21 / 27
神爪村の祟り
有栖-2
しおりを挟む
「有栖さん、探偵でも始めたんですか?」
「なんか、以前にもそんなこと聞かれた記憶がありますけど違います」
有栖の苦笑いを受け止めて、高本は悪戯に微笑んで会話を交わす。有栖もそのような返答がくるのを予想していたのか、溜め息一つ挟んで、会話の方向を修正する。
「その祟りの話をしても良いですか?」
「もちろん」
「何から話すかな。えっと――」
そこから有栖は神爪村と彼女が担当している案件について話し始めた。
神爪村は某県の山奥にある過疎化の進んだ田舎の村だ。数年前は携帯の電波も届きにくく、テレビを映すにも一苦労するような地域に存在している。
ユースティティアに届いた依頼はその神爪村の調査だった。
「そこに以前住んでいた辻下さんっていうお爺さんがいるんですけど、その人の息子夫婦からの依頼なんです」
「以前、住んでいた、ということは今は住んでいないんですか?」
「はい。でも、戻りたいから調査をする必要があるんです」
「そこに祟りが関係するんですか?」
「そうです。辻下さんが出て行った理由にも、戻りたい理由にも関係しています」
神爪村には昔から『祟り』が存在した。
それは毎年、冬を迎えると村の人々が体調を崩し、中には心不全で死んでしまう……というものだった。その為、神爪村の人々は冬を迎える前に神社にお供え物をし、神様に祈りを捧げる風習がある。
生まれも育ちも神爪村である辻下は同年代の一人が死んだことにより、その祟りを恐れ、息子夫婦が住む都会へと移住した。そこから十年ほど問題なく暮らしてきたが――
「そのお爺さん、残りの余生は生まれ育った神爪村で過ごしたいって言い始めたらしいんですよ」
「それで心配になった息子夫婦が、そのお爺さんが安全に暮らせるか神爪村の調査を依頼した、ということですか」
「ほとんど正解ですけど、ちょっと違います。正確には詳細な調査です」
神爪村へは息子夫婦だけで事前に調査をしに行ったらしい。そこでは以前と変わらず、冬を迎える前には風習を行っているようだが、ここ最近は祟りで死んだ人はいないらしい。
それは嬉しい情報ではあるのだが、祟りが完全になくなったのかは不明である。そこで、息子夫婦はユースティティアに詳細な調査を依頼したのだった。
「なんか、以前にもそんなこと聞かれた記憶がありますけど違います」
有栖の苦笑いを受け止めて、高本は悪戯に微笑んで会話を交わす。有栖もそのような返答がくるのを予想していたのか、溜め息一つ挟んで、会話の方向を修正する。
「その祟りの話をしても良いですか?」
「もちろん」
「何から話すかな。えっと――」
そこから有栖は神爪村と彼女が担当している案件について話し始めた。
神爪村は某県の山奥にある過疎化の進んだ田舎の村だ。数年前は携帯の電波も届きにくく、テレビを映すにも一苦労するような地域に存在している。
ユースティティアに届いた依頼はその神爪村の調査だった。
「そこに以前住んでいた辻下さんっていうお爺さんがいるんですけど、その人の息子夫婦からの依頼なんです」
「以前、住んでいた、ということは今は住んでいないんですか?」
「はい。でも、戻りたいから調査をする必要があるんです」
「そこに祟りが関係するんですか?」
「そうです。辻下さんが出て行った理由にも、戻りたい理由にも関係しています」
神爪村には昔から『祟り』が存在した。
それは毎年、冬を迎えると村の人々が体調を崩し、中には心不全で死んでしまう……というものだった。その為、神爪村の人々は冬を迎える前に神社にお供え物をし、神様に祈りを捧げる風習がある。
生まれも育ちも神爪村である辻下は同年代の一人が死んだことにより、その祟りを恐れ、息子夫婦が住む都会へと移住した。そこから十年ほど問題なく暮らしてきたが――
「そのお爺さん、残りの余生は生まれ育った神爪村で過ごしたいって言い始めたらしいんですよ」
「それで心配になった息子夫婦が、そのお爺さんが安全に暮らせるか神爪村の調査を依頼した、ということですか」
「ほとんど正解ですけど、ちょっと違います。正確には詳細な調査です」
神爪村へは息子夫婦だけで事前に調査をしに行ったらしい。そこでは以前と変わらず、冬を迎える前には風習を行っているようだが、ここ最近は祟りで死んだ人はいないらしい。
それは嬉しい情報ではあるのだが、祟りが完全になくなったのかは不明である。そこで、息子夫婦はユースティティアに詳細な調査を依頼したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる