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第5章 神々の異世界 ~天神回戦 其の弐~
第182話 創造の神、日和2
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「すぅぅぅぅぅぅぅっ……!」
大気全てを取り込む勢いで大きく息を吸っていく。
日和は瞳を閉じ、両手を合わせて精神を統一する。
その背後に揺らめく輝きは徐々に形を取っていった。
それは、金色に光る龍であった。
日和の合掌した身体からオーラの龍が立ち上がり、周囲の木々よりも高く鎌首をもたげて、消えゆく運命のまみおを見下ろしている。
その大きな顎からは、同じく金色の火の吐息がめらめらと漏れていた。
日和はかっと目を見開く。
そして、叫んだ。
「神霊術、万物創造! 大地よ龍脈よ母なる星よ! 我が神名を以て願い奉る! かそけき哀れな神の御霊を今一度創り出し、あらたかに蘇らせ給えっ!」
日和を中心にすべてを吹き飛ばすほどの大風が発生し、木々が激しくざわついた。
それどころか山自体が揺れ、鳴動している。
「はあああああああああああああああああああああああああァァァァァッ……!!」
気合いが込められた日和の叫びが響き渡った。
金色の龍は牙だらけの大口を開くと、たてがみをざわつかせながら光の大炎を、凄まじい気勢をもって吐き出した。
ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉッ……!
大地の氣による命脈の息吹が、本物の山火事さながらに辺りを火の海にする。
炎はお地蔵様の祠ごと、動かないまみおをまともに包み込んでいた。
「……あっ、あちっ……!? ぎょっ、ぎょえええええええええええぇぇーっ!! あっちゃあああああぁぁぁーッ!?」
瞬く間に炎に飲まれ、全身が火だるまになったまみおが飛び上がった。
事切れる寸前だったのに、息を吹き返して必死で元気な悲鳴をあげた。
灼熱の熱さがたぎり、身体の隅々にまで神通力が復活している。
「ぎゃあぁー、疲れたぁーっ! もう駄目じゃぁぁーっ!」
日和も同じく絶叫していた。
創造の秘法を顕現させ、尋常ならざる神通力を放出してしまい、日和は身体の穴という穴から蒸気の如くの気体を吹き出して後ろ向きにぶっ倒れた。
揺らめくオーラの金色の龍は、白い気流に散らされて消えてしまう。
使った力の代償がすぐに日和の肉体に現れる。
「あぁ、力が抜けるぅ……。これは絶対にまた順位が下がったじゃろうなぁ……。この惨めな姿に逆戻りじゃ……。とほほ……」
天を仰いでうるうると涙ぐむ。
せっかく取り戻した美しい女神の姿は失われ、日和は再びちんちくりんの幼い姿へと縮んでしまったのであった。
限界まで神通力を絞り出した結果、身体が小さくなっただけでなく、実際に順列が準末席から末席に転落したのは言うまでもない。
日和がひっくり返ったのと同時に、金色の炎の山火事は嘘だったみたいに消えて辺りには山の静けさが戻る。
「げほっ、げほっ……! な、なんだ、何が起きたんだ? おいらはいったい?」
ぶすぶすと脳天から焦げた煙を立ち上らせ、むくりと起き上がるまみお。
何が起きたかもわからず、焦げ臭い匂いにひたすら咳き込んでいる。
「おぉ……! 流石でございます! それでこそ、創造の女神の日和様……!」
その奇跡の様子を目の当たりにし、冥子は感嘆の声を漏らした。
まみおが無事に息を吹き返し、胸を撫で下ろして見えたのは冥子の素直な気持ちの現れに違いない。
神の命を奪うなど、みづきでなくとも冥子だってしたくない。
「無事かっ、まみおっ!?」
「うひぃっ!? ……なんだ、みづきか。何をそんなに血相変えてんだよ?」
身体を起こすと目の前に必死なみづきが迫っていたので、まみおは気絶しそうなほど驚いた。
その後のみづきの言葉や態度にも大層驚いていた。
「まみおー、良かったなぁ、無事に助かって……! 俺はもう駄目かと……」
「みづき……? そ、そっか、おいら、多々良様んとこの鬼に負けて……」
「日和が創造の術を使って、まみおの神格を元に戻してくれたんだよっ」
「日和様が……? おいらを……?!」
記憶が混濁するまみおが何があったかを思い出そうとしていると、傍らに座り込んで喜んでいたみづきは急に怒りだす。
胸ぐらを掴むみたいに、まみおが首から下げた赤布を乱暴に引き寄せた。
「馬鹿野郎っ! まみおがやられちまったら、まみおの守る里のことはどうするんだよ!? お小夜ちゃんたちが祀ってくれてた土地を見捨てるなっ! 第一、俺に勝てないのに、遙か格上の多々良さんのとこなんかに勝てる訳ないだろうがっ!」
何を言われたのかわからず、まみおは円らな瞳でぽかんとしていた。
みづきがやけに怒り散らしていて、それが何事かわかるまで少し掛かった。
「……みづき、おめえ、何でおいらの里やお小夜のことを……? いやっ、そんなことはいいっ! おいらにだって意地があるんだ! これ以上、天神回戦で負ける無様をお師匠様や村のみんなにさらせるもんかよ!」
掴まれた胸ぐらのみづきの手を振り払い、怒りの唸り声をウゥーッとあげる。
みづきは威嚇のまみおに構わず言った。
「ヤケになって簡単に投げ出すんじゃねえっ! 本当に守りたいものが大事なら、てめえの意地なんてどうだっていいだろうがっ! 日和なんてな、俺を身代わりにする卑怯をやってでも必死に生き残ろうとしたんだぞっ! 余裕もねえのになりふり構って、格好付けてんじゃねえよ!」
「……もう、それを言うでない……」
仰向けに寝転んだまま、それを聞く日和のため息はみづきたちには聞こえない。
ただ、シキを犠牲にするなど、神にあるまじき蛮行はまみおにはショックだったようである。
疑うことなくそれを信じ、狡猾な日和にまみおは戦慄した。
「うへぇ、本気かよ日和様……!? そこまでしなくちゃなんねえのか……!?」
一瞬、日和の恐ろしさに我を忘れたが、まみおは首をぶんぶんと振った。
「うるせえうるせえ、そうじゃねえんだ! おいらは自棄になってなんかねえ! 負けっぱなしは嫌だったんだよ! 多々良様んとことの試合はそのためだ。みづきよりも強くてうんと高い順位の神に勝てば、おいらのほうが凄いってなるだろ! そう思ったんだよ……!」
「馬鹿野郎! そんなに試合がしたきゃ、俺が何度だってやってやる!」
まみおなりの意地にみづきは真っ向ぶつかる。
顔を間近に近づけ叫んだ。
「俺だってまだまだこれからなんだ。とてもじゃないが上の順位の奴らには勝てる見込みがない。だけど、今は弱くたって、俺もまみおも弱い者同士ぶつかり合って強くなっていけるはずだっ! だからっ、諦めずに頑張ろうぜっ!」
「……みづき、おめえ何なんだよ? おいらみたいな狸の神に何でそんなにムキになってんだ? みづきがおいらに入れ込む理由がわからねえよ……」
シキではなく、人でもないまみおにはみづきの思いはわからなかった。
但し、それらのことは関係なく、みづき特有の事情がものを言わせていた。
「俺はまみおとの試合のお陰で強くなれたんだ。だから、まみおは俺の師匠みたいなもんなのさ。俺が勝手に気に掛けてるだけだから気にするなよ」
「なんだよ、それ……。わけわかんねえ……」
まみおのもたらした変化術が、地平の加護に著しい変化を与えた。
