っ……! 俺は一本だって親父から取ることはできなかった! 異常に正確で速い受け流しが上手すぎてっ、親父には指一本触れられなかったんだっ……!」
みづきの後ろで瞬速の同調を見せる、父である清楽。
実力ある市議会議員という顔だけでなく、代々と続く佐倉の家の剣術を受け継いでいる刀術の達人の顔をも持っていた。
稽古のときはともかく、実戦形式の練習試合の際にはその高い技術に翻弄され、触れることさえできず勝負にならなかった。
それは中学生高校生と成長しても変わらずに、今でもみづきの苦い思い出として心に残っている。
馬頭鬼の牢太と戦った折り、みづきが上手い剣捌きで受け流しをして見せたのは師匠である清楽の教えた剣術のお陰であったのだ。
「えぇいっ!」
一歩踏み込み、稲妻のように速い振り下ろしの一撃でみづきは一転反撃に出た。
まみおの連続した斬撃の合間を縫い、走り抜けざまに袈裟切りを放つ。
みづきを見失ったまみおが、斬られたのに気づいたのは一瞬遅れた後のこと。
ざんっ!
「うぎゃあっ!? や、やられたぁっ!?」
左肩口から右脇腹にかけて、水色の薄い生地の着物が裂けた。
黒い煙めいた神通力がぶわっと噴き出し、まみおは悲鳴をあげた。
「……」
太刀を振るった後のみづきの目には涙が浮かぶ。
父との剣の稽古の日々を思い出し、偉大なる父の剣の技能を扱った。
こみ上げる感慨は、鈍く熱く胸を焦がした。
「……これでわかった!」
涙を袖でぐいっと拭い、みづきは地平の加護の新しい使い方の仕様を理解する。
頭上の消えない太陽の加護、後ろに控え続ける父のスーツ姿。
頭の中にイメージとして構築された加護の全体図が明々白々と把握できた。
──佐倉清楽という特質概念を地平の加護の上に作ってみると、アイアノアの太陽の加護の情報量が極端に多いのがわかる。それに比べると清楽の情報量は少なく、こじんまりと加護の中に収まっている。洞察済みの特質概念は役割が多様で、それぞれが脳裏を占める容量や掛かる負荷は異なっていて、俺の頭の記憶領域内で同時並列処理される。
みづきの中で地平の加護の真骨頂たる仕組みが明らかになっていく。
心臓部の地平の加護に太陽の加護が付随し、それを取り巻く形で清楽の特質概念が配置され、能力や技術を発揮している。
──どうやらまみおの変化術に比べ、メモリにあたる部分の処理能力が格段に高く、速く、広く、深い。地平の加護が変化術の上位互換な所以がそこにあるんだ。
やっていることは今のまみおとさして変わらない。
まるで変化術を根っこから模倣しているみたいに。
しかし、出力、規模、効果、多様性、どれをとってもそれの遙か上だ。
アイアノアや清楽の幻影を見せられるあたり、今やまみおのお株を奪ってしまう勢いである。
──太陽の加護の枠の大きさはともかく、清楽一人分でこのサイズなら追加できる余剰は過分なくらい多く、まだまだ追加できる概念の数には余裕がある。作成して運用するキャラクターの特性により、枠の大きさに差異があるみたいだ。さあて、いったいどのくらいの人数を同時に動かせることやらだ!
