幸せのありか

神室さち

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OUT OF DAYS

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 若い。そしてものすごくかわいい。予想の斜め上どころか、小型機と衛星が飛んでいる空域差くらい度肝を抜いて問答無用で美少女だ。

 顔の造作も文句なしだが振りまく雰囲気がなんとも清楚で可憐で文句なしだ。

 しかし年齢は鈴谷が手に入れたあの荒い画像の写真の雰囲気から二十代前半までだろうとの予想をしていたが、どう見ても十代じゃないかこんちくしょうと、鈴谷節で締めくくってみてもどこか釈然としない。



「で?」


 その声と、ダンと湯飲みが置かれた音でハッと気付けば体ごと彼女が去った方向を見ていた。

 あ、なんか不機嫌かも。と、身を戻す。


「今日はなんだ?」

「この契約、こんな感じでいいか確認お願いします。こっちの書類は中国の工場の分。国内はこちらです。それからこの工作マシンの部品の中国へ向けての輸出の件と輸出規制品目の一覧です」


 書類で膨れ上がったビジネスバッグから一番分厚いファイルを引っ張り出して手渡す。それに付随した資料があと四冊。さすがに今日は重かったが、こうやって哉の元を訪れるようになってから、格段に仕事が捌けるようになったのでこのくらいの荷物なんてことはない。



「はぁ 俺としては早く副社長に来てもらってこんな手間省きたいんですけど」

 次から次へと出てくる書類に呆れたような表情をしている哉に、ここぞと呟いてみる。

「うるさい。大体こっちは辞めた身だ。来るから仕方なく手伝ってるだけなのに文句を言うな」

「うそだぁ コレ絶対全部副社長の仕事だし。代わりに隅々まで読んで不明瞭なトコにちゃんと付箋つけて赤ペン引いてる俺の尽力、労ってくださいよ」



 とにかく引っかかるところが多すぎて線を引きまくってしまい、最早どこがチェックポイントだったのか、基本のところがぼやけてしまった感が否めない資料を手にとってその表紙を叩いていると、左手を、何かを払うような仕草で振って呆れも極まれりと言った様子で哉がソファの背に凭れる。


「下読みは当たり前の仕事だろう。労う必要はあるのか?」

 分厚いファイルを組んだ足の上に乗せてパラパラと中を見ながらそう言われたらそうですとしか言えないのだが。


「いや、それじゃなくてここまでの道のりとか」

「社のハイヤー使ってるやつが言うか?」


 フンと返されて、うわなんで知ってるんだこの人、とか思いながら、話題を逸らす為に頭の中をぐるぐるっと見渡す。


「うわ。バレてるし。あ、そう言えば篠田室長から連絡入りました。もう少しだからなんとかやれって。あれってもう少しで戻るって事なんでしょうか?」


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