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第一章【それぞれの冒険】
case3❲その名はピット・ハート・ブレイバー❳
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1987年4月。
あたしはエリア・ハート・ブレイバー。16歳の銀髪のショートヘヤー、黒いショートパンツ、黒いシャツに黒の帷子姿と黒づくめの服装をしている。白づくめの服装のキャルとは正反対だけど、キャルはあたしの大事な親友である。
そのキャルがあたしの胸元で泣いていた。キャルは昔から泣き虫で、すぐに泣く。ほぼ毎日ちょっとした事で泣く。泣き虫の女神様と言われる位の泣き虫だ。
ここはアールド王国の城下町にある喫茶店の中で、店の名は〈赤槍の剣士亭〉と言い、若い衆がよく利用している。
「いつまで泣いてんだよ?キャルのモンブラン食べちゃうよ」
あたしとキャルの前に座るアストが、テーブルにあるキャルのモンブランケーキを食べようとすると、あたしは間髪入れずにアストの顔面を殴った。
「てめぇ、殺すぞ!」
あたしのドスの入った言葉に廻りの客達がドン引きする。
このテーブルにはあたし……エリアとキャル、鼻血を出しながら悶絶するアストと、アストの横にもうひとり男がいる。
もうひとりの男はあたし、165センチの身長と同じ、体格も似ていて、更に髪の色も同じ。それでいて女子にも一瞬見間違う程の美しさがある。
それはそうよね。だってあたしと顔もそっくりだし……
彼の名は、ピット・ハート・ブレイバー。あたしの双子の弟。
弟、ピットはあたしの目の前で沢山のケーキやドーナツを一心不乱に下品に食べている。
「ねえ、ピット?聞いているの?」
「…………」
ピットは食べる事に夢中であたしの言葉が耳に入らない。あたしは額に怒りマークを浮かべながら、ピットの髪を掴み、テーブルへと頭を叩きつけた。
「おらぁ!聞いてんのか!?クズカスがぁ!」
ちなみにあたしはキレやすい性格で、特に3バカトリオ、つまりアスト、パラガス、そして目の前でヒクヒクしているピット達には手が出る、足が出る。
そういえばあと、中学まで一緒だったクラスの男子達にもよくキレてたなぁ……。特に希……
「おい……プッツン姉……、オイの食事、邪魔して……、生きて帰れると思ってんのか!?ゴラァ!表出ろ!」
「上等だぁ!血祭りにしてやんよ!」
あたしとピットの姉弟喧嘩は、ほぼ毎日。事ある事にすぐに喧嘩。用はバイオレンス姉弟なのだ。
で、決まって喧嘩はすぐに終了する。
「もう、やめてよ。やめないと泣いちゃうよ」
……と、キャルが仲裁に入って、お決まりの言葉で終了。これが毎日の日課である。
毎日の日課、つまりは何もない日常。だったのだけど今日は違う。
国王ルイ……、ジイジイがなんかとんでもない事を言ってきたから……
「で、明日の朝には国を出て、サーカッシュの洞窟って所に行くんだけど……」
あたしの切り込みにキャル、アスト、ピットが無言で、あたしの言葉を聞いた。
「WEGSも同伴?」
「それはそうだよ、洞窟まで五十キロは離れてるから」
アストが答えると、目が真っ赤なキャルも頷いた。
WEGS、本来なら母なる地球から転移された能力者の専用機なんだけど、あたし達六人にも使用が許可された。
あたし達はあの有名な那賀龍神の三十人の教え子。その全員があらゆる能力の持ち主。
あたし達六人は他の二十四人とは違い、龍地球生まれ。それでいて国王ルイの計らいで、あたし達は那賀龍神の生徒となったんだ。
那賀先生。あたし達三十人の生徒全員が、那賀先生を慕い、とっても好きな先生だった。
サーカッシュの洞窟に行く理由。那賀先生の事に関して……、理由は解らない。けど行かなくてはならない。
「WEGSはオーケー。問題は……」
「ミレア……か……」
その言葉にアストとピットがため息を吐いた。
「ミレアって、まだ寝てるよね?」
「大丈夫か?パラガスひとりで……」
アストとピットの呟く声にキャルが、再び泣きだそうとしていた。
その時、店の入り口からひとりの男が入って来て、店内に居る全ての人々が悲鳴をあげた。
「……ダメだったか……」
アストがため息を吐き、キャルが再び泣きだす。
「パラガス、お前、ハデにやられたなぁ!ハッハハ!」
「お前、顔の形が変型してるぞ」
ピットの豪快な笑いにあたしはパラガスに同情した。
