14 / 15
The road to space derby
Possibility
しおりを挟む「いよいよ明日、私も経験としては小田原さんに連れて行ってもらったことで一度しか触れたことのない宇宙ダービーだ。
ここまでくるともう覚悟を決めて、今までのことをレースへ繋げれる様に細心の注意を払い、馬威人くんとテイルを送り出すことが、私達のできる最大の仕事だ。
もう一度、要注意の馬と、レースの作戦を確認しよう」
チームは静かに聞き入れた。
「まずは、、、
2番 ブドゥッフ 鞍上 ルイス
カシオペア星団ダービー馬。
この馬はとにかく他馬に対する圧力のかけ方が凄い。
過去映像から見ても並んだ馬を睨みつつ、いなしながら走っているのが伺える。テイルの右側には来て欲しくない。
馬体も今レース最大級の六〇〇キロを超え、相当な筋肉量とトモの力量は王者の貫禄としか言えない。
ただ、今回この馬が内枠に入ったことは功を奏すかもしれない。これだけの巨体の持ち主だ。馬込みはヤリにくいだろう。
ただ、、それが導火線に火をつけるような運びになれば怖い。
続いて
7番 ループザメロディー 鞍上 ファー。
オリオン星団、この馬もダービー馬だ。
黄色の体毛の胸元に黒い毛色が入っているのが特徴的な馬。その模様が音符に似ているからこの名前になったそうだ。
この馬は極めて鋭い脚が特徴的だ。
ダービーレースでも*殿( しんがり)
*馬群の最後尾のこと
から信じられない豪脚で全馬を差し切り、4馬身も開けたのち、ゴールを過ぎてもまだ伸び続けるようなスイッチが入れば止まらないタイプだ。
脚質はテイルと同じタイプだが、恐らくテイルよりもキレる。今回はどの位置から競馬をするのか、要注意だ。この馬よりは前のポジションでないと、テイルに勝ち目はないだろう。続いて
11番 トロン 鞍上ミカエル。
プレアデス星団から、この馬もダービー馬だ。
音速のペガサス。と異名を持つ馬だ。
名前の通り、スタートから終盤まで快速で飛ばせるその並々ならぬ心肺機能で、既にそれは暫定宇宙一と言われている。
今回の優勝候補と言われている。
1番人気となるだろう。生まれつき両方の肩周辺部の骨が外へと突き出していて、それが羽根のようだからペガサスと呼ばれている。なんともスター性のある馬だね。
最後は一度闘ってテイルが負けている地球ダービー馬の
14番 サークルエナジー 鞍上 タリー。
あのレース後、相手側の調教師の言葉で気になる点があったんだ。
それはテイルの影を少し気にして本領を発揮できなかったと言っていた、、、
そして、今回、*シャドーロール
* 影や、下を気にする馬の鼻上部に付けられる丸い馬具
を付けて出してくると言うことだ。前回より力が出せるとなれば、ハッキリ言ってサークルエナジーも優勝候補と言えるだろう」
一同は頑なな表情で話しを聞いた。
三輪は少し空気が重くなっている事を感じたのか、ニコッと表情を和ませて言った。
「まぁ、ここまで強くて相当厳しい相手だと今から解ってるからなぁっ!!
あとは、、、練った作戦を頑張るしかないさ!」
すかさずチームが作戦を問う。
「あぁ。今回のテイルは一番得意な差し競馬で行かせよう。」
一同は頷く。
「テイルの枠はありがたいことに外目12番を引いた。
今回18頭立てだからテイルにとっては丁度良いかと思う。問題はコース形態だ、、、通常のコース携帯はサークル上になっていてスタートの直線部と最後の直線部は同じ直線を走る。
しかしこのギャラクシー競馬場のコースは、スタートの直線部をまず直進、そのまま左周りでゆっくり坂を登っていき、第3コーナーの頂点を過ぎるところまでは傾斜としてはかなりキツい登り坂になっている。
そしてそこを過ぎると下りに入り、直線部入り口までを下っていくのだが、ここが螺旋状になっているんだ。
ちょうど高速道路の出口を想像したら解るだろう。そして、下るとスタートと同じ方向を向いた新しい直線が340m。
どんな馬も経験した事のない宇宙一タフなコースと言われている。
そして、直線も日本の東京までは行かないが、ある程度の長さはあり、先行馬よりも脚を溜めていられれば、差し切る事も可能なコースだ。
しかし、この傾斜だ。どの馬にとっても過酷なレースになる、各々の馬が、各々の闘いともなるんだ、、、」
一同がざわつく中、三輪が話しを続けた。
「テイルはじっくりじっくり後方集団で脚をなるべく溜めて進めたい。
いくら先頭をいく音速のペガサスと言えども経験した事のない登り坂を快速で飛ばすなんてことはできないはずだ。
ペースは恐らくスローになる。
だがスローになった時、余力を残したまま行かせると、、、こちらが届かない可能性がある。ギリギリの所での勝負仕掛けが鍵となる。
わかるね?馬威人くん」
頷く馬威人。三輪が続ける。
「テイルは前回同様、ブリンカーを装着させる。テイルの右側外目の後方に位置取りする馬が確実にいるだろうから。まぁ、今回左周りは恵まれたと思える。なんとか気にならずにレースを運べるよう祈りたい。」
ふぅ、、、と、一通り説明を終えた三輪は最後に言った。
「あとは馬威人くんとテイルに任せるとしよう!!
以上、皆んな、、、明日はよろしくお願いします!ベストを尽くそう!!」
お疲れ様でした!!
チームは本番までの間、しばしの緊張から身を離すように晩食へと向かった。
夜も更けてきた。
明日のレースを何度も何度もイメージしながら、夜空の星団を眺める馬威人の前にタリーが近づいてきた。
「いよいよですね。ボクはとても緊張しています!でも、、とても楽しいです!
こんな素晴らしいレースに出れることと、サークルエナジーに乗せてもらえてることに感謝して、頑張って勝ちたいです!
馬威人さん、頑張りましょう!」
しかし、馬威人の耳はそのタリーの言葉の半分ほどしか聞き入れられずに居た。
会釈だけ見せて、握手をしたその馬威人の目には、夜空の星団の中にキラッと輝いた流れ星が、いつまでも残っていた。
そしてその輝きの中に、かつてのニジカゲの姿を思い出していた、、、
宇宙ダービーまで、あと約12時間。
馬威人の心は未だかつて感じたことのない恐怖と希望がぶつかり合っていた、、、
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
アガルタ・クライシス ―接点―
来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。
九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。
同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。
不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。
古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる