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第九章:ラストダンス
有栖_9-2
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有栖の思考の切り替えと全力での猛攻は功を奏した。天使も反撃はするが、それを喰らっての捨て身の一撃で押し返す荒い攻撃が多くなっていた。防御をされても、その衝撃で彼の顔が歪むことが多くなった。その理由は床に落ちる血痕だろう。彼の黒いスーツが血を限界まで吸って、滴っているのだろう。
ここを勝機と見た有栖の嗅覚は間違いなかった。呼吸が一段と荒くなった天使との距離を縮め、これまで以上のスピードで連撃を繰り出す。
しかし、それ以上に驚異だったのは天使の戦闘能力だった。待ちかまえていた彼は有栖の攻撃を全て捌き、最後には顎に掌底を当て、がら空きになった胴体に渾身の前蹴りを放ち、有栖を吹き飛ばした。
「化け物かよ、マジで」
地面に転がった有栖が上体を起こし、咳込んだ後に率直な感想を口にした。感想を言える余裕があるのは天使が追撃してこないことを察してのことだった。攻撃を見事に当てた彼は優勢であるのにも関わらず、その表情に余裕はない。荒い呼吸を整える、というよりは必死で呼吸をしているようだった。しかし、その表情は鬼気迫る形相でもあり、
「負けるわけにはいかない」
と、何度も繰り返す。
起き上がり、そんな天使を睨み返しながら有栖は聞いた。
「負けるわけにはいかないって――情報を改竄し、掌握し、自由に書き換えて、世界を自分の思い通りにして神様にでもなりたいわけ?」
有栖の言葉を聞き、天使は彼女を嘲るような笑みを見せた。
「ここまでは過程にすぎない。私には――成し遂げなければならないことがある」
ここを勝機と見た有栖の嗅覚は間違いなかった。呼吸が一段と荒くなった天使との距離を縮め、これまで以上のスピードで連撃を繰り出す。
しかし、それ以上に驚異だったのは天使の戦闘能力だった。待ちかまえていた彼は有栖の攻撃を全て捌き、最後には顎に掌底を当て、がら空きになった胴体に渾身の前蹴りを放ち、有栖を吹き飛ばした。
「化け物かよ、マジで」
地面に転がった有栖が上体を起こし、咳込んだ後に率直な感想を口にした。感想を言える余裕があるのは天使が追撃してこないことを察してのことだった。攻撃を見事に当てた彼は優勢であるのにも関わらず、その表情に余裕はない。荒い呼吸を整える、というよりは必死で呼吸をしているようだった。しかし、その表情は鬼気迫る形相でもあり、
「負けるわけにはいかない」
と、何度も繰り返す。
起き上がり、そんな天使を睨み返しながら有栖は聞いた。
「負けるわけにはいかないって――情報を改竄し、掌握し、自由に書き換えて、世界を自分の思い通りにして神様にでもなりたいわけ?」
有栖の言葉を聞き、天使は彼女を嘲るような笑みを見せた。
「ここまでは過程にすぎない。私には――成し遂げなければならないことがある」
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