ドラゴンアース【地球を股がける者】

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第一章【それぞれの冒険】

pioneer6❲能力開花❳

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那賀龍神の全身から空気の歪みが放たれる。長髪の髪は逆立ち、全身の血管と筋肉が盛り上がる。両目は血走り顔色は燃えるように赤くなる。

「怖いダに……」

近くに居るタンクが岩壁に隠れながら、龍神に対し怯える。

「大丈夫だ、ドワーフ。巨人共は俺が倒す!お前は逃げ出す巨人を始末するように他のドワーフ達に伝えてくれ!」

「わ、解ったダ!動けるWEGSウェグスを使って応戦するダ!」

「WEGSか……」

「なんだ?お前さん、WEGSが欲しいのか?」

龍神の呟きにタンクが敏感に反応した。

「借りにもストライダーだからな。欲しいのは当たり前じゃねぇ?」

「よし解ったダ!この戦いで生き残ったら、飛びっきりのWEGSを無償でやるダに」

タンクはそう答え、その場を走りながら去っていった。

「ゼルゼ・フォーガ、エンディア、コーライトよ!俺の身体に宿れ!宿って力を開放しろっ!」

龍神の額が盛り上がる。左右の胸が盛り上がる。額にはゼルゼ・フォーガの龍の顔が冠のように浮き上がり、左胸から角の龍コーライトが、右胸にはエンディアが浮かび上がり、左半身はコーライトの角や棘が、右半身はエンディアの白銀の鱗が鎧のように身を被った。

龍人変化能力が初めて開花したのだ。

背中に龍の翼が生え、龍神が崖からダイブする。

(那賀龍神よ、私がエンディアとコーライトを制する。だから思う存分、暴れろ!)

頭の中からゼルゼの声が思念となり伝わる。

「了解だぜ!俺がヘカトンなんたらとバカデカ巨人共を倒してやるぜ!」

(ふっ、なんか那賀龍神、お前の性格はそんなんであったか?)

「うるせぇ!うるせぇ!うるせぇ!俺が那賀龍神だぁぁぁぁ!!!」

龍神は吠えながら、棘の生えた左拳でフロストジャイアントの顔面を殴り、右の鱗拳でサイクロプスの脳天を殴る。二匹の巨人は頭を弾かれ倒れながら絶命した。

翼を巧みに使い、空中移動しながら襲い来る巨人をかわしながら攻撃する。

小さな龍の攻撃に次々と巨人達は致傷し、倒され絶命していく。

右胸のエンディアの口から魔法呪唱の声が響くと、口から炎と雷が混ざったオーラが放たれ、泥田坊や馬頭巨人サラブアントが消滅していく。

龍人変化している龍神には、巨人達は敵にもならなかった。

龍舞無双。絶対強者。そんな熟語が思い浮かぶ。

生き残る巨人達が後退しだすと、ようやく崖の上からWEGSの援軍が到着し、巨人達へと光線ビームが放たれ、次々と巨人達の死体の山が転がっていった。

剣鰭恐竜ステゴサウルス型WEGSの上にタンクがおり、タンクが龍神へと手を振る。

恐竜型WEGSや動物型WEGS、数十のWEGSに乗るドワーフ達の援軍がこの争いを逆転させた。

ヘカトンセントの前に龍神は降り立ち、剣のように伸びた左手の爪をヘカトンセントへと向ける。

「ヘカトンなんとか!運が悪かったな!この時代には俺がいる!」

龍神が声高々に叫ぶ。ヘカトンセントの前方の二頭が龍神に怒りの咆哮すると、後ろの二頭も釣られて絶叫する。

「うるせぇって!吠えても威嚇にもならねぇぞ!」

(侮るな、ヘカトンセントは他の巨人達が束になってもその上を行く)

ゼルゼ・フォーガの声が頭に響く。

(見ての通り奴の頭は、それぞれ東西南北に向いている。死角はない)

「じゃあどうすんだよ?」

龍神はヘカトンセントに間合いを取りながらゼルゼに助言を求めた。

(エンディアの精神魔法も効かない。奴には知性や理性はない。あるのは本能だけ。手段は当たって砕けろ……だ)

「なんだそりゃ!?」

(大丈夫だ!当たるのをサポートするのはコーライト、砕ければエンディアが治療する)

龍神の苦笑いにゼルゼがフォローにもならないフォローをする。

「ゼルゼ、アンタは何をサポートすんだよ!」

(当然、私はお前をサポートする!)

ゼルゼの言葉に龍神はヘカトンセントへと攻撃を開始した。ヘカトンセントが迫る龍神に斧を振り落とす。龍神は翼を操り空中で回避し、左拳の爪を剣を扱うようにヘカトンセントの首を狙う。

爪はヘカトンセントの頸動脈を切断し、致命的な傷を与える。

「まずは一匹!」(油断するな!)

ゼルゼの叫び声と同時に左の上半身の棍棒を持つヘカトンセントが龍神に攻撃してきた。

龍神の目の前で棍棒を振り落とす。空気を裂く音が、まるで鼓膜を破る程の凄まじい空振りだったが、当たっていたならば龍神の身体は粉微塵になっていただろう。

龍神は怯まず右手を棍棒を持つヘカトンセントの顔面に、魔法攻撃を放つ。ヘカトンセントの顔面がぐしゃぐしゃになる。

「あと二匹…………!なっ!?嘘だ……ろ?」

龍神は驚愕した。頸動脈を切断したはずの頭とぐしゃぐしゃにした顔の二つ頭のヘカトンセントが、逆戻りするように再生していく。

(超速再生か……?これは少しばかり厄介だな……)

ヘカトンセントは戦闘前の無傷な姿になっていた。

「コイツは不死身か?」

(ふっ、まさか……、命龍や金龍ならいざ知らず)

頭に響くゼルゼの否定の声に龍神は少しだけ安堵した。

(那賀龍神。四つの頭を同時に潰すんだ!)

ゼルゼの指令に龍神は力強く頷き、全身に気合いを入れる。空気が歪み、歪みはすぐに赤いオーラを全身から放たれた。

「三頭龍に命じる!アンタらの本気を俺に示せ!」

その掛け声に額のゼルゼ・フォーガ、左胸のコーライト、右胸のエンディアが咆哮する。

冠のような龍は頭と顔を被い、右の龍は右半身を完全に被いながら鱗の盾を作り、左の龍は左半身を被ながら牙を剣に変えた。

龍人変化能力の更なる開花、龍人武装変化能力が日の目を浴びた。

龍神の姿は龍の鎧を着た、まさに龍の化身と化したのだった。

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