「この能力、──キャラクタースロットの概念、そう名付けよう」
みづきは能力の名付けに、しっくりきたとの顔で満足そうに笑みをこぼす。
キャラクターとは個性、性格、特質概念の意味を表し、スロットとは細長い穴、溝、枠を表している。
洞察済みの作成した容量の異なるキャラクターをソフトウェアに見立てて、地平の加護の上に並べていく様は、記憶素子(ROM)をスロットに挿すに似ていた。
自らの加護の真の使い方に気付いたみづきは、ここではない異世界の頼れる相棒と加護の力を呼び寄せた。
地平の加護の補助に特化し、すべてを成功に導き、不完全を完全へ変る。
異なる世界を繋ぐ道さえ開く奇跡の結晶、その名は太陽の加護。
迷宮の異世界にて、パンドラの地下迷宮に挑む試練を共にするエルフ姉妹の姉、アイアノアが備える加護を──。
みづきは神々の異世界であるこの場所、今まさに臨む最中の天神回戦の試合で従えるに至っていた。
「だけど、これは……」
少し後ろの頭上に浮かぶ太陽の加護を振り仰ぎ、弱り顔でくたびれた息を吐く。
これまでのような洞察済みの技能を発現させては一旦収めるという散発的な使い方ではなく、太陽の加護は発現を常態化させ、持続的な運用をしている。
その結果、みづきは自分に降り掛かる異常に驚きを隠せない。
「精神的に掛かる負荷が半端無いぞっ……! 目の前を光が物凄い速さでぐるぐる回って見える……。うぅ、頭の奥が火傷しそうだ……!」
それは、さながらコンピュータの高速演算のようだった。
太陽の加護を呼び出し続けている間、ひたすら地平の加護が稼働をしている。
絶え間なく太極天の恩寵がエネルギー源の黄龍氣に変換されていて、それを莫大に消費しながら地平の加護の上で太陽の加護が動き続けている状態だ。
肉体はシキのものなれど、精神は人間のままのみづきにとって、その動作状況にはただただ圧倒されるばかり。
そのくせ、驚くみづきをそっちのけでギアを上げた処理を平然と可能としている地平の加護に、舌を巻くやら開いた口が塞がらないやら。
「つくづく俺は加護の力を使いこなせてなかったんだな……。それに地平の加護も凄いけど、こんなきつい負荷の太陽の加護を使っていたアイアノアには相当苦労を掛けてたってことか……。今度会ったらちゃんとお礼を言っておこう」
実際に扱ってみて初めてわかった太陽の加護の「重さ」と「難しさ」。
これほどの加護を涼しい顔をして使役していたとは、流石は勇者の相棒だなぁ、とみづきはエルフの彼女の凄さを再確認するのであった。
そうしたら気のせいか、みづきの中で待機中のアイアノアの概念体が満足そうに笑ったように感じた。
えっへん、お褒めに与り光栄です。
そんな声が聞こえた気がした。
「特質概念の枠──、か」
みづきはふと呟く。
今は試合の真っ最中で、相対する少年姿の地蔵狸まみおは未だ健在である。
しかし、さっきからみづきの中で流れる時間はやけに緩やかに感じられていて、本領を発揮し始めた地平の加護をより鮮明に理解できていた。
漠然としたイメージが脳裏に流れている。
──これはパソコンの概念と同じなんだ。太陽の加護はプログラムの一つで、アイアノアっていうソフトウェアの機能の一部だ。それを大元のOSにあたる、地平の加護の上で動かしている状態と同じ……。となると、CPUとメモリは雛月の役目で一手に処理を引き受けてくれてて、それを使うユーザはこの俺って訳か。
「アイアノアはメモリを食うんだな」
技能再現の権能を連続稼働させるのはこれが初めてだが、アイアノアの、というより太陽の加護使用における記憶領域の使用率が殊更高い。
地平の加護の限界なんて皆目わからないが、あくまで感覚的に心の中を占めているエルフの彼女の存在を強く大きく感じた。
これは単純に太陽の加護の情報量が多いというだけでなく、みづきのアイアノアに対する気持ちの丈が大きいのかもしれない。
そう思うと無性に照れくさくて苦笑いが浮かんだ。
とはいえ、太陽の加護の補助はほぼ必須のため、この使用領域の枠はアイアノアの指定席となってしまいそうだ。