みづきの力は飛躍的に強くなり、それはそのまま朝陽を救う物語の助けになる。
知られざる胸の内にまみおは困惑するばかり。
しかし、みづきにとって、それはまみおを助ける理由とするには十分であった。
「日和様をこき使ってまで、おいらみてえなどうしようもねえ神を救ってよ……。哀れにでも感じたってのかよ……? へんっ、礼なんて言わねえからなっ!」
「俺は何もしてない。礼を言うなら日和にだ。哀れに感じたんでも何でもいい。命が助かったんだからもういいじゃないか。まみおだって、あのまま滅ぶ訳にはいかなかっただろう?」
「……そうだけどよぉ」
むくれた顔のまみおは、すぐ後ろのお地蔵様の顔をちらりと見た。
さっきまで悲しそうに歪めていた顔は、今はもう慈愛の笑顔に戻っていた。
あの時にお地蔵様に言われた言葉を思い出す。
まみおの半身たる石仏は、同じ声色で福音の縁を予言していた。
『日和様とそのシキ、みづきとの縁を大事になさい。此度の出会いは、人の子らと山の子らにきっと幸福をもたらしてくれるでしょう。そしてまみお、貴方にも』
自ら蒔いた種が災いして、危うく多々良に討滅され掛けた。
但し、みづきと日和と関わったために命を拾うことができた。
多々良でなくとも、他の強大な神と戦わなければならなくなるのは時間の問題だったろう。
そう思うのならば、今回は幸運だったと言えるかもしれない。
そもそも、無二の創造神たる日和の加護を授かり、復活できたなど最上の僥倖であったと言わざるを得ない。
みづきに感化されたがゆえの稀事である。
まみおは困惑した。
無い頭ではよく思考が働かない。
「ああもういいっ! おいら、頭が良くねえんだっ! あんまり小難しいこと考えさせんなってんだよっ! ……お前らっ、おいらの世界からさっさと出て行けっ!」
癇癪を起こした風にいきり立つと、どろんと煙をあげてまみおは姿を消した。
それと同時に、みづきたちを取り巻いていた夕焼けの峠道の世界も、白い煙幕をおびただしく巻き上げながら消えていくのであった。
「まみお……! ここは……?」
「追い出されちゃったみたいねえ、私たち」
目を丸くするみづきの隣、冥子も苦笑しながら言った。
そこは暗い夜の竹藪の中だった。生き物の気配はなく、風にざわめく笹葉の音が辺りを静まり返らせていた。
どうやらここはまみおの世界の中でも、自在に空間を隔絶させられる特殊な領域ということらしい。
だから、もうまみおとお地蔵様の姿はどこにもない。
「ほれみたことかなのじゃ。わかったろう、みづき。神に同情なぞ無用なのじゃ」
肩で息をしながら、倒れていた日和はようやく起き上がっていた。
またしても小さい身体に萎んでしまい、矮小な女神へと逆戻りである。
日和の嫌味に微苦笑するみづきは、いなくなったまみおを気にすることなく大声を張り上げた。
周りを見渡しながら、声高らかに呼びかける。
「まみおーっ! また俺と試合やろうなーっ!」
そして、次に自分が何を成すのかを宣言するように続けて叫んだ。
「そんで、まみおの仇はきっと俺が取ってやるからなーっ! 約束だーっ!」
そうして声を収めた後、並び立つ巨躯の鬼と目線を交わした。
お互いに不敵に笑い合う。
「……ふふっ、みづき。それ、私が居る前で言う台詞かしら?」
「話が早くていいだろ。冥子だって俺と試合したがってたじゃないか」
にやりと、好戦的に笑い返す冥子は心底嬉しそうだ。
とうとう相棒の馬頭鬼、牢太を負かしたみづきと相まみえる機会が巡ってきそうである。
多々良の意思はともかくとして、冥子は個人的にみづきの操る太極天の力に興味があった。
と、私情に浮かれる気持ちはさておき。
「それはいいとして、日和様にみづき」
