妖狐な許嫁が怖すぎるので、ヒロイン様にお任せしたいのですが(泣)

真弓りの

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千尋様、やっぱりご存知だったんですね。

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「私が千尋様に話した時点で規則違反になるので」

本当はそんな規則なんてないんだけど、絢香さんの依頼内容をいうわけにもいかないし、これ以外にうまく千尋の尋問を躱す手段も思いつかない。ここは頑なにこの路線で防御するしかない。

だからそんな怒った顔しても言いません。

う……傷ついた顔してもダメです、言いませんったら。

拗ねた顔もダメです……!

なによもう、妖気を封印した千尋様ってこんなに表情豊かなの? 心臓に悪いからそろそろ許して欲しいんですけど。

心の中で愚痴っていた私を百面相をしながら凝視していた千尋様は、急にハッとしたような顔をして、次いで真顔になった。

「もしや真白、その依頼の関係で絢香に尻尾を触らせたのか?」

「まさか!」

どんな依頼だ、それは!

ツッコミたいのはヤマヤマだったけど、私の返事に千尋様はまたも怒りの形相を露わにする。

「ではなぜ尻尾を触らせたりするのだ!」

「え、え、だって癒されるそうなので……減るものでもないですし」

そう言った瞬間の千尋様の形相ときたら。

仁王様が降臨したのかと思った。

「馬鹿者、そう簡単に触らせるヤツがあるか! お前は知らぬだろうがあの絢香というやつは男だ! 男なんだ! 二度と触らせてはならん、絶対にだ!」

あ、やっぱり千尋様、絢香さんが男の子だって事は分かってたんだ。そうだよね、分からない筈ないと思った。

という事はその上で千尋様は絢香さんを一族に招き入れようとしてるわけだから、それって相当の覚悟だと思う。

絢香さんにとっては災難としか言いようがないけど、千尋様が本気出したら絶対に逃げられない。

でも千尋様は女性になったら本当に美人だと思うのよ?

きっと玉藻御前や妲己様もかくやの美しさ、ちょっと見てみたいような怖いような。

ある意味お買い得というか、この恐怖に震える体でさえなければ本当は私がその立場になりたかったというか。

艶やかになるだろう姿を想像して千尋様のご尊顔を仰いでしまう。

……うん、絶対に綺麗だと思う。

絢香さんは「怖い」とか言ってたけど、きっと一目見たら惚れちゃうと思うなあ、確かに可愛い系じゃないけど、千尋様は今ですら思わずキュンとしちゃうくらい、儚げな笑顔が素敵な方なんだもの。

「お前が驚くのも無理はない。信じられないだろうが真白、とにかく約束してくれ。もう絢香には近寄らないと」

マジマジと千尋様を見ていたのを、千尋様は違う意味にとったらしい。頑張って私を説得しようとしてきた。

ただなあ。
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