メモリを食う、は言い得て妙ではあるが、自分で言ってみて確かにその通りだとも思った。
「おいこら、みづきっ! なにぼーっとしてんだよっ、試合中だぞっ!」
まみおの苛立った大声にはっと我に返る。
緩慢だった時間の流れはいつの間にか元に戻っていて、否応なしの現実感に感覚が一気に研ぎ澄まされる。
呆けるみづきの顔と、空中に浮いたよくわからない光の玉を見比べるまみお。
「けっ! 何が俺の勝ちだ、寝言は寝て言え! さっきと何が違うってんだよ! ただ単に眩しい光の玉を浮かべただけじゃねえか!」
一度は収めた背中の錆び刀を再び抜き払う。
切っ先を悪びれる風のみづきに突き付け、もう片方の手は刀印を組んだ。
にわかに宿る神通力、それは試合再開の合図でもある。
「変化宿し! 亡霊落ち武者、再び出でよっ!」
ひとりでにひらりと舞い上がった木の葉の護符が一枚、煙幕を放って消える。
今度もまみおの背後に重々しく立ち上がる、亡霊の和装甲冑の武者姿。
ただしかし、青白い人魂を引き連れ、再び現れた亡霊武者は姿が違っていた。
全体的に赤い甲冑で、鎧だけでなく装飾の施された兜を装着しており、頭、胴、手、足と防御面で隙が無い。
それは十分に備え足り得る、具足の状態を指し示していた。
露出する顔の部位にまで、面頬と呼ばれる髭の飾りをあしらえた仮面を付けていて、生前は名のある武将であった亡霊が呼び出された様子である。
体躯も先の武者と比べて一回りは大きく、明らかに屈強そうな佇まいは言わずもがな大当たりの召喚対象といえた。
ちらりと背後を見て、まみおはにやりとほくそ笑む。
「へっへっへ! どうやらさっきほど優しくできねえみてえだな。覚悟はいいか!」
凄むまみおが両手で刀を正眼の構えをとると、背後の具足武者も同様の中段構えに洗練された動作で移る。
神通力を通して伝わってくる畏れの黒い気迫は、やはり先ほどよりも一層強い。
「まみお、そっちこそ覚悟はいいな! 俺もいくぞ!」
しかし、みづきは動じない。
畏怖の念を正面から跳ねつけて睨み返し、まみおと同じく正眼の構えをとった。
みづきに神通力は無いが、代わりの太極天の恩寵を金色のオーラ、黄龍氣に変えて身体にまとう。
早速の地平の加護の新しき力を立て続けに繰り出していくのだ。
全身に光の線模様が走った。
『対象選択・《シキみづき》・記憶領域より特質概念構築・効験を付与』
みづきはすっと両の瞳を閉じる。
瞼の裏に映るのは記憶の映像、想起される忘れがたき自らの過去。
耳を澄ますと聞こえてくるのは、張り詰めた空気の静かな空間に打ち響く竹刀の音と張り上がる気声。
静謐な道場で、剣の鍛錬を重ねたあの日々がありありと甦る。
太陽の加護の恩恵により、曖昧だった記憶が鮮明且つ完全に再構築されていく。
そこには呼び出そうとしている特質概念の主、みづきの剣の師匠の姿があった。
『三月、剣に集中しなさい。身も心もやがて一つとなるように』
『剣は心であり、人となりだ。太刀筋のそれそのものが人格と本質を表す鏡となる』
最早、もう二度と聞くことができないと思っていた声が不意に聞こえ、身体中が総毛立つ思いに駆られて震える。
声だけではなく、呼び起こされた記憶ははっきりとみづきの目でも見て取れた。
それは想起された、みづきにしか見えない思い出の一幕。
佐倉の家、三月の自宅に併設された道場の板間に、濃紺の稽古着と袴に身を包んだ出で立ちの壮健な様の男性が佇んでいた。
手には竹刀を持ち、こちらを優し気な表情で見つめている。
地平の加護は、みづきの記憶のその者の特質概念をつくり出し、付与をする。
『《三月の父・佐倉清楽》・付与成功・全技能・全能力・同期完了』
化け狸の屈強な鎧武者の剣技に対抗して、みづきの選んだ付与対象──。
それは、実の父親だった。
朝と晩、休日などには父の清楽と家の道場で剣の鍛錬を欠かさず行っていた。
奇しくもそれぞれの異世界で戦いに役立っている剣術は、指南役たる清楽の教えの賜物なのである。
「親父……。いや、父さん……」
背後に立つ壮年の父親。
あの時から時間が止まり、もう歳を取ることのなくなった父の姿はみづきの記憶のままであった。
10年前のあの時までしていた、当時の呼び方がつい口から出てしまう。
大人になってからというもの、人前で父の話をするときは何故だが照れ臭くて、当時の呼び方ができずにいたのはまだ残っているみづきの子供っぽさだ。
「だけど、何だその恰好は……!?」
金色の光で構成された父親の姿を見て、みづきは吹き出してしまった。
濃いグレーのフォーマルなスーツに同色のネクタイを締めて、両手で赤樫の木刀を真っ直ぐ正眼に構えて隙無く立っている。
一般的に木刀は他者に危害を加える凶器として扱われ、携行するにあたって護身用は理由にならず、軽犯罪法に触れてしまう。
清楽は木刀や竹刀を自宅で鍛錬に使用するときは道着を着用していた。
それなのに、そんな常識外れな恰好で呼び出されてしまったのは、普段からそういった手合いの父の姿をかっこいいと思っていたみづきの妄想であった。
「そのおかしな恰好のおっさんがみづきの奥の手か! 拍子抜けでがっかりだ! おいらの変化術のほうが強そうだな! じゃあ、いくぞっ!」
まみおから見れば、ただの人間にしか見えない呼び出された清楽。
確かに、大きな体躯と重厚な甲冑の具足武者に比べれば、一回りも二回りも清楽のほうが小さくて、見てくれの強さの差は歴然である。
地を蹴り、背後の亡霊武者を引き連れて、みづきに向かって突撃していった。
「うおりゃあああぁぁっ! 真っ二つになれえぇっ!」
大きく赤錆びた刀を振り上げるまみおと、連動した動きで見上げるほどに大刀を上段に突き掲げる具足武者の巨躯。
垂直に振り下ろされる一撃にはこれまで以上の速さと威力が込められていた。
ずどん、という重く鋭い音が響き、まみおの渾身の斬撃は深く地をえぐった。
だが、舞い上がった土煙が晴れると、そこには動じていないみづきの姿があった。
「……あれっ?」
間違いなくみづきを脳天から捉えたはずだったのに、まみおは目を丸くする。
強撃の斬りつけは目標から見事に外れていて、当の目標たるみづきは動いていないように見え、至近距離に立ってにやりと笑っていた。
うまくかわされてしまったのかと舌打ちをする。
大きな隙を見せているのに反撃がこないことに苛立ち、まみおはさらに追撃を繰り出した。
「今度こそっ、だりゃあぁっ!」
返す刀を斬り上げ気味に、間近のみづきめがけて振り払った。
ぶぉんっ、と激しく空気を割く音が響き、豪快な剣筋が一閃走る。
しかし、今度もさっきと同じで手応えがほとんどない。
「いぃっ!? なんだぁ?!」
「ははっ、まみお、凄い太刀筋だな。さっきより断然速くて鋭いぞ」
またしても、一歩も動いていないようにその場に立ち続けているみづき。
まるで、まみおの剣がみづきの身体を通り抜けたかと見紛う錯覚を生む。
「み、みづき、おめぇ……!」
驚愕に表情を歪めるまみおの少年の顔。
余裕そうな態度で、やはり反撃してこないみづきは剣を構えたままの姿。
その構えはいつの間に正眼から、やや下向きの霞の型へと変わっている。
それから何かを気取ったのか、まみおの両目は信じられないものを見るように大きく見開かれていた。
「うおおおおおおぉぉぉぉっ!」
目の前で起こったことの疑念を晴らすべく、まみおは我武者羅に何度も何度も縦横斜めと斬撃を激しく繰り返す。
その一撃一撃は重く速く、必殺の威力を秘めていて、どれもが決まり手となってもおかしくはなかった。
ただ、それはあくまで当たれば、の話である。
「すげえっ! これが親父の剣っ、やっぱり凄過ぎるっ……!」
まみおよりも、当のみづきが一番驚いていたかもしれない。
嵐の如く空間を走り抜ける無数の斬りつけをすべてかわしている。
ただ、身体を捻ったりよじったりして避けているのではない。
不滅の太刀を絶妙に操り、斬撃の威力と向きをうまく逸らしている。
触れるか触れないかの剣さばきで、柳の木のように剣の暴風をいなしていた。