打って変わり、その逞しい美形の顔が厳しい色を浮かべる。
「多々良様の御意志に横槍を入れて、我ら陣営の妨げとなったこの落とし前、どうつけてくれるのかしら? まさか、このままで済ますつもりじゃないわよね?」
冥子に与えられた使命は、潰えるまみおの魂を連れて行くことだった。
自分で助け船を出した手前だが、実質の邪魔立てをしたのはみづきと日和なのだから、その勝手な振る舞いの責任の是非を問わねばならない、という訳だ。
「悪かったよ。詫びが必要なら俺から謝りに行く。──日和、行こう」
「えっ! えぇ、私も……?」
言われるのが本気で予想外だったらしく、日和は驚いて嫌そうな顔をした。
冥子はため息交じりに笑う。
「日和様がまみお様をお救いになられたのでしょう? ならば、日和様から直々に多々良様へと申し開きをするのが筋かと思います。いくらみづきの願いを聞き届けたからといえ、よもやご自分は無関係の立場で、私やみづきのシキだけで話を付けよと申されるのですか?」
半ば呆れた風の冥子だったが、それも日和の性格をわかったうえである。
多少の非礼な物言いだろうと、この女神は気を悪くすることはない。
心より願えばまみおの魂を救ってくれるほどに慈悲深い。
夜宵が相手ではこうはいかないだろう。
「そっ、そんなことはないのじゃっ! 私がすすんでやったことじゃぞっ!」
案の定、慌てた様子で取り繕おうとする日和には失笑を禁じ得ない。
がっくりと肩を落とした情けない格好をして、日和は重い重いため息をつくのであった。
「はあーぁ……。行けばいいんじゃろう、行けばぁ……? 多々良殿にこっぴどく怒られりゃせんかのう……。とほほ、とほほ……」
親しみやすい創造の女神にして、日の明るきを司る陽の神、日和。
主たる多々良が長年の知己だと言うだけのことはある。
そして、今は隣に寄り添う面白いシキが居る。
「すまん、日和! 巻き添えを食わせちまって本当に申し訳ないが、もうちょっと俺に付き合ってくれ! 俺だけじゃどうにもならんのだ!」
「あー……。もう、わかっておるのじゃ、みなまで言うでない。みづきの我がまま、もとい、願いはとことんまで叶えてやろうなのじゃー」
拝むみづきに、やけくそに答える日和。
「ウフフッ……」
冥子は二人の掛け合いを好ましく思う。
玉砂利のシキとやらのみづき。
こんなシキは見たことがない。
多々良が興味を持ったとは聞いていたが、確かにおかしなシキで納得した。
そのみづきが冥子に振り向く。
「冥子、ちょっといいか? 大体、天眼多々良様はいったい何が目的なんだよ? 弱った神様にとどめを刺して回ってるそうじゃないか」
「──多々良様には多々良様のお考えがあるのよ。それを私の口から語るのは大変におこがましいことよ」
懐疑的なみづきの顔を見て、冥子は念を押して言った。
この二人には、多々良のことを悪く誤解して欲しくはないと思った。
「だけどね、みづきが思っているような卑劣なことだけは絶対にお考えではない。それだけは間違いないわ」
冥子の言葉に表情を変えないみづきは、ふぅむと唸る。
みづきとて、多々良の弱い者虐めは可能性の一つとして考えているに過ぎない。
弱った神の討滅後の世話を考えると、目的は別の所にありそうだ。
「直接、聞いたほうが早そうだな。詫びを入れに行く、いいついでだ」
「無礼千万に殴り込まれても困るわ。私が案内してあげるから着いてきなさいな。くれぐれもおとなしくするのよ」
冥子は大きな身を翻し、夜の竹藪の向こう側にある瞬転の鳥居へ向かう。
みづきは拳で手を打って気合いを入れ、日和は気が重くうなだれて。
まみおの領域を後にし、次に向かうのは天眼多々良の社である。
