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刑務所
這いよる悪夢
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必死で私たちはその作業場の奥へと呉林を追った。
テレビ頭が物凄いスピードで走って来ているようだ。砂嵐の音が素早く近づいてきていた。
作業場は裸電球が所狭しとぶら下がり、その明かりで部屋が広く感じられた。卓上には複数のミシンやプレス機が置いてあり、一番奥にはスチール製の扉の倉庫があった。広い倉庫には棚に置いてある複数のミシンやダンボール箱が山積みされ、色々な用途のある金属製の棒や頑丈なロープなどがある。
更に呉林は私たちを倉庫へと誘導する。
テレビ頭が作業場の扉を派手に破壊した。
「みんな! もうすぐよ! 頑張って!」
呉林の意味の解らない合図を受けて、みんなはただ呼吸を乱して、闇雲に奥行きのある倉庫の中へと体を押し込もうとする。その拍子にダンボール箱が潰れ、金属製の棒がむき出した。5人が非難するとスチール製のドアを呉林が閉める。
「赤羽さん大丈夫。私、恵ちゃんが心配でここへいるはずだから来たの。ほとんど当てずっぽうね」
血の気が引いているが、何かの自信を持っている顔の呉林が私の怪我のことを心配してくれている。
どうやら、安浦もこの世界へ来ていたようだ。
けれど、冷静に考えれば倉庫のスチール製のドアは薄く脆い。大き目のハンマーで力一杯殴れば、すぐにぐちゃぐちゃになってしまう。
「これから、どうするんですか呉林さん?」
渡部がダンボール箱をどかして、震える唇で隣の呉林の顔色を見つめた。その隣には真っ青な顔の安浦が無言で佇んでいた。
「少し待って……」
天井が低い。そして、広い倉庫には至る所にダンボール箱が山積みされ、息苦しい。鬱屈しそうな呼吸が所々に響く。
「もうすぐよ」
呉林は低く呟く。
体格のいいテレビ頭の走る音がドア越しに聞こえてきた。テレビ頭のハンマーがスチー
ル製のドアを打った。
「ガーン!」
という大音響と同時に、ドアの上部がひしゃげた。
「きゃあ!」
安浦が悲鳴を上げた。
テレビ頭はやはり、ひしゃげたスチール製の扉から、こちらに無理矢理に這い出してきた。
不気味な砂嵐を写したテレビが襲いかかる。
「この!」
角田が砂嵐のテレビを右足で、思いっきり蹴飛ばした。だが、テレビ頭が派手に後ろに倒れたが、すぐに不気味に起き上がり始め角田の左足を握った。
「ひっ!」
「角田さん!」
私は倉庫の金属製の棒に手を伸ばす……。
「オラー!」
掛け声とともに、作業場に倒れたテレビ頭に金属棒を突き刺した。32インチのテレビがヒビが入ったかと思うと同時に、火花と血飛沫を上げながら一部が壊れた。
「やっちゃったのか。俺……」
私は相手の状態を確認して、肩を上下させながらテレビ頭の巨体を覗き込んだ。
テレビ頭はテレビから大量の血を流して、角田の足を放した。
「すごいな……」
左足を摩りながら、はずむ息をしている角田は、私の名前を言おうとした処で、テレビ頭のテレビの火花で口を噤んだ。渡部と安浦は、あまりにもショッキングな出来事に茫然としていた。
「赤羽くん。君って奴は」
「どう? 凄いでしょ」
角田と呉林の安心の声を聞いた。私は呆然と立っていたが、どっと気が抜けたようで……気を失った。
気を失う寸前、私の耳には大音量の音が連続していた。恐らく、みんなが必死に元の世界へ戻ろうとしてくれいたのだろう。
小鳥の囀りと暖かい光で意識が浮上してくる。それと同時に左肩に鈍い痛みを覚える。
「ぐ……」
