俺の親友がモテ過ぎて困る

くるむ

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もうフリじゃない

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「可愛い由羽人。ホント……好きだ」

気が付いた時には、俺は陽翔の腕の中だった。
ボーッとした頭で分かるのは、陽翔が俺を優しく包むように抱きしめてくれているってことだけ。トクントクンと重なり合うように響きあう、俺と陽翔の心音が心地いい。

「はる……ひ」
「うん?」

腕の中に閉じ込められているおかげで、俺の声もくぐもって聞こえる。
陽翔が俺の体をそっと開放して体を離した。


綺麗で色っぽい……、それでいて幸せそうに微笑む陽翔がこちらをじっと見つめている。

親友が見せる、久しぶりの表情。

ホッとした。
陽翔がやっと俺の所に戻ってきてくれたんだと思えた。


「由羽人……」

陽翔の手が俺の頬に伸びる。
そしてその指が、愛しいものを撫でるように何度も何度も優しく動く。


「恋人だな。もう友達なんかじゃない……、由羽人は俺の恋人だ」
「あ……」

綺麗な顔、色っぽい唇から発せられたという言葉。

しばらく現実味を帯びなくて、口を開けたままポカンとする。
ポカンとして……、


脳裏に浮かんだのは陽翔に仕掛けた不器用過ぎる下手くそなキス。



うわーーーーっ!!

そそそ、そうだよ俺。
陽翔に大声で好きだって言ってその後……!

「あー! もう、由羽人、なんて可愛いんだお前!」

ムギューッと再度抱きしめられて、あわあわと慌てふためく。
そんな俺の視界に入って来たのは、身支度を終えて苦笑いをしている蒼空だった。


教室には陽翔と俺、そして蒼空以外には、もう誰もいなかった。


「陽翔、由羽人、邪魔だろうからもう行くぞ」

「あ、そ……蒼空!」
慌てて『待って』と言おうと伸ばした手を握って、陽翔が言葉をかぶせた。
「うん、心配かけてごめんな。明日な!」

「おう!」
陽翔の言葉に蒼空も嬉しそうに笑って、手を振って教室を出て行った。



残されたのは俺と陽翔の2人だけ。


「由羽人……」

優しく呼ばれてトクンと心臓が波打つ。

真っ直ぐ俺を見る陽翔のその瞳は、見たこともないほど真剣な物だった。
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