有栖と奉日本『カクれんぼ』

ぴえ

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第二章:もういいかい?

奉日本_2-1

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 バーへと切り替え準備中の為、クローズの表示をしているドアがゆっくりと開いたので奉日本は誰が来たのか察した。
「いらっしゃいませ」
 入店してきたのは察しの通り、有栖だった。
「どうも、ランチ良いですか?」
「もちろん、本日のメニューは……」
「カレーですよね? 匂いで解ります」
「御名答です。キーマカレーになります」
 匂いがするのは解っていたが、その中に長時間いるとそれが当たり前になるのでその違和感は奉日本の中では薄れつつあった。こっそり服の匂いを嗅いでみるが、やはり解らない。

 ――とりあえず、バーの営業前には着替えと店内の消臭はしておこう。

 そんなことを考えていると有栖がカウンターへと座っていた。
「食後にコーヒーもお願いします」
「はい、ありがとうございます」
 そう答えて、奉日本はランチの準備をする。といっても、予め残していたルーを使用するのでそこまで時間はかからない。

 玉ねぎが溶け込んだルーに食感がしっかり解るように炒めたひき肉と一口サイズに切ったピーマン、なす、パプリカがしっかり絡んでいる。水分は少なめ。そのルーを温めなおすと、プレートによそったライスの上にかける。最後に中央に半熟たまごを置けば出来上がり。
 プレートの端には付け合せとしてニンジンとカリフラワーのピクルスを添えた。

「どうぞ」
「ありがとうございます」
 有栖は提供されたキーマカレーを受け取ると、いただきます、と言ってから口に運んだ。
「んー、美味しい」
 と、嘘偽りのない表情を見せてくれたあと、がつがつ、とスプーンで口へと運んでいく。
 その様子に満足して奉日本はバーの準備を進める。その間に世間話で、
「そういえば桜華学園の調査ってどうなったんですか?」
 と、以前、右京が来店時に頼んでいたことを話題として話した。
「んぐっ」
 喉を詰まらせたような反応を有栖が見せた。彼女は慌てて水を飲み、口の中を流し込むと大きく深呼吸をした。
「あー、あの件は諸事情で現場からは離れて調査していまして……現場については後輩に任せてます」
 明らかに罰の悪そうな表情を見せて、歯切れの悪い回答をする有栖に対し、
「いつも通り、問題でも起こしました?」
「高本さんの中で、自分はどういうイメージなんですか?」
 高本の質問は、同じく質問で返された。互いに少し笑うと、有栖はその笑顔を曇らせて、
「でも、あながち間違いじゃありません。うん、まぁ、その……過去の問題です」
 彼女はそう答えた。
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