[完]聖女の真実と偽りの冠

さち姫

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嘘を終わらせに来たの~レティシア目線~

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アリシアの声が響いた時、私はもう驚かなかった。

これが彼女の“最後の抗い”だと、わかっていたから。

王都の空は、静かだった。

風が流れ、石畳の上に落ちる影も柔らかい。

でも、彼女の声だけが鋭かった。

「あなたはこの国に災厄をもたらす存在!」

その言葉に、少しだけ胸が痛んだ。

アリシア。

あなたは、何も持っていなかったわけじゃない。

祈りの言葉も、民を導こうとした姿勢も、本当だったと思ってる。

けれど、それを“嘘”にしたのは、あなた自身よ。

「アリシア」

私は、ゆっくりと彼女の名前を呼んだ。

かつて、義妹として呼んでいたあの響きのまま。

「私は奪うために戻ってきたんじゃない。・・・嘘を、終わらせに来たの」

彼女が、ぐっと唇を噛むのが見えた。

「私は神の声を聞いた。あの村で、あの人々の祈りとともに。それが“魔”の声だと言うなら・・・神とは、何なのでしょう」

人々が静まり返った。

私は続ける。

「アリシア。あなたが何をしたか、私は知っている。

でも、ここで責めることはしない。あなたが嘘にすがったのは、きっと“誰かに選ばれたかった”からよね」

アリシアの目が見開かれる。

「私も、そうだった。だからこそ、分かるの。でも、神は、嘘では応えてくれない。それだけは、どうしても・・・目を逸らせない」

ラゼル様が、私の後ろに現れる。

その足取りが、アリシアの前で止まった。

「アリシア。・・・答えてくれ。本当に、すべては嘘だったのか」

彼女は震えていた。

何かを言いたそうに、けれど言葉が出ないまま。

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