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1 四年目の片想い
第七話
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ホームルームを終えると放課後である。掃除当番をこなし、聖利は自習室へ向かう。寮の部屋でも勉強はできるが、もし來がいれば緊張してしまう。ふたりきりになる時間は少ない方がいい。
無心に勉強をこなし、気づけば夕食の時刻が迫っていた。部活をやっている生徒も後片付けをする時刻だ。
聖利は荷物をまとめ、立ち上がった。自習室を出て、寮へ向かう道すがら呼び止められた。
「楠見野、ちょっといいか?」
小村という同級生だ。中等部三年時に同じクラスだったが、今年は理系と文系で別のクラスである。校舎横の植え込み付近に移動すると、小村が赤い顔で切りだした。
「あのさ、楠見野って付き合ってるヤツいる?」
「いないよ」
間髪入れず答えた。頭の中では、どういうシチュエーションかすでにわかっていた。こういったことは中等部時代から、何度か経験済みである。
「好きなヤツは?」
「いない。女子と知り合える環境じゃないから」
「女子……まあそうだよな」
小村がぼそりと呟いた。
過去の類似シチュエーションでは、“女子”という単語でこの先の言葉を思いとどまってくれた者もいた。しかし、小村は伝えることにしたようだ。顔をあげ、熱心に聖利を見つめて言葉を続ける。
「気持ち悪いかもしんないけど、俺、楠見野のこと好きなんだよね……。その、付き合うとかは……考えらんないかな?」
聖利はいつも用意しているセリフをはっきりと口にした。
「ごめん。今は学校生活のこと以外は考えられないんだ」
「そっか……そうだよな。変なこと言って悪かった。高等部でクラス離れて、ちょっと焦ったっていうか。忘れて」
小村のあきらかに傷ついた顔に切ない気持ちになる。聖利は小村の勇気を称えたかった。自分は決して口にすることのない気持ちを、彼はきちんと言葉で伝えたのだから。
「できたら、これからも同級生って感じで接してくれると助かるよ……」
「何言ってんだ。当たり前だろ。小村にそんなふうに想ってもらえて、光栄だったよ」
聖利は手を差し出した。小村と固く握手を交わし、先に歩き出す。彼には少しひとりになる時間が要るだろう。
自室に戻って鞄の中身を整理していると、來が入ってきた。
この時間に部屋でかち合うのはめずらしい。
無心に勉強をこなし、気づけば夕食の時刻が迫っていた。部活をやっている生徒も後片付けをする時刻だ。
聖利は荷物をまとめ、立ち上がった。自習室を出て、寮へ向かう道すがら呼び止められた。
「楠見野、ちょっといいか?」
小村という同級生だ。中等部三年時に同じクラスだったが、今年は理系と文系で別のクラスである。校舎横の植え込み付近に移動すると、小村が赤い顔で切りだした。
「あのさ、楠見野って付き合ってるヤツいる?」
「いないよ」
間髪入れず答えた。頭の中では、どういうシチュエーションかすでにわかっていた。こういったことは中等部時代から、何度か経験済みである。
「好きなヤツは?」
「いない。女子と知り合える環境じゃないから」
「女子……まあそうだよな」
小村がぼそりと呟いた。
過去の類似シチュエーションでは、“女子”という単語でこの先の言葉を思いとどまってくれた者もいた。しかし、小村は伝えることにしたようだ。顔をあげ、熱心に聖利を見つめて言葉を続ける。
「気持ち悪いかもしんないけど、俺、楠見野のこと好きなんだよね……。その、付き合うとかは……考えらんないかな?」
聖利はいつも用意しているセリフをはっきりと口にした。
「ごめん。今は学校生活のこと以外は考えられないんだ」
「そっか……そうだよな。変なこと言って悪かった。高等部でクラス離れて、ちょっと焦ったっていうか。忘れて」
小村のあきらかに傷ついた顔に切ない気持ちになる。聖利は小村の勇気を称えたかった。自分は決して口にすることのない気持ちを、彼はきちんと言葉で伝えたのだから。
「できたら、これからも同級生って感じで接してくれると助かるよ……」
「何言ってんだ。当たり前だろ。小村にそんなふうに想ってもらえて、光栄だったよ」
聖利は手を差し出した。小村と固く握手を交わし、先に歩き出す。彼には少しひとりになる時間が要るだろう。
自室に戻って鞄の中身を整理していると、來が入ってきた。
この時間に部屋でかち合うのはめずらしい。
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