これまでは観覧の客席を同じくするだけの仲だった。
今から出向く先でやるのは、直接的な対峙だ。
八百万順列第二位の高位な神と、各々の陣営の立場で話をする。
一悶着が無い訳がなく、みづきは武者震いに身体を震わせた。
大気全てを取り込む勢いで大きく息を吸っていく。
日和は瞳を閉じ、両手を合わせて精神を統一する。
その背後に揺らめく輝きは徐々に形を取っていった。
それは、金色に光る龍であった。
日和の合掌した身体からオーラの龍が立ち上がり、周囲の木々よりも高く鎌首をもたげて、消えゆく運命のまみおを見下ろしている。
その大きな顎からは、同じく金色の火の吐息がめらめらと漏れていた。
日和はかっと目を見開く。
そして、叫んだ。
「神霊術、万物創造! 大地よ龍脈よ母なる星よ! 我が神名を以て願い奉る! かそけき哀れな神の御霊を今一度創り出し、あらたかに蘇らせ給えっ!」
日和を中心にすべてを吹き飛ばすほどの大風が発生し、木々が激しくざわついた。
それどころか山自体が揺れ、鳴動している。
「はあああああああああああああああああああああああああァァァァァッ……!!」
気合いが込められた日和の叫びが響き渡った。
金色の龍は牙だらけの大口を開くと、たてがみをざわつかせながら光の大炎を、凄まじい気勢をもって吐き出した。
ごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉッ……!
大地の氣による命脈の息吹が、本物の山火事さながらに辺りを火の海にする。
炎はお地蔵様の祠ごと、動かないまみおをまともに包み込んでいた。
「……あっ、あちっ……!? ぎょっ、ぎょえええええええええええぇぇーっ!! あっちゃあああああぁぁぁーッ!?」
瞬く間に炎に飲まれ、全身が火だるまになったまみおが飛び上がった。
事切れる寸前だったのに、息を吹き返して必死で元気な悲鳴をあげた。
灼熱の熱さがたぎり、身体の隅々にまで神通力が復活している。
「ぎゃあぁー、疲れたぁーっ! もう駄目じゃぁぁーっ!」
日和も同じく絶叫していた。
創造の秘法を顕現させ、尋常ならざる神通力を放出してしまい、日和は身体の穴という穴から蒸気の如くの気体を吹き出して後ろ向きにぶっ倒れた。
揺らめくオーラの金色の龍は、白い気流に散らされて消えてしまう。
使った力の代償がすぐに日和の肉体に現れる。
「あぁ、力が抜けるぅ……。これは絶対にまた順位が下がったじゃろうなぁ……。この惨めな姿に逆戻りじゃ……。とほほ……」
天を仰いでうるうると涙ぐむ。
せっかく取り戻した美しい女神の姿は失われ、日和は再びちんちくりんの幼い姿へと縮んでしまったのであった。
限界まで神通力を絞り出した結果、身体が小さくなっただけでなく、実際に順列が準末席から末席に転落したのは言うまでもない。
日和がひっくり返ったのと同時に、金色の炎の山火事は嘘だったみたいに消えて辺りには山の静けさが戻る。
「げほっ、げほっ……! な、なんだ、何が起きたんだ? おいらはいったい?」
ぶすぶすと脳天から焦げた煙を立ち上らせ、むくりと起き上がるまみお。
何が起きたかもわからず、焦げ臭い匂いにひたすら咳き込んでいる。
「おぉ……! 流石でございます! それでこそ、創造の女神の日和様……!」
その奇跡の様子を目の当たりにし、冥子は感嘆の声を漏らした。
まみおが無事に息を吹き返し、胸を撫で下ろして見えたのは冥子の素直な気持ちの現れに違いない。
神の命を奪うなど、みづきでなくとも冥子だってしたくない。
「無事かっ、まみおっ!?」
「うひぃっ!? ……なんだ、みづきか。何をそんなに血相変えてんだよ?」
身体を起こすと目の前に必死なみづきが迫っていたので、まみおは気絶しそうなほど驚いた。
