異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ

文字の大きさ
10 / 262
クーン・カウペル

第10話 あっという間に追いついた

しおりを挟む
 作った台車に慣れるためにも、最初はゆっくりとキックした。
 意外とスムーズだ。
 ハンドルもスムーズに動く。右に左に動いてくれる。
 但しブレーキはない。
 急いで止まる場合両足を地面に置くか、無理やり飛び降りるか、そのまま倒れるか。慌てなくてもよいのであれば蹴るのをやめればいいだけだ。但し下り坂の場合は考えないといけない。
 飛び降りても台車がそのまま下ってしまうからだ。
 うーん、ブレーキを考えるか?今は時間が無いから後回しだ。

 10分ほどゆっくりと慣らしていくと、コツをつかんだから徐々に速度を上げていく。
 全力だった場合速度はどの程度出るのか?その場合きちんとハンドル操作ができるのか?安定度は?

 どうやら人の全速力の倍ほどの速度が出るようだ。
 イザという時はこれで逃げられる。

 だが疲れるのであまりしないでおこう。

 普通に蹴っても坂道でなければ徒歩の倍以上の速度が出る。
 この速度ならあまり疲れない。
 但し荷物なしの場合だ。
 荷物があればそもそもキックできないだろうから手押しだな。
 試さなかったが、さっきの女性達なら2人ぐらいの重さ、大きさなら載せられるぐらいの耐久度はあるんじゃないかな?
 時間がなかったから試さなかったが。

 俺は一時間ほど地面を蹴って移動していたが、前方道の左にある休憩スペースに人の集団がいるのを発見した。

 因みに空気草のおかげで道の状態が悪くてもそれなりの速度を出す事ができる。
 このおかげもあり、どうやら俺は先行していた領地へ帰る仲間に追いついたようだ。

 ・・・・
 ・・・
 ・・
 ・

「何だカウペルの倅じゃねえか。お前王都に残ったんじゃないのか?」

 どうやら何人かはそのまま王都に残るようで、俺もそう思われていたらしい。

「スキルを試しに使ったら魔力切れでぶっ倒れてしまったんだよ。」

「うははは!初心者【あるある】だな!宿の部屋でぶっ倒れてたのか?」

「そうだよ。」

「よかったな坊主。外でそれをやっちまったらあっという間に魔物の餌食だが、一度気絶したのなら感覚もわかっただろう?今後は気絶手前で止められるよう自身の限界をしっかり把握しておく事だな。」

 夜に倒れて朝まで起きられないって相当だよな?
 きっと外で気絶すれば、朝まで気を失った状態だろう。
 運がよければ生き残る事もできるだろうが、間違いなく魔物にやられるな。

 俺はカバンから組み立て式の弓を取り出し、用意をする。
 頭上を鳥が飛んでいるから仕留めようと。
 今ここでは食事の真っ最中。
 流石に何もせずに食べる訳にはいかない。

 少し離れた場所をゆっくり飛んでいる鳥がいたので狙いを定め、矢を放つ。
 自分で言うのも何だが見事頭に命中。
 あっという間に地面に落下。

 早速回収し地面に穴を掘り首を切り、血を抜く。
 その間に矢を回収しておく。矢は限りがあるからな。調べたけれど矢じりは欠けていないようだしまだまだこのまま使えそうだ。
 血抜きが終われば次は毛をナイフで取り除き皮の状態にする。
 内臓も取り除く。毛に関しては毛皮として使える魔物や獣が居れば確保するが、この鳥の場合は毛だけを集めておけばいいんだよな。嵩張らないし。いわゆる羽毛だな。但し一羽の羽毛だけじゃ少なすぎるんだが。
 で、この鳥は火の通りが悪いんだよな。
 家が近ければ持ち帰るんだが。

 串を刺し、火にかける。
 残った毛もこれで焼ける。

 暫くすると鳥の丸焼きが出来上がる。
 持っている塩を振り食べる。
 因みに焼いている間に食べられそうな草は採った。
 焼く時に手持ちに香草があったので内臓があった場所に入れておいた。
 香草があれば臭みが緩和されるし、味がよくなる。

 水はまあ、ここまでたいして時間が掛かっていないし、体力もあまり使っていないからほぼ減っていない。
 そう言えば、帰りに魔物を仕留めた時に得られる素材ってどうするんだ?

「そんなの途中の街で売りさばくに決まってるじゃねえか。今回は王都じゃねえと意味がないからここまで来たが、魔物の素材は道中の街で問題ねえんだ。覚えておくといいぞ。」

 そういうもんか。

 結局この後は何事もなく、1ヶ月ほどかけてクツーゴ領へと無事戻った。
 行きと違い帰りは誰一人欠ける事なく辿り着いたが、王都に数人残ったようだから、実際に戻ったのは約半数だった。

 それと道中気が付いた事があるが、どうやらスキルを得た数によってグループが出来ていたようだ。

 スキルが多かった奴らは多かった者同士で集まり、平均程度の奴らはやはり4から6つ程度同士で集まったようだ。

 但し、3以下の奴らは意気消沈。結果集団の後方をとぼとぼと付いてきているような、まあグループというよりは単に後方になってしまっただけのような気もする。

 うーん、世界の縮図を見た気がする。

 俺はと言えば、合流してからは大人と一緒に行動をしている。
 何かと得る事が多いからだ。
 今まで知る必要もなく聞こうと思わなかった事が、今ではあれもこれも知りたい。
 大人なら知っていて当たり前の事が、俺達10歳では知らない事が多いからな。

 帰りの1ヶ月の間、大人達も道中暇なのか俺の台車が役に立っていたせいか、俺の質問にちゃんと答えてくれた。
 俺にとっては有意義な1ヶ月だった。

 そして一応気絶しない程度で毎日スキルを使った。
 何故かまた頭に 異世界あるある・・・・・・・が入り込んでくるんだ。
 尤も今回は憶測らしい。

 つまり寝る前に魔力を空にすれば、翌日にはある程度回復する。だがこの時総魔力量が若干増える、と言うものだ。
 更に回復速度も向上するという、なんとも都合のいい話だ。

 そんなのがあるんなら、皆しているだろう?
 まあ眉唾物だがこの謎の知識、今まで外れだった事がないしやっておいて損はないからやっていた。

 そして何となく、1ヶ月前と今では使える魔力の総量が増えた気がした。
 そう、そろそろ気絶か?と思ったらまだやれる?みたいな。
 これが本当ならいいのだが、単に体が成長したからじゃないのか?と思わなくもない。

 それに同じ魔力が空になるのも意識して空にさせた場合は、ちゃんと朝には起きられるんだよな。

 本当に使いすぎて無茶をした時は多分起きられないのだろう。俺が宿でそうだったように。



しおりを挟む
感想 14

あなたにおすすめの小説

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】 【複数サイトでランキング入り】 追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語 主人公フライ。 仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。 フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。 外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。 しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。 そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。 「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」 最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。 仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。 そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。 そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。 一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。 イラスト 卯月凪沙様より

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

インターネットで異世界無双!?

kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。  その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。  これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。

剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。 …しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた! 「元気に育ってねぇクロウ」 (…クロウ…ってまさか!?) そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム 「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが 「クロウ•チューリア」だ ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う 運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる "バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う 「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と! その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ 剣ぺろと言う「バグ技」は "剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ この物語は 剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語 (自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!) しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位 転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・

処理中です...