有栖と奉日本『千両役者のワンカラ―』

ぴえ

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第四章:共同戦線

有栖_4-1

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「じゃあ、質問なんだけど。これまでどうやって天使に見つからずに作戦を進めてきたの?」

 有栖の疑問は当然のものだった。天使の警戒の網をくぐり抜けるのは至難の技だ。『レシエトメンテ』を用いた情報操作により、あらゆるところに手を回し、目を光らせているのならば早々に瓦解していてもおかしくはない。

「真木さんが一色さんと繋がっていることは天使にも知られている。だからこそ、真木さんには囮になって動いてもらった」
「本気で誘うつもりのない人物を仲間にしようとして失敗したり、と無駄なことばかりをしたもんだ。天使の視界にできる限り映るように動いたつもりだが、消されなかったのは驚異には思われてなかったんだろうな」

 真木はそういって、自虐気味に小さく笑う。

「真木さんの裏で実際は私が動いていた。仲間との連絡については筆談などのアナログなやりとりや電子機器を使用してもオフラインのものを使うなどをしていた、。常に暗号のようなもので次の作戦と落ち合う場所や欲しい情報などを交換していた。仮にオンラインでデータを授受しようものならその瞬間に『レシエントメンテ』が関連情報からアクセスを検知し、それを確認した天使によって私の存在も飛田くんの裏切りも気づかれていただろうな」

 虹河原のため息にここまでに至る苦労がにじみ出ていたように思えた。これまで文明の利器を活用して生きてきたものにはさぞ不自由だったのだろう。

「ここにいる人達は信用していいのかしら?」

 今度は京の質問だった。

「一色さんが去ってから現状の警察を変えようと尽力してきた人達です。優秀ですし、信じていただきたい、というのが本音です。本当はこのような人達は警察にまだまだいるのですが、仲間が多くても天使に気づかれるリスクが増えますし、アプローチする方法も乏しいので厳しかったのが現実です」

 そこからユースティティアと警察は可能な限りの情報を交換しあった。基本的には虹河原が秘密裏に動き、飛田の接触も手紙などでやりとりしていたらしい。一方でユースティティアも今日まで、そして、天使達と対峙したときのことも共有した。もちろん、『デスペラード』のデータが破壊されたことも。
 ある程度の情報交換が終わると、

「あと、これだけは言わせてください」

 そう虹河原が口を開き、

「一色さん死は私の非力さ、ふがいなさによってもたらされた結果だ。すみませんでした」

 彼は頭を下げた。
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