15 / 20
なぜ神は答えてくれないの?~アリシア目線~
しおりを挟む
神の声が聞こえない部屋で、私は一人、息を詰める。
何もかも、完璧だった。
けれど、わずかな綻びから崩れていく。
それが嘘の弱さだと、今さら気づいた。
お義姉様はまだ、何も語っていない。
神は、まだ裁きを下していない。
なら私は、まだ戦える。
嘘の綻びなど、私の手で縫い直せばいい。
負けない。
絶対に、負けるわけにはいかない。
たとえ、それが神への最後の反逆だとしても。
人々が広場に集まっている。
神殿の階段の前、王宮に隣接する神の庭。
真っ直ぐに延びる石畳の道の向こうに、お義姉様が立っている。
白い衣を纏って、まるで・・・本物の聖女のように。
ふざけないで。
神に選ばれたのは、私よ。
私がラゼル様の隣に立ち、神殿に名を刻んだ。
玉座に迎えられ、聖なる冠を受けたのは、この私。
そうだったはずなのに。
民の視線が彼女に向いている。
ざわめきが広がっていく。
「“あの時の”聖女様だ」
「戻ってこられたのか・・・」
「本物だったんだ・・・」
いい加減にして。
私の努力を、私の祈りを、何だと思ってるの?
「・・・お義姉様」
私は叫ぶように、声を出した。
「あなたの神託は“魔の声”によるもの。あなたは、この王都に災厄をもたらす存在!それを証拠もあるわ!!」
民が息を呑むのがわかる。
いいわ、この一瞬。
最後の、
賭けよ。
「私は聖女として、この国を守る。あなたがいなくても、人々は救えるのよ。だから、もうここには戻らないで・・・!」
お願い。
この声が誰かに届いて。
私が“正しかった”と、もう一度、そう言ってほしい。
けれど、彼女は私を見返しただけだった。
優しくも、冷たくもない。
静かに、真っ直ぐな目で。
まるで、すべてを知っているような。
やめてよ・・・そんな目で見ないで。
私を、
責めないでよ!
何もかも、完璧だった。
けれど、わずかな綻びから崩れていく。
それが嘘の弱さだと、今さら気づいた。
お義姉様はまだ、何も語っていない。
神は、まだ裁きを下していない。
なら私は、まだ戦える。
嘘の綻びなど、私の手で縫い直せばいい。
負けない。
絶対に、負けるわけにはいかない。
たとえ、それが神への最後の反逆だとしても。
人々が広場に集まっている。
神殿の階段の前、王宮に隣接する神の庭。
真っ直ぐに延びる石畳の道の向こうに、お義姉様が立っている。
白い衣を纏って、まるで・・・本物の聖女のように。
ふざけないで。
神に選ばれたのは、私よ。
私がラゼル様の隣に立ち、神殿に名を刻んだ。
玉座に迎えられ、聖なる冠を受けたのは、この私。
そうだったはずなのに。
民の視線が彼女に向いている。
ざわめきが広がっていく。
「“あの時の”聖女様だ」
「戻ってこられたのか・・・」
「本物だったんだ・・・」
いい加減にして。
私の努力を、私の祈りを、何だと思ってるの?
「・・・お義姉様」
私は叫ぶように、声を出した。
「あなたの神託は“魔の声”によるもの。あなたは、この王都に災厄をもたらす存在!それを証拠もあるわ!!」
民が息を呑むのがわかる。
いいわ、この一瞬。
最後の、
賭けよ。
「私は聖女として、この国を守る。あなたがいなくても、人々は救えるのよ。だから、もうここには戻らないで・・・!」
お願い。
この声が誰かに届いて。
私が“正しかった”と、もう一度、そう言ってほしい。
けれど、彼女は私を見返しただけだった。
優しくも、冷たくもない。
静かに、真っ直ぐな目で。
まるで、すべてを知っているような。
やめてよ・・・そんな目で見ないで。
私を、
責めないでよ!
140
あなたにおすすめの小説
冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる
みおな
恋愛
聖女。
女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。
本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。
愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。
記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。
妹の初恋は私の婚約者
あんど もあ
ファンタジー
卒業パーティーで、第一王子から婚約破棄を宣言されたカミーユ。王子が選んだのは、カミーユの妹ジョフロアだった。だが、ジョフロアには王子との婚約が許されない秘密があった。
出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→
AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」
ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。
お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。
しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。
そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。
お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。
お飾りの婚約者で結構です! 殿下のことは興味ありませんので、お構いなく!
にのまえ
恋愛
すでに寵愛する人がいる、殿下の婚約候補決めの舞踏会を開くと、王家の勅命がドーリング公爵家に届くも、姉のミミリアは嫌がった。
公爵家から一人娘という言葉に、舞踏会に参加することになった、ドーリング公爵家の次女・ミーシャ。
家族の中で“役立たず”と蔑まれ、姉の身代わりとして差し出された彼女の唯一の望みは――「舞踏会で、美味しい料理を食べること」。
だが、そんな慎ましい願いとは裏腹に、
舞踏会の夜、思いもよらぬ出来事が起こりミーシャは前世、読んでいた小説の世界だと気付く。
聖女を怒らせたら・・・
朝山みどり
ファンタジー
ある国が聖樹を浄化して貰うために聖女を召喚した。仕事を終わらせれば帰れるならと聖女は浄化の旅に出た。浄化の旅は辛く、聖樹の浄化も大変だったが聖女は頑張った。聖女のそばでは王子も励ました。やがて二人はお互いに心惹かれるようになったが・・・
聖女を追い出しても平気だと思っていた国の末路
藤原遊
ファンタジー
聖女が国を去った日、神官長は分かっていた。
この国は、彼女を軽く扱いすぎたのだと。
「聖女がいなくても平気だ」
そう言い切った王子と人々は、
彼女が“何もしていない”まま国が崩れていく現実を、
やがて思い知ることになる。
――これは、聖女を追い出した国の末路を、
静かに見届けた者の記録。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる