5回も婚約破棄されたんで、もう関わりたくありません

くるむ

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お茶会に参加

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 両親は、公爵家の婚約者になれれば言うことない、そうでなければせめて、側近候補は無理だろうから純粋な友人になってくれればいいと思っているようだった。クラーク公爵家と縁ができるのは、この家にとっても利があることだからだ。
 
 ハーブやバラの花びらが浮かんだ、いつもよりいい香りのするバスタブにつかり、侍女達に服を整えられた。
「よく似合ってるな」
「いつも素敵だけど、今日はもっと素敵よ」

 できれば婚約者候補にという思いからだろう。以前もそうだったが、服はいつもはついていないフリルの多いブラウスだ。

「ノエルの金茶色の髪によく似合ってるな」
 
 お兄様が目を細めながら言う。お兄様はぼくに甘いのでひいき目だ。
 ぼくは何とも言えなくて、曖昧に微笑んだ。

 本当は家族に何もかもぶちまけて婚約者にならないように協力してもらいたい。だけど、前回巻き戻った時にそれをやったところで皆から頭がおかしくなったんじゃないかと心配されて終わっただけだった。だからもう、ぼくの中でその選択肢はなかった。
 自分を救えるのは自分しかいないんだ。

 ため息をついても仕方がないので諦めて、ぼくはクラーク公爵家の茶会へと参加した。



 一度参加したことがあるので分かっていたけれど、公爵家の茶会は相当な規模だった。茶会の場となっている庭園には、同じ年頃の大勢の令嬢や令息らがわんさかいる。

 こんなに人がいるのなら、何もぼくがルークの目に留まる必要もないのではないだろうか。挨拶してもしなくても、きっとわからないはずだ。
 そう思ったら一気に緊張がほぐれた。おいしそうな焼き菓子も置いてあるし。せっかく来たんだから公爵家の美味しいお菓子を堪能して帰るというのも一つの手だろう。

「ノエル様!」

 焼き菓子につられて歩いて行くぼくを呼び止めたのは、ロビンソン伯爵の次男アーネストだった。彼は10歳にしては大きな体で、手を振りながらこちらに駆けてくる。
 彼はこの茶会でルークの友人候補になるべく参加したのだろう。前もそうだったから。
 だけどぼくの記憶だと、彼はハロルド兄様と同じく第二王子の側近となっていた。だから多分、今回もここでは縁がないはずだ。

「相変わらずの凛々しさですね」
「それはアーネストのほうだろう? ぼくなんてきゃしゃだし、全然ダメだよ」
「そんなことないです。キリッとしてます」

 アーネストの顔はいたって真面目だった。きっと嘘はついていない。
 真面目で根のいい奴だが、こいつにはこういう変な感覚があるんだ。

 アーネストは、ぼくが家族以外で最も信頼できる大事な友人だ。
 ぼくが婚約破棄された時もそのたびに、家族以外で本気でルークに怒ってくれたのは彼だけだった。ずっと言えずにいるけれど、ぼくは彼に本当に感謝してるんだ。

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