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学園☆天国
37 side夏清
しおりを挟むまずはリナちゃんとピコピコ通信をしていたら、ゴキブリが逃げるみたいな音がして、顔を上げたら都織サンが先生に捕らえられていた。
「えええ!? 僕? 僕なの!? 僕何にもしてないよっ! 無実無実っ!! リナが勝手に! うぁ そりゃ僕の娘だけどっ! 部屋は税金対策で買って住まないのもなんだからあげたけどっ 何で僕が!? あ、もしかしてアキラン、実はフェミニスト? 女の子には乱暴しない人? ってか女の人怖い人? あー そっか、あの人があ……ぬぁあああああ!!! っ痛い痛い痛い痛いっ それ以上したら死ぬうぅううぅう!!!」
都織サンが叫んでる間に通信終了。
「翠ちゃん? 交換しないの?」
「や、あの、ボクは、うん、なんか携帯電池切れてるみたいだから……今回はいいや……」
さっきまで満面笑顔だったのに、すごい青ざめた顔でチラチラ氷川さんを窺いながら、そそくさと携帯をポケットにしまっている。
「ふーん。まあいいや。じゃあリナちゃんから聞いて?」
「あ、うん、えっと……そうする、ね」
「ごめんごめんごめんごめんごめんなさいっ もう黙りますしゃべりませんだから殺さないでお願……」
「お客様、ほかのお客様のご迷惑になりますので、申し訳ありませんが続きは店の外でお願いできますか?」
引きつった笑顔を貼り付けた店員さんが、ちょっと怒りに震えた感じの声で、恥も外聞もなく大声で謝りつづける都織さんのセリフをぶった切る。一礼して、店の出入り口に向かって慇懃に手を向けている。
一番すまなさそうに謝っていたのは一番静かにしていた樹理ちゃんで、一番平然としていたのは、一番うるさい人を一番騒がせた先生で、一番うるさかった人は本気で泣いていた。
一体全体どういう力関係なのか、先生って高校生のとき一体ナニをやらかしてたのかとか、都織サンが最後に漏らしかけた言葉がなんなのか、まあ、この際だから神崎さんでも妥協してあげようかとも思ったんだけど、余計なことを言いそうな人物を先生が呼ぶわけもなく、全くしゃべらない氷川さんから情報が引き出せるはずもなく、結局この日の晩は四人でちょっと高そうな和食料理のお店の個室でゆっくりゴハン食べて終わっちゃったのだ。
いつか、絶対聞いてやる。
あと、余談だけど、ミスコンは案の定、樹理ちゃんが一人勝ちだったとリナちゃんが教えてくれた。ついでに、例年になく無効票がたくさんあって、その大半に『刃朔羅の人』ってかかれてたらしい。女子校パワーってすごいよね。うん。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
学園☆天国終了!
夏清で始まって夏清で終わった上に、哉の視点はひとつもありませんでしたー!
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