有栖と奉日本『千両役者のワンカラ―』

ぴえ

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第八章:右手に過去を、左手に未来を

虹河原_8-1

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 二つのハンドガンが交互の銃弾を放つ。その弾道は正確無比にガードロボットの頭部を撃ち抜き、機能を停止させた。

 ――一体に対して四、五発は必要か。

 ロボットは人間とは違い、頭部を一発撃ち抜けば終わりではない。中途半端にでも回路が接続されている、もしくは、中央演算装置の動作や電源の供給が停止されない限りは動く。そういった意味では虹河原がハンドガンを選んだの正解だった。他の銃器よりも軽く、立ち回りがしやすい。もちろん、破壊力で劣る部分はあるが狙いの正確さや止まって撃たなければならないこと、リロードの時間などを考慮すると、この障害物が少ないフロアではハンドガン以外はデメリットが目立つ。本体やマガジンの軽さを考えれば現状では適切な選択だった。

 虹河原を排除対象として認識したガードロボットがスタンロッドを振り回して近づいてくる。それをスライディングで避けると、ガードロボットの脚に一発。バランスを崩したところにスタンロッドを持っていた腕を撃ち抜くと宙に浮いたスタンロッドをさらに撃って他のガードロボットにぶつけて感電させる。一時的に停止したロボットと脚を撃ち抜かれてバランスを崩したロボットに左右のハンドガンで別々に頭部を撃ち抜く。その二体が機能停止したところで装填していたマガジンが空になった。それと同時にロボット達から距離を取り、両方のハンドガンから同時にグリップ部から空のマガジンを排出。地面に落ちた際の金属音が響く中、慣れた手つきで予備マガジンを取り出すと素早くセットする。

「あと十体か」

 人間の肉声は虹河原ただ一人。響くのは銃撃音と機械の破壊音。漂うのは硝煙の香りのみ。血の臭いが混ざらなかったのは幸運だな、と虹河原は呼吸を整えながらそう思った。

 ――ここまで戦えるのも……一色さんのおかげだな

 虹河原が今の戦闘スタイルにたどり着いたのは一色の影響があった。
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