私は痛みで顔をしかめながら起き上った。まっすぐにユニットバスの鏡に上着を脱いで左肩を映した。何ともなっていない。鈍い痛みだけが鮮明に脳に響く。
テレビ頭が物凄いスピードで走って来ているようだ。砂嵐の音が素早く近づいてきていた。
作業場は裸電球が所狭しとぶら下がり、その明かりで部屋が広く感じられた。卓上には複数のミシンやプレス機が置いてあり、一番奥にはスチール製の扉の倉庫があった。広い倉庫には棚に置いてある複数のミシンやダンボール箱が山積みされ、色々な用途のある金属製の棒や頑丈なロープなどがある。
更に呉林は私たちを倉庫へと誘導する。
テレビ頭が作業場の扉を派手に破壊した。
「みんな! もうすぐよ! 頑張って!」
呉林の意味の解らない合図を受けて、みんなはただ呼吸を乱して、闇雲に奥行きのある倉庫の中へと体を押し込もうとする。その拍子にダンボール箱が潰れ、金属製の棒がむき出した。5人が非難するとスチール製のドアを呉林が閉める。
「赤羽さん大丈夫。私、恵ちゃんが心配でここへいるはずだから来たの。ほとんど当てずっぽうね」
血の気が引いているが、何かの自信を持っている顔の呉林が私の怪我のことを心配してくれている。
どうやら、安浦もこの世界へ来ていたようだ。
けれど、冷静に考えれば倉庫のスチール製のドアは薄く脆い。大き目のハンマーで力一杯殴れば、すぐにぐちゃぐちゃになってしまう。
「これから、どうするんですか呉林さん?」
渡部がダンボール箱をどかして、震える唇で隣の呉林の顔色を見つめた。その隣には真っ青な顔の安浦が無言で佇んでいた。
「少し待って……」
天井が低い。そして、広い倉庫には至る所にダンボール箱が山積みされ、息苦しい。鬱屈しそうな呼吸が所々に響く。
「もうすぐよ」
呉林は低く呟く。
体格のいいテレビ頭の走る音がドア越しに聞こえてきた。テレビ頭のハンマーがスチー
ル製のドアを打った。
「ガーン!」
という大音響と同時に、ドアの上部がひしゃげた。
「きゃあ!」
安浦が悲鳴を上げた。
テレビ頭はやはり、ひしゃげたスチール製の扉から、こちらに無理矢理に這い出してきた。
不気味な砂嵐を写したテレビが襲いかかる。
「この!」
角田が砂嵐のテレビを右足で、思いっきり蹴飛ばした。だが、テレビ頭が派手に後ろに倒れたが、すぐに不気味に起き上がり始め角田の左足を握った。
「ひっ!」
「角田さん!」
私は倉庫の金属製の棒に手を伸ばす……。
「オラー!」
掛け声とともに、作業場に倒れたテレビ頭に金属棒を突き刺した。32インチのテレビがヒビが入ったかと思うと同時に、火花と血飛沫を上げながら一部が壊れた。
「やっちゃったのか。俺……」
私は相手の状態を確認して、肩を上下させながらテレビ頭の巨体を覗き込んだ。
テレビ頭はテレビから大量の血を流して、角田の足を放した。
「すごいな……」
左足を摩りながら、はずむ息をしている角田は、私の名前を言おうとした処で、テレビ頭のテレビの火花で口を噤んだ。渡部と安浦は、あまりにもショッキングな出来事に茫然としていた。
「赤羽くん。君って奴は」
「どう? 凄いでしょ」
角田と呉林の安心の声を聞いた。私は呆然と立っていたが、どっと気が抜けたようで……気を失った。
気を失う寸前、私の耳には大音量の音が連続していた。恐らく、みんなが必死に元の世界へ戻ろうとしてくれいたのだろう。
小鳥の囀りと暖かい光で意識が浮上してくる。それと同時に左肩に鈍い痛みを覚える。
「ぐ……」
私は痛みで顔をしかめながら起き上った。まっすぐにユニットバスの鏡に上着を脱いで左肩を映した。何ともなっていない。鈍い痛みだけが鮮明に脳に響く。
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