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第五章:ユースティティアと警察
ユースティティアと警察_5-2
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車を降りると有栖達はユースティティアの隊員達が立つ場所へ、虹河原達は警察の仲間がいる場所へと向かって行った。
ユースティティアを率いていたのは佐倉だった。
「待っていたぞ」
「この状況は?」
京の問いに佐倉は呆れた顔で話してくれた。
佐倉が教えてくれたのは先程、真木が口にしていたことに近かった。
佐倉は元々、特務課の帰りを待つつもりだったが、それに同調するようにユースティティアの隊員も残っていたそうだ。他の隊員は佐倉から何かを聞いたわけではなかったが、特務課が現状に抵抗し、正そうとしている為に動いていたことに気づいていたそうだ。
しかし、組織に属する以上、勝手に動けなかった者。臆病になっていた者。関わってしまうと特務課に逆に迷惑がかかってしまうのではないか、と避けていた者、と一歩踏み出せなかった隊員が多くいたらしい。それでも、今日という日がいつもと違うことは察しており、彼らもまた特務課の帰りを待っていたそうだ。
そして、京から佐倉に電話がかかってきたとき、彼が協力しに行こうとしたところで残っていた隊員達も覚悟を決めたそうだ。
「困った奴らだよ」
「でも、嬉しそうですよ、佐倉さん」
「うるさい。それよりも協力できることはあるか? 何でも言ってくれ」
有栖の言葉に照れを隠すように、佐倉は仕事の仮面を被った。
「でしたら、ここからは警察との共同戦線です。共に協議しましょう」
京の言葉に佐倉は驚いた表情を見せたが、
「こんな日が来るとはな」
そう呟いた顔には仮面の下の綻びが見えたような気がした。
ユースティティアを率いていたのは佐倉だった。
「待っていたぞ」
「この状況は?」
京の問いに佐倉は呆れた顔で話してくれた。
佐倉が教えてくれたのは先程、真木が口にしていたことに近かった。
佐倉は元々、特務課の帰りを待つつもりだったが、それに同調するようにユースティティアの隊員も残っていたそうだ。他の隊員は佐倉から何かを聞いたわけではなかったが、特務課が現状に抵抗し、正そうとしている為に動いていたことに気づいていたそうだ。
しかし、組織に属する以上、勝手に動けなかった者。臆病になっていた者。関わってしまうと特務課に逆に迷惑がかかってしまうのではないか、と避けていた者、と一歩踏み出せなかった隊員が多くいたらしい。それでも、今日という日がいつもと違うことは察しており、彼らもまた特務課の帰りを待っていたそうだ。
そして、京から佐倉に電話がかかってきたとき、彼が協力しに行こうとしたところで残っていた隊員達も覚悟を決めたそうだ。
「困った奴らだよ」
「でも、嬉しそうですよ、佐倉さん」
「うるさい。それよりも協力できることはあるか? 何でも言ってくれ」
有栖の言葉に照れを隠すように、佐倉は仕事の仮面を被った。
「でしたら、ここからは警察との共同戦線です。共に協議しましょう」
京の言葉に佐倉は驚いた表情を見せたが、
「こんな日が来るとはな」
そう呟いた顔には仮面の下の綻びが見えたような気がした。
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