5回も婚約破棄されたんで、もう関わりたくありません

くるむ

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プロローグ

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 この世界では、5000年ほど前に女性特有の病が流行し多くの命が断たれた。それにより女性の人口が激減し、それに伴い人口も減少した。その状態が長いこと続いたおかげで思わぬ方向に進化し、女性でも男性でも誰でも子供が産めるような体になった。その結果同性婚も当たり前になり、王族で同性婚をすることも当たり前な時代になっていた。
 これはそんな時代の、数奇な人生をおくった一人の男の話。



「すまない。君との婚約を破棄したい」
 王立ハイスランド学園の卒業パーティーの真っ最中、俺はクラーク公爵家の長男ルーク・クラークに呼ばれ、そう言われた。
 ああ、やっぱりと思った。ぼくはこの場面をもう5回も経験している。しかも2回目の人生からは、この卒業パーティーの朝からのやり直しだ。そして決まってこの後のぼくは、不幸な最期を遂げている。今回もきっとそうなのだろう。ぼくは今日また巻き戻って目覚めて、絶望を感じた。

「分かりました。覚悟はしてましたから」
 ぼくがそういうと、ルークは少し不思議そうな顔をして、それからすまないと呟いた。
 
 だって、もうそう言うしかないだろう? 2度目と3度目の巻き戻りの時はぼくも一生懸命抗って、なんとか結婚までこぎつけようとした。だけど結局みんなの反感を買っただけで何もいいことはなかった。 3度目なんて知らない奴に暗殺されて終わった。

 待たせていた馬車でぼくは侯爵家に帰り、両親に婚約を破棄されたことを告げた。皆一様に驚き落胆したがぼくが気丈に振る舞っているのを見て攻めることはしなかった。
 部屋に入ってため息をつく。どうしたらこの堂々巡りから抜け出せることができるんだろう。この後の人生もしょうもないことになるのなら、いっそ身分を捨てて家を出るか?

 ハッとした。これは今までにはない考え方じゃないのか? 何の根拠もないけど、それが一番いい方法かと思えた。
 思い立ったが吉日だ。ぼくは家を出る準備をしようと勢いよく立ち上がった。
 !?

 ぐらりと体が揺れて、誰かに後ろから意識を思いっきり引っ張られているような気持ち悪い感覚に陥った。嘘だろ、巻き戻りだ。早くないか?なんで?

 
 気がついたらぼくは、ベッドの上で朝を迎えていた。
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