パラガスはミレアと言う女子を誘いに行ったが、返り討ちにあい、全身血まみれ、顔の形も変わり、まるで動く死体のような姿になっていた。
あたしはエリア・ハート・ブレイバー。16歳の銀髪のショートヘヤー、黒いショートパンツ、黒いシャツに黒の帷子姿と黒づくめの服装をしている。白づくめの服装のキャルとは正反対だけど、キャルはあたしの大事な親友である。
そのキャルがあたしの胸元で泣いていた。キャルは昔から泣き虫で、すぐに泣く。ほぼ毎日ちょっとした事で泣く。泣き虫の女神様と言われる位の泣き虫だ。
ここはアールド王国の城下町にある喫茶店の中で、店の名は〈赤槍の剣士亭〉と言い、若い衆がよく利用している。
「いつまで泣いてんだよ?キャルのモンブラン食べちゃうよ」
あたしとキャルの前に座るアストが、テーブルにあるキャルのモンブランケーキを食べようとすると、あたしは間髪入れずにアストの顔面を殴った。
「てめぇ、殺すぞ!」
あたしのドスの入った言葉に廻りの客達がドン引きする。
このテーブルにはあたし……エリアとキャル、鼻血を出しながら悶絶するアストと、アストの横にもうひとり男がいる。
もうひとりの男はあたし、165センチの身長と同じ、体格も似ていて、更に髪の色も同じ。それでいて女子にも一瞬見間違う程の美しさがある。
それはそうよね。だってあたしと顔もそっくりだし……
彼の名は、ピット・ハート・ブレイバー。あたしの双子の弟。
弟、ピットはあたしの目の前で沢山のケーキやドーナツを一心不乱に下品に食べている。
「ねえ、ピット?聞いているの?」
「…………」
ピットは食べる事に夢中であたしの言葉が耳に入らない。あたしは額に怒りマークを浮かべながら、ピットの髪を掴み、テーブルへと頭を叩きつけた。
「おらぁ!聞いてんのか!?クズカスがぁ!」
ちなみにあたしはキレやすい性格で、特に3バカトリオ、つまりアスト、パラガス、そして目の前でヒクヒクしているピット達には手が出る、足が出る。
そういえばあと、中学まで一緒だったクラスの男子達にもよくキレてたなぁ……。特に希……
「おい……プッツン姉……、オイの食事、邪魔して……、生きて帰れると思ってんのか!?ゴラァ!表出ろ!」
「上等だぁ!血祭りにしてやんよ!」
あたしとピットの姉弟喧嘩は、ほぼ毎日。事ある事にすぐに喧嘩。用はバイオレンス姉弟なのだ。
で、決まって喧嘩はすぐに終了する。
「もう、やめてよ。やめないと泣いちゃうよ」
……と、キャルが仲裁に入って、お決まりの言葉で終了。これが毎日の日課である。
毎日の日課、つまりは何もない日常。だったのだけど今日は違う。
国王ルイ……、ジイジイがなんかとんでもない事を言ってきたから……
「で、明日の朝には国を出て、サーカッシュの洞窟って所に行くんだけど……」
あたしの切り込みにキャル、アスト、ピットが無言で、あたしの言葉を聞いた。
「WEGSも同伴?」
「それはそうだよ、洞窟まで五十キロは離れてるから」
アストが答えると、目が真っ赤なキャルも頷いた。
WEGS、本来なら母なる地球から転移された能力者の専用機なんだけど、あたし達六人にも使用が許可された。
あたし達はあの有名な那賀龍神の三十人の教え子。その全員があらゆる能力の持ち主。
あたし達六人は他の二十四人とは違い、龍地球生まれ。それでいて国王ルイの計らいで、あたし達は那賀龍神の生徒となったんだ。
那賀先生。あたし達三十人の生徒全員が、那賀先生を慕い、とっても好きな先生だった。
サーカッシュの洞窟に行く理由。那賀先生の事に関して……、理由は解らない。けど行かなくてはならない。
「WEGSはオーケー。問題は……」
「ミレア……か……」
その言葉にアストとピットがため息を吐いた。
「ミレアって、まだ寝てるよね?」
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アストとピットの呟く声にキャルが、再び泣きだそうとしていた。
その時、店の入り口からひとりの男が入って来て、店内に居る全ての人々が悲鳴をあげた。
「……ダメだったか……」
アストがため息を吐き、キャルが再び泣きだす。
「パラガス、お前、ハデにやられたなぁ!ハッハハ!」
「お前、顔の形が変型してるぞ」
ピットの豪快な笑いにあたしはパラガスに同情した。
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