有栖と奉日本『カクれんぼ』

ぴえ

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第五章:もういいよ

天使_5-2

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「以上が、まず現在にて起きていることなのですが……」
 たどたどしい口調で学園長が経緯を語り終えた。慣れていない、というよりは下手なことを口にしないように不安と緊張によって口の周りの筋肉が硬くなっているように思えた。
「次に、調査の途中経過ですが――」
 と、学園長が言葉にしたときだ。
「お前達、何だ!」
 と、声が聞こえたので、全員が振り返った。体育館のドアが徐々に開き、なだれ込んできたのは――桜華学園の生徒だった。抑えきれなかったのか、その生徒達の後ろで門番をしていたであろう男性教員が狼狽している。そこで、天使は疑問に思った。

 ――警察もユースティティアも出入口の警備をしていないのか?

 そんなことを考えている内に生徒達は一人の女子生徒を先頭に前方へと進む。後続に続く生徒の手には……動画に映っていたお面を持っている生徒もいた。目的地は明白で、学園長のところのようだ。

 ――虹河原は……黙認か。

 この時点で本気になれば、警察もユースティティアも生徒達を止められるだろう。当然、驚いたので動きが止まる、というのは理解できるがそれでも数秒だ。生徒は十数人。止められるはずだが、動かない、反応もしない、表情も変わっていない、となれば天使がそう判断するのも当然だ。
 ざわざわ、と混乱を口にする記者達の音を無視して、先頭の女子生徒は学園長のところへとたどり着いた。
「なんだね、キミ達は」
「失礼します」
 先頭の女子生徒は机上の予備のマイクを手に取るとスイッチを入れ、ヘッドの部分を二回叩き、音が大きくなることを確認すると、話し出した。
「突然、失礼致します。私はあのイジメ動画に映っていた被害者『役』の生徒です。まず、皆様に謝らないといけないことがあります。あの動画は――」
 その女子生徒は真っ直ぐに、強く、前を向いて言葉を発した。
「あれは私達の自作自演です」
 そう言うと、後ろにいた生徒達も動画に映っていたお面を見えるように持って、記者達に見せつけた。
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