その後のみづきの言葉や態度にも大層驚いていた。
「まみおー、良かったなぁ、無事に助かって……! 俺はもう駄目かと……」
「みづき……? そ、そっか、おいら、多々良様んとこの鬼に負けて……」
「日和が創造の術を使って、まみおの神格を元に戻してくれたんだよっ」
「日和様が……? おいらを……?!」
記憶が混濁するまみおが何があったかを思い出そうとしていると、傍らに座り込んで喜んでいたみづきは急に怒りだす。
胸ぐらを掴むみたいに、まみおが首から下げた赤布を乱暴に引き寄せた。
「馬鹿野郎っ! まみおがやられちまったら、まみおの守る里のことはどうするんだよ!? お小夜ちゃんたちが祀ってくれてた土地を見捨てるなっ! 第一、俺に勝てないのに、遙か格上の多々良さんのとこなんかに勝てる訳ないだろうがっ!」
何を言われたのかわからず、まみおは円らな瞳でぽかんとしていた。
みづきがやけに怒り散らしていて、それが何事かわかるまで少し掛かった。
「……みづき、おめえ、何でおいらの里やお小夜のことを……? いやっ、そんなことはいいっ! おいらにだって意地があるんだ! これ以上、天神回戦で負ける無様をお師匠様や村のみんなにさらせるもんかよ!」
掴まれた胸ぐらのみづきの手を振り払い、怒りの唸り声をウゥーッとあげる。
みづきは威嚇のまみおに構わず言った。
「ヤケになって簡単に投げ出すんじゃねえっ! 本当に守りたいものが大事なら、てめえの意地なんてどうだっていいだろうがっ! 日和なんてな、俺を身代わりにする卑怯をやってでも必死に生き残ろうとしたんだぞっ! 余裕もねえのになりふり構って、格好付けてんじゃねえよ!」
「……もう、それを言うでない……」
仰向けに寝転んだまま、それを聞く日和のため息はみづきたちには聞こえない。
ただ、シキを犠牲にするなど、神にあるまじき蛮行はまみおにはショックだったようである。
疑うことなくそれを信じ、狡猾な日和にまみおは戦慄した。
「うへぇ、本気かよ日和様……!? そこまでしなくちゃなんねえのか……!?」
一瞬、日和の恐ろしさに我を忘れたが、まみおは首をぶんぶんと振った。
「うるせえうるせえ、そうじゃねえんだ! おいらは自棄になってなんかねえ! 負けっぱなしは嫌だったんだよ! 多々良様んとことの試合はそのためだ。みづきよりも強くてうんと高い順位の神に勝てば、おいらのほうが凄いってなるだろ! そう思ったんだよ……!」
「馬鹿野郎! そんなに試合がしたきゃ、俺が何度だってやってやる!」
まみおなりの意地にみづきは真っ向ぶつかる。
顔を間近に近づけ叫んだ。
「俺だってまだまだこれからなんだ。とてもじゃないが上の順位の奴らには勝てる見込みがない。だけど、今は弱くたって、俺もまみおも弱い者同士ぶつかり合って強くなっていけるはずだっ! だからっ、諦めずに頑張ろうぜっ!」
「……みづき、おめえ何なんだよ? おいらみたいな狸の神に何でそんなにムキになってんだ? みづきがおいらに入れ込む理由がわからねえよ……」
シキではなく、人でもないまみおにはみづきの思いはわからなかった。
但し、それらのことは関係なく、みづき特有の事情がものを言わせていた。
「俺はまみおとの試合のお陰で強くなれたんだ。だから、まみおは俺の師匠みたいなもんなのさ。俺が勝手に気に掛けてるだけだから気にするなよ」
「なんだよ、それ……。わけわかんねえ……」
まみおのもたらした変化術が、地平の加護に著しい変化を与えた。
みづきの力は飛躍的に強くなり、それはそのまま朝陽を救う物語の助けになる。
知られざる胸の内にまみおは困惑するばかり。