それを目にも止まらぬ速さと、途切れぬ集中力で淡々とこなし、紙一重で回避し続けている。
「おいらの剣をっ、全部受け切る気かよっ! みづきっ……!」
まみおは懸念が現実となり、剣を振るいながら青ざめた顔をしていた。
防御に向いていると言われる霞の構えを中心にした剣術の前に、具足武者の巨躯から放つ大振りな斬撃は悉く当たらない。
「結局っ……! 俺は一本だって親父から取ることはできなかった! 異常に正確で速い受け流しが上手すぎてっ、親父には指一本触れられなかったんだっ……!」
みづきの後ろで瞬速の同調を見せる、父である清楽。
実力ある市議会議員という顔だけでなく、代々と続く佐倉の家の剣術を受け継いでいる刀術の達人の顔をも持っていた。
稽古のときはともかく、実戦形式の練習試合の際にはその高い技術に翻弄され、触れることさえできず勝負にならなかった。
それは中学生高校生と成長しても変わらずに、今でもみづきの苦い思い出として心に残っている。
馬頭鬼の牢太と戦った折り、みづきが上手い剣捌きで受け流しをして見せたのは師匠である清楽の教えた剣術のお陰であったのだ。
「えぇいっ!」
一歩踏み込み、稲妻のように速い振り下ろしの一撃でみづきは一転反撃に出た。
まみおの連続した斬撃の合間を縫い、走り抜けざまに袈裟切りを放つ。
みづきを見失ったまみおが、斬られたのに気づいたのは一瞬遅れた後のこと。
ざんっ!
「うぎゃあっ!? や、やられたぁっ!?」
左肩口から右脇腹にかけて、水色の薄い生地の着物が裂けた。
黒い煙めいた神通力がぶわっと噴き出し、まみおは悲鳴をあげた。
「……」
太刀を振るった後のみづきの目には涙が浮かぶ。
父との剣の稽古の日々を思い出し、偉大なる父の剣の技能を扱った。
こみ上げる感慨は、鈍く熱く胸を焦がした。
「……これでわかった!」
涙を袖でぐいっと拭い、みづきは地平の加護の新しい使い方の仕様を理解する。
頭上の消えない太陽の加護、後ろに控え続ける父のスーツ姿。
頭の中にイメージとして構築された加護の全体図が明々白々と把握できた。
──佐倉清楽という特質概念を地平の加護の上に作ってみると、アイアノアの太陽の加護の情報量が極端に多いのがわかる。それに比べると清楽の情報量は少なく、こじんまりと加護の中に収まっている。洞察済みの特質概念は役割が多様で、それぞれが脳裏を占める容量や掛かる負荷は異なっていて、俺の頭の記憶領域内で同時並列処理される。
みづきの中で地平の加護の真骨頂たる仕組みが明らかになっていく。
心臓部の地平の加護に太陽の加護が付随し、それを取り巻く形で清楽の特質概念が配置され、能力や技術を発揮している。
──どうやらまみおの変化術に比べ、メモリにあたる部分の処理能力が格段に高く、速く、広く、深い。地平の加護が変化術の上位互換な所以がそこにあるんだ。
やっていることは今のまみおとさして変わらない。
まるで変化術を根っこから模倣しているみたいに。
しかし、出力、規模、効果、多様性、どれをとってもそれの遙か上だ。
アイアノアや清楽の幻影を見せられるあたり、今やまみおのお株を奪ってしまう勢いである。
──太陽の加護の枠の大きさはともかく、清楽一人分でこのサイズなら追加できる余剰は過分なくらい多く、まだまだ追加できる概念の数には余裕がある。作成して運用するキャラクターの特性により、枠の大きさに差異があるみたいだ。さあて、いったいどのくらいの人数を同時に動かせることやらだ!
「この能力、──キャラクタースロットの概念、そう名付けよう」
みづきは能力の名付けに、しっくりきたとの顔で満足そうに笑みをこぼす。
キャラクターとは個性、性格、特質概念の意味を表し、スロットとは細長い穴、溝、枠を表している。
洞察済みの作成した容量の異なるキャラクターをソフトウェアに見立てて、地平の加護の上に並べていく様は、記憶素子(ROM)をスロットに挿すに似ていた。
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