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18. side シャーロット
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『僕のパートナーとして・・・』
シャーロットは、読みかけの本に挟んであった薔薇の栞を手にしつつ、キースの言葉を反芻した。
その言葉は嬉しいものだった。
けれど、果たして自分はそもそも彼のパートナーに相応しいと言えるのだろうか。
若く端麗な容姿をして、人が望むものは全てその手に持っているような彼には、自分よりももっと相応しい女性がいるのではないだろうか・・・。
いつまでも小さいような気がしていた彼は、いつの間にか、随分大人になっていた。
婚約者候補となったあの日から、キースと会う度に、自分の知らなかった新しい一面を見せられ、段々と一人の男性として彼に惹かれてゆく自分に気付く。
それと反比例するように、自分などが彼の傍に居ても良いのだろうかという思いも強くなった。
かつての自分は、弟としての彼の存在が当たり前すぎて、そんなことは少しも考えたことがなかった。
だが、今のシャーロットは、この年まで誰からもまともに結婚を申し込まれない程に何の魅力も持ち合わせていない自分が、何の掛け値もなく彼を独占しても良いのだろうかという疑問で頭が一杯だった。
◇
「あら、もうすぐだわ・・・」
来週は、王宮で女官の見習いをしている末の妹レティシアが休みを貰って帰ってくる。
まだ大分先の事だと思っていたが、最近色々ありすぎて日付の間隔がおかしくなっていたようだ。
別段、妹が働きに出なくては家が回らないというような経済状況では無かったが、彼女は、婚姻にとらわれず手に職をつけて自由に暮らしたいという理由で、今の仕事に就くことを選んだのだった。
年頃の子息がいる貴族から、レティシアを紹介してほしいという話も時々来るが、本人が望まないので勿体ないと思いつつ断っていた。
それに、彼女なら、もし途中で気が変わって結婚したいと思ったとしても、直ぐに相手は見つかるだろうという思いもあった。
レティシアは父譲りの金の髪と華やかな顔立ちで、姉の贔屓目を差し引いても魅力的な娘だった。
もし妹のような華やかさを持っていたら、自分はこんな年まで売れ残らず、キースに残り物を押しつけるような破目にならずに済んだのだろうか、とシャーロットは思った。
シャーロットは、読みかけの本に挟んであった薔薇の栞を手にしつつ、キースの言葉を反芻した。
その言葉は嬉しいものだった。
けれど、果たして自分はそもそも彼のパートナーに相応しいと言えるのだろうか。
若く端麗な容姿をして、人が望むものは全てその手に持っているような彼には、自分よりももっと相応しい女性がいるのではないだろうか・・・。
いつまでも小さいような気がしていた彼は、いつの間にか、随分大人になっていた。
婚約者候補となったあの日から、キースと会う度に、自分の知らなかった新しい一面を見せられ、段々と一人の男性として彼に惹かれてゆく自分に気付く。
それと反比例するように、自分などが彼の傍に居ても良いのだろうかという思いも強くなった。
かつての自分は、弟としての彼の存在が当たり前すぎて、そんなことは少しも考えたことがなかった。
だが、今のシャーロットは、この年まで誰からもまともに結婚を申し込まれない程に何の魅力も持ち合わせていない自分が、何の掛け値もなく彼を独占しても良いのだろうかという疑問で頭が一杯だった。
◇
「あら、もうすぐだわ・・・」
来週は、王宮で女官の見習いをしている末の妹レティシアが休みを貰って帰ってくる。
まだ大分先の事だと思っていたが、最近色々ありすぎて日付の間隔がおかしくなっていたようだ。
別段、妹が働きに出なくては家が回らないというような経済状況では無かったが、彼女は、婚姻にとらわれず手に職をつけて自由に暮らしたいという理由で、今の仕事に就くことを選んだのだった。
年頃の子息がいる貴族から、レティシアを紹介してほしいという話も時々来るが、本人が望まないので勿体ないと思いつつ断っていた。
それに、彼女なら、もし途中で気が変わって結婚したいと思ったとしても、直ぐに相手は見つかるだろうという思いもあった。
レティシアは父譲りの金の髪と華やかな顔立ちで、姉の贔屓目を差し引いても魅力的な娘だった。
もし妹のような華やかさを持っていたら、自分はこんな年まで売れ残らず、キースに残り物を押しつけるような破目にならずに済んだのだろうか、とシャーロットは思った。
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