妹に婚約者を奪われたけど、婚約者の兄に拾われて幸せになる

最終話

　エミリアはマルスと共に新たな生活を築き、自分の価値と幸せを見出していた。マルスの屋敷で働きながら、彼女は絵画に情熱を注ぎ、自分自身を表現する術を見つけていた。マルスとの深まる絆は、彼女に安定と愛を与えていた。彼女の心はかつての苦しみから解放され、自立と自己実現へと向かっていた。


「こんなにも楽しいなんて」と、エミリアは心の中で感謝の気持ちを抱いた。彼女は過去の苦しみやリリアナとの関係の断絶を乗り越え、自分自身の真の価値を見出していた。

　マルスがそっと彼女の隣に座り、エミリアの描いている絵を見つめた。

「君はいつ見ても楽しそうだね」

　マルスは語った。彼の言葉には、エミリアへの深い尊敬と愛情が込められていた。

　エミリアは微笑みながら答えた。

「マルスさんがいてくれたおかげで、私はこんなにも成長できたのですから」

　彼女は自分の感情や経験を絵に込めることで、過去の痛みから解放され、新しい自分を受け入れることができた。

　マルスは彼女の肩に優しく手を置き、

「エミリア、君は自分の道を見つけたんだ。これからも一緒に歩んでいこう」

　彼の存在はエミリアにとって大きな支えであり、彼女の心の平和と成長に大きく貢献していた。

　エミリアは自分を見つめながら、内面の平和と充足感を感じていた。過去の辛い記憶は彼女の心を通じて癒され、マルスとの関係は彼女に新たな力を与えていた。彼女の心はかつてないほどの安定と幸福を感じていた。




　一方、リリアナはマルナールとの関係に疲弊し、自分の選択に疑問を持ち始めていた。彼女はエミリアを妬み、傷つけることで自分の地位を高めようとしていたが、それは彼女自身を孤独と不幸へと導いていた。リリアナはマルナールとの関係が予想外の結果をもたらし、彼の浅はかさに失望していた。彼女の心は未解決の感情と後悔に満ちていた。



　エミリアがマルスと共に公園を散歩しているシーンで終わる。彼らは手をつなぎ、互いに支え合いながら歩いていた。エミリアの表情は穏やかで、彼女は過去を乗り越え、新しい未来に向かって進んでいた。

「私たちはこれからも一緒に幸せを築いていきましょう！」

　マルスに微笑みかけた。



　リリアナは公園の反対側で一人佇んでいた。彼女はエミリアとマルスの幸せそうな姿を遠くから見つめ、自分の選択を深く反省していた。

「もし、違う選択をしていたら」

　つぶやきながら、一人、未来への不安とともに立ち去っていった。

　エミリアは幸せだった。リリアナは堕落していく一方だったが。これが選択の結果だろう。