しかし、みづきにとって、それはまみおを助ける理由とするには十分であった。
「日和様をこき使ってまで、おいらみてえなどうしようもねえ神を救ってよ……。哀れにでも感じたってのかよ……? へんっ、礼なんて言わねえからなっ!」
「俺は何もしてない。礼を言うなら日和にだ。哀れに感じたんでも何でもいい。命が助かったんだからもういいじゃないか。まみおだって、あのまま滅ぶ訳にはいかなかっただろう?」
「……そうだけどよぉ」
むくれた顔のまみおは、すぐ後ろのお地蔵様の顔をちらりと見た。
さっきまで悲しそうに歪めていた顔は、今はもう慈愛の笑顔に戻っていた。
あの時にお地蔵様に言われた言葉を思い出す。
まみおの半身たる石仏は、同じ声色で福音の縁を予言していた。
『日和様とそのシキ、みづきとの縁を大事になさい。此度の出会いは、人の子らと山の子らにきっと幸福をもたらしてくれるでしょう。そしてまみお、貴方にも』
自ら蒔いた種が災いして、危うく多々良に討滅され掛けた。
但し、みづきと日和と関わったために命を拾うことができた。
多々良でなくとも、他の強大な神と戦わなければならなくなるのは時間の問題だったろう。
そう思うのならば、今回は幸運だったと言えるかもしれない。
そもそも、無二の創造神たる日和の加護を授かり、復活できたなど最上の僥倖であったと言わざるを得ない。
みづきに感化されたがゆえの稀事である。
まみおは困惑した。
無い頭ではよく思考が働かない。
「ああもういいっ! おいら、頭が良くねえんだっ! あんまり小難しいこと考えさせんなってんだよっ! ……お前らっ、おいらの世界からさっさと出て行けっ!」
癇癪を起こした風にいきり立つと、どろんと煙をあげてまみおは姿を消した。
それと同時に、みづきたちを取り巻いていた夕焼けの峠道の世界も、白い煙幕をおびただしく巻き上げながら消えていくのであった。
「まみお……! ここは……?」
「追い出されちゃったみたいねえ、私たち」
目を丸くするみづきの隣、冥子も苦笑しながら言った。
そこは暗い夜の竹藪の中だった。生き物の気配はなく、風にざわめく笹葉の音が辺りを静まり返らせていた。
どうやらここはまみおの世界の中でも、自在に空間を隔絶させられる特殊な領域ということらしい。
だから、もうまみおとお地蔵様の姿はどこにもない。
「ほれみたことかなのじゃ。わかったろう、みづき。神に同情なぞ無用なのじゃ」
肩で息をしながら、倒れていた日和はようやく起き上がっていた。
またしても小さい身体に萎んでしまい、矮小な女神へと逆戻りである。
日和の嫌味に微苦笑するみづきは、いなくなったまみおを気にすることなく大声を張り上げた。
周りを見渡しながら、声高らかに呼びかける。
「まみおーっ! また俺と試合やろうなーっ!」
そして、次に自分が何を成すのかを宣言するように続けて叫んだ。
「そんで、まみおの仇はきっと俺が取ってやるからなーっ! 約束だーっ!」
そうして声を収めた後、並び立つ巨躯の鬼と目線を交わした。
お互いに不敵に笑い合う。
「……ふふっ、みづき。それ、私が居る前で言う台詞かしら?」
「話が早くていいだろ。冥子だって俺と試合したがってたじゃないか」
にやりと、好戦的に笑い返す冥子は心底嬉しそうだ。
とうとう相棒の馬頭鬼、牢太を負かしたみづきと相まみえる機会が巡ってきそうである。
多々良の意思はともかくとして、冥子は個人的にみづきの操る太極天の力に興味があった。
と、私情に浮かれる気持ちはさておき。
「それはいいとして、日和様にみづき」
打って変わり、その逞しい美形の顔が厳しい色を浮かべる。
「多々良様の御意志に横槍を入れて、我ら陣営の妨げとなったこの落とし前、どうつけてくれるのかしら? まさか、このままで済ますつもりじゃないわよね?」
