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4 優しくしなくていい
第六話
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言葉は返ってこなかった。
代わりにシャワーの中に飛び込んできた來が聖利の身体を抱き寄せる。降りそそぐ湯など構っている暇はないとばかりに強引に口づけられた。
「うっ、んんっ」
最初から奥深くまで差し入れられる舌は熱く、生物のようにうねって聖利を蹂躙する。内側がじんと滲むような感覚。いきり立ち、限界の近かったペニスが震え、キスだけでびゅくびゅくと白濁を巻き散らした。
「甘ったるい匂いさせやがって。鍵くらいかけろ、この馬鹿」
怒りながらも聖利の肌を指と舌でたどる來。耳朶を噛まれて聖利はびくんと身体を跳ね上げさせた。
「匂いなんか……! 抑制剤は効いてる……」
「じゃあ、なんで俺にはここがわかった? おまえの匂いをたどってここに来たんだぞ?」
來が狂おしく唸り、聖利の首筋をべろりと舐め上げた。噛みついてしまいたいという情念が伝わってくる。吐精したばかりなのに、來の香りに反応して聖利の中心はすで硬く勃起していた。隠したいけれど、一糸まとわぬ状態では隠すことができない。
「聖利だって反応してる。欲しくて欲しくてたまらないって身体は言ってんじゃねえか」
「これは……!」
「誰のこと考えて抜いてた? なあ。聖利は誰を想像してするんだ? こんなに大きくして」
來の手が聖利の腹をたどり下腹部の柔らかな繁みに到達する。薄い毛の流れをなぞり、そのままペニスの先端に指先が触れた。
「あっ! ああっ!」
激しくのけぞり叫ぶ聖利を逃すまいと來が抱きとめた。さらに大きく骨ばった手でペニスを包み込み、上下に扱きだす。
「ああっ、いやっ、いやだ! 來っ!」
「なあ、誰のこと考えて擦んの? あの顔の綺麗な生徒会長か? それとも男っぽい高坂寮長か? おまえの好みはどのアルファだよ。誰に抱かれることを想像してんの?」
「やめ、……何も、そんなことっ!」
「教えろよ、聖利。なあ、ほら、そいつの名前呼んでいいから。目をつぶって、そいつにされてると思えよ」
意地悪な言葉に涙が滲んできた。追い詰められ、勝手にどんどん反応していく身体。何も知らないのに、聖利を貶める來。ひどい。こんな男のことをどうして好きなんだろう。
「聖利、言えよ。誰のこと考えてた?」
「らい……」
意趣返しだ。こうなったらとことんやってやろう。涙の滲む目で聖利は來を見つめる。
「來のこと、考えて……してた」
來が動きを止める。切れ長の美しい瞳が見開かれ、口元も呆けたように薄く開いた。
次の瞬間、來の顔がぶわっと赤くなった。見たことのない表情は、あきらかな狼狽。
聖利は潤んだ目を細め、いやいやするように首を振って訴える。
「意地悪だ、來……。僕は、おまえにしか触れられたことがない……。それを思いだしてしまうのはおかしいか?」
「いや……」
焦ればいい。気まずくなればいい。そして、この一撃で正気に戻ってほしい。
本格的なヒートではないのだ。來はきっと正常な判断ができる。好きでもないオメガと、こんなことをするのは違うと気づける。
來の胸をどんと押す。涙がこぼれた。
「僕だってオメガである前に普通の男だ。処理くらいするし、おまえに迷惑はかけてない。わかったら行ってくれ」
しかし、來は動かない。シャワールームから押し出そうとさらに強く胸を押すと、來が聖利の腕を掴んだ。開いた片手でシャワーの湯を止め、聖利をバスルームの壁に追い詰める。そして、再び抱きすくめた。
「來!」
「……処理、手伝ってやる」
耳元に響く低くかすれた声。來がどんな顔をしているのかわからない。
代わりにシャワーの中に飛び込んできた來が聖利の身体を抱き寄せる。降りそそぐ湯など構っている暇はないとばかりに強引に口づけられた。
「うっ、んんっ」
最初から奥深くまで差し入れられる舌は熱く、生物のようにうねって聖利を蹂躙する。内側がじんと滲むような感覚。いきり立ち、限界の近かったペニスが震え、キスだけでびゅくびゅくと白濁を巻き散らした。
「甘ったるい匂いさせやがって。鍵くらいかけろ、この馬鹿」
怒りながらも聖利の肌を指と舌でたどる來。耳朶を噛まれて聖利はびくんと身体を跳ね上げさせた。
「匂いなんか……! 抑制剤は効いてる……」
「じゃあ、なんで俺にはここがわかった? おまえの匂いをたどってここに来たんだぞ?」
來が狂おしく唸り、聖利の首筋をべろりと舐め上げた。噛みついてしまいたいという情念が伝わってくる。吐精したばかりなのに、來の香りに反応して聖利の中心はすで硬く勃起していた。隠したいけれど、一糸まとわぬ状態では隠すことができない。
「聖利だって反応してる。欲しくて欲しくてたまらないって身体は言ってんじゃねえか」
「これは……!」
「誰のこと考えて抜いてた? なあ。聖利は誰を想像してするんだ? こんなに大きくして」
來の手が聖利の腹をたどり下腹部の柔らかな繁みに到達する。薄い毛の流れをなぞり、そのままペニスの先端に指先が触れた。
「あっ! ああっ!」
激しくのけぞり叫ぶ聖利を逃すまいと來が抱きとめた。さらに大きく骨ばった手でペニスを包み込み、上下に扱きだす。
「ああっ、いやっ、いやだ! 來っ!」
「なあ、誰のこと考えて擦んの? あの顔の綺麗な生徒会長か? それとも男っぽい高坂寮長か? おまえの好みはどのアルファだよ。誰に抱かれることを想像してんの?」
「やめ、……何も、そんなことっ!」
「教えろよ、聖利。なあ、ほら、そいつの名前呼んでいいから。目をつぶって、そいつにされてると思えよ」
意地悪な言葉に涙が滲んできた。追い詰められ、勝手にどんどん反応していく身体。何も知らないのに、聖利を貶める來。ひどい。こんな男のことをどうして好きなんだろう。
「聖利、言えよ。誰のこと考えてた?」
「らい……」
意趣返しだ。こうなったらとことんやってやろう。涙の滲む目で聖利は來を見つめる。
「來のこと、考えて……してた」
來が動きを止める。切れ長の美しい瞳が見開かれ、口元も呆けたように薄く開いた。
次の瞬間、來の顔がぶわっと赤くなった。見たことのない表情は、あきらかな狼狽。
聖利は潤んだ目を細め、いやいやするように首を振って訴える。
「意地悪だ、來……。僕は、おまえにしか触れられたことがない……。それを思いだしてしまうのはおかしいか?」
「いや……」
焦ればいい。気まずくなればいい。そして、この一撃で正気に戻ってほしい。
本格的なヒートではないのだ。來はきっと正常な判断ができる。好きでもないオメガと、こんなことをするのは違うと気づける。
來の胸をどんと押す。涙がこぼれた。
「僕だってオメガである前に普通の男だ。処理くらいするし、おまえに迷惑はかけてない。わかったら行ってくれ」
しかし、來は動かない。シャワールームから押し出そうとさらに強く胸を押すと、來が聖利の腕を掴んだ。開いた片手でシャワーの湯を止め、聖利をバスルームの壁に追い詰める。そして、再び抱きすくめた。
「來!」
「……処理、手伝ってやる」
耳元に響く低くかすれた声。來がどんな顔をしているのかわからない。
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