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22.一方通行
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先日、キースがシャーロットのために選んだ夜会用のドレスが、伯爵家へと届けられた。
シャーロットと一緒に、確認に立ち会うレティシア。
鮮やかな群青色に銀糸で精緻な刺繍が施されたドレス。
それと同系色でコーディネートされた、さりげないけれども上質なものだと一目で判る装身具。
それを見たレティシアは、無言で笑みを浮かべた。
・・・すごい独占欲だわ。
全部、キース様の瞳の色・・・!
これを見ただけでキース様がお姉様にどれ程の思いがあるのか解る気がするわ・・・。
ここまでする程、お姉様に虜だなんて、清々しい。
◇
ドレスを前にしたシャーロットは、物憂げに呟いた。
「デザイン画で見た時よりも、実物の方が素晴らしいわ。でも、こんな高価な物を贈ってくれるなんて・・・。私なんかの為に、本当に良かったのかしら・・・」
・・・お姉様、鈍すぎるわ。
この期に及んで、彼の熱い思いが十分に伝わっていない様子の姉を見ていると、レティシアはキースが不憫に思えてくるのだった。
◇
その夜、眠れなかったシャーロットは、窓の外の月をぼんやりと眺めながら考え事をしていた。
キースが贈ってくれたドレスはとても美しくて豪華なものだったけれども、本当に自分がこれを着ても良いのだろうか。
彼に無駄な散財をさせただけなのではないだろうか。
キースはその立場上、仕方なくシャーロットにドレスを贈ったのだろう。
けれど、本心では、これを身に着けたレティシアと共に夜会に出席したいと思っているに違いない。
シャーロットは、着飾った二人が並んでいる様子を思い浮かべると心が痛んだ。
だが、これまで不運続きしかなかったのだから、彼との最後の思い出に一度ぐらい良い思いをしても、きっと罰は当たらないだろうとシャーロットは思うことにしたのだった。
シャーロットと一緒に、確認に立ち会うレティシア。
鮮やかな群青色に銀糸で精緻な刺繍が施されたドレス。
それと同系色でコーディネートされた、さりげないけれども上質なものだと一目で判る装身具。
それを見たレティシアは、無言で笑みを浮かべた。
・・・すごい独占欲だわ。
全部、キース様の瞳の色・・・!
これを見ただけでキース様がお姉様にどれ程の思いがあるのか解る気がするわ・・・。
ここまでする程、お姉様に虜だなんて、清々しい。
◇
ドレスを前にしたシャーロットは、物憂げに呟いた。
「デザイン画で見た時よりも、実物の方が素晴らしいわ。でも、こんな高価な物を贈ってくれるなんて・・・。私なんかの為に、本当に良かったのかしら・・・」
・・・お姉様、鈍すぎるわ。
この期に及んで、彼の熱い思いが十分に伝わっていない様子の姉を見ていると、レティシアはキースが不憫に思えてくるのだった。
◇
その夜、眠れなかったシャーロットは、窓の外の月をぼんやりと眺めながら考え事をしていた。
キースが贈ってくれたドレスはとても美しくて豪華なものだったけれども、本当に自分がこれを着ても良いのだろうか。
彼に無駄な散財をさせただけなのではないだろうか。
キースはその立場上、仕方なくシャーロットにドレスを贈ったのだろう。
けれど、本心では、これを身に着けたレティシアと共に夜会に出席したいと思っているに違いない。
シャーロットは、着飾った二人が並んでいる様子を思い浮かべると心が痛んだ。
だが、これまで不運続きしかなかったのだから、彼との最後の思い出に一度ぐらい良い思いをしても、きっと罰は当たらないだろうとシャーロットは思うことにしたのだった。
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