冥子に与えられた使命は、潰えるまみおの魂を連れて行くことだった。
自分で助け船を出した手前だが、実質の邪魔立てをしたのはみづきと日和なのだから、その勝手な振る舞いの責任の是非を問わねばならない、という訳だ。
「悪かったよ。詫びが必要なら俺から謝りに行く。──日和、行こう」
「えっ! えぇ、私も……?」
言われるのが本気で予想外だったらしく、日和は驚いて嫌そうな顔をした。
冥子はため息交じりに笑う。
「日和様がまみお様をお救いになられたのでしょう? ならば、日和様から直々に多々良様へと申し開きをするのが筋かと思います。いくらみづきの願いを聞き届けたからといえ、よもやご自分は無関係の立場で、私やみづきのシキだけで話を付けよと申されるのですか?」
半ば呆れた風の冥子だったが、それも日和の性格をわかったうえである。
多少の非礼な物言いだろうと、この女神は気を悪くすることはない。
心より願えばまみおの魂を救ってくれるほどに慈悲深い。
夜宵が相手ではこうはいかないだろう。
「そっ、そんなことはないのじゃっ! 私がすすんでやったことじゃぞっ!」
案の定、慌てた様子で取り繕おうとする日和には失笑を禁じ得ない。
がっくりと肩を落とした情けない格好をして、日和は重い重いため息をつくのであった。
「はあーぁ……。行けばいいんじゃろう、行けばぁ……? 多々良殿にこっぴどく怒られりゃせんかのう……。とほほ、とほほ……」
親しみやすい創造の女神にして、日の明るきを司る陽の神、日和。
主たる多々良が長年の知己だと言うだけのことはある。
そして、今は隣に寄り添う面白いシキが居る。
「すまん、日和! 巻き添えを食わせちまって本当に申し訳ないが、もうちょっと俺に付き合ってくれ! 俺だけじゃどうにもならんのだ!」
「あー……。もう、わかっておるのじゃ、みなまで言うでない。みづきの我がまま、もとい、願いはとことんまで叶えてやろうなのじゃー」
拝むみづきに、やけくそに答える日和。
「ウフフッ……」
冥子は二人の掛け合いを好ましく思う。
玉砂利のシキとやらのみづき。
こんなシキは見たことがない。
多々良が興味を持ったとは聞いていたが、確かにおかしなシキで納得した。
そのみづきが冥子に振り向く。
「冥子、ちょっといいか? 大体、天眼多々良様はいったい何が目的なんだよ? 弱った神様にとどめを刺して回ってるそうじゃないか」
「──多々良様には多々良様のお考えがあるのよ。それを私の口から語るのは大変におこがましいことよ」
懐疑的なみづきの顔を見て、冥子は念を押して言った。
この二人には、多々良のことを悪く誤解して欲しくはないと思った。
「だけどね、みづきが思っているような卑劣なことだけは絶対にお考えではない。それだけは間違いないわ」
冥子の言葉に表情を変えないみづきは、ふぅむと唸る。
みづきとて、多々良の弱い者虐めは可能性の一つとして考えているに過ぎない。
弱った神の討滅後の世話を考えると、目的は別の所にありそうだ。
「直接、聞いたほうが早そうだな。詫びを入れに行く、いいついでだ」
「無礼千万に殴り込まれても困るわ。私が案内してあげるから着いてきなさいな。くれぐれもおとなしくするのよ」
冥子は大きな身を翻し、夜の竹藪の向こう側にある瞬転の鳥居へ向かう。
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まみおの領域を後にし、次に向かうのは天眼多々良の社である。
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