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「ミヤ、お姉様を頂戴」
朝食後コーヒーを飲んで至福の時間に浸っている時に、私の横に仁王立ちし、唐突に言い出した。
いや、唐突と言うのは違うな。
だって、いつも唐突に、頂戴、を言い出してるのだから、唐突の言葉を使うのはおかしいかもしれない。
いつものように、かな。
「サラ、今度は何が欲しいの?」
コーヒーカップを置き、顔を見る。
「はあ?耳悪いんだね。また、言わなきゃいけないのぉ?」
貴族の女性として、はしたないと知っている筈なのに、腕組をし、私を見下げながら、大きくため息ついた。
「ほんと、グズでバカなお姉様をもつと、無駄な時間を使うわ。1回で聞いてくれない?私はあんたみたいに暇じゃないの。早く出かけたいんだからさぁ」
じゃあ出かければいいと思うけど。
暇じゃないと言うんならさっさと言って去っていけばいいでしょ。その説明をしている時間が勿体ないと思わないのだろうか?
はああああ、とわざとだと分かるようにまた、大きくため息をついた。
「バカだから仕方ないけど、もう1回言ってあげるわ。お姉様を頂戴」
言ってあげたわ、と得意げな顔してるけど、さっきも聞こえてました。
そして、意味が分かりません。
だから、何が欲しいの?とわざわざ聞いてあげたのよ。
確かにあなたは私の妹だから、お姉様になれない。それは、天地がひっくり返っても、有り得ない話で、いつものように頂戴、と言われて上げられるものじゃない。
本当に欲しいなら、私達が産まれる前に戻って、あなたが先に産まれなきゃいけない。
そんな事絶対に無理なのを分かっているのに、なんでこんな事言っているんだ?
それも、その得意顔からして、突拍子な思いつきが、素晴らしい案のように言ってくるが、これまたどうしたらその考えにたどり着くの??と逆に関心する程おかしな事を口走っているよ。
「分かった?もう、お父様とお母様には話しを通してるから、私がお姉様に、あ、一人っ子になるから、お姉様でもないか」
ふふん、と満面の笑み浮かべているサラに、小さく溜息をついた。
でも、今の言葉に不安を覚えた。
どういう事?
お姉様になれるの?お父様やお母様に話をしてる?
意味がわかんない。
サラは、私が持っているもの、誰かが持っているもの、その中で自分が欲しいものがあったらすぐ、頂戴、と言って手に入れたけど今回ばかりはそうはいかないでしょう。
妹サラは2つ年下で、15歳。
いつも欲しい物は甘々の両親が次から次へと買って与えられていた。
家が伯爵家だから裕福で悠々自適で過ごすことが出来たうえに、サラはとても可愛かったから、両親の可愛がり様は半端なかった。
家族の私が見ても異常な程の溺愛ぶりで、たまに、
私ってば、もしかしたら幽霊になったのかしらん?
と勘違いする程、妹しか見えてなかった。
「あ!もうこんな時間。もう、またつまんない時間を潰してしまった」
何故か私を睨んで、部屋を出ていった。
だから、私のせいじゃないと思うんだけど。
さて、と今日はダンスの練習だったな。
先生が来る前にもう少し練習しておこうかな。
サラったら、そんなに遊んでいたら後で困るのに。
ふと、少し前に招待されたパーティーを思い出した。
外見は可愛いから、殿方からダンスの申し込みをされていたが、終わった後、顔を引き攣らせて去っていく殿方達。
ご愁傷様です。
明日には、いや、既に両足が赤く痣になっているだろうな、と湿布を渡したくなるもの。
サラのダンスのセンスのなさは、褒め讃える程だ。
私が、ダンスは令嬢のたしなみよ、より上手くなって損は無いわよ、とゆるーく言ってあげてるのに全く言うことを聞いてくれない。
デビュタントして間もないから、まだダンスの申し込みがあるだろうが、いつの間にか、誰にも声をかけてくれない日が来るんじゃないか、と本気で心配してる。
「お嬢様、シーフ様が来られました」
召使いの1人が、扉を叩き部屋の中に入ると、ダンスの先生の訪問を告げた。
「わかったわ」
さて、今日も頑張ろう。
うーん、背伸びした。
朝食後コーヒーを飲んで至福の時間に浸っている時に、私の横に仁王立ちし、唐突に言い出した。
いや、唐突と言うのは違うな。
だって、いつも唐突に、頂戴、を言い出してるのだから、唐突の言葉を使うのはおかしいかもしれない。
いつものように、かな。
「サラ、今度は何が欲しいの?」
コーヒーカップを置き、顔を見る。
「はあ?耳悪いんだね。また、言わなきゃいけないのぉ?」
貴族の女性として、はしたないと知っている筈なのに、腕組をし、私を見下げながら、大きくため息ついた。
「ほんと、グズでバカなお姉様をもつと、無駄な時間を使うわ。1回で聞いてくれない?私はあんたみたいに暇じゃないの。早く出かけたいんだからさぁ」
じゃあ出かければいいと思うけど。
暇じゃないと言うんならさっさと言って去っていけばいいでしょ。その説明をしている時間が勿体ないと思わないのだろうか?
はああああ、とわざとだと分かるようにまた、大きくため息をついた。
「バカだから仕方ないけど、もう1回言ってあげるわ。お姉様を頂戴」
言ってあげたわ、と得意げな顔してるけど、さっきも聞こえてました。
そして、意味が分かりません。
だから、何が欲しいの?とわざわざ聞いてあげたのよ。
確かにあなたは私の妹だから、お姉様になれない。それは、天地がひっくり返っても、有り得ない話で、いつものように頂戴、と言われて上げられるものじゃない。
本当に欲しいなら、私達が産まれる前に戻って、あなたが先に産まれなきゃいけない。
そんな事絶対に無理なのを分かっているのに、なんでこんな事言っているんだ?
それも、その得意顔からして、突拍子な思いつきが、素晴らしい案のように言ってくるが、これまたどうしたらその考えにたどり着くの??と逆に関心する程おかしな事を口走っているよ。
「分かった?もう、お父様とお母様には話しを通してるから、私がお姉様に、あ、一人っ子になるから、お姉様でもないか」
ふふん、と満面の笑み浮かべているサラに、小さく溜息をついた。
でも、今の言葉に不安を覚えた。
どういう事?
お姉様になれるの?お父様やお母様に話をしてる?
意味がわかんない。
サラは、私が持っているもの、誰かが持っているもの、その中で自分が欲しいものがあったらすぐ、頂戴、と言って手に入れたけど今回ばかりはそうはいかないでしょう。
妹サラは2つ年下で、15歳。
いつも欲しい物は甘々の両親が次から次へと買って与えられていた。
家が伯爵家だから裕福で悠々自適で過ごすことが出来たうえに、サラはとても可愛かったから、両親の可愛がり様は半端なかった。
家族の私が見ても異常な程の溺愛ぶりで、たまに、
私ってば、もしかしたら幽霊になったのかしらん?
と勘違いする程、妹しか見えてなかった。
「あ!もうこんな時間。もう、またつまんない時間を潰してしまった」
何故か私を睨んで、部屋を出ていった。
だから、私のせいじゃないと思うんだけど。
さて、と今日はダンスの練習だったな。
先生が来る前にもう少し練習しておこうかな。
サラったら、そんなに遊んでいたら後で困るのに。
ふと、少し前に招待されたパーティーを思い出した。
外見は可愛いから、殿方からダンスの申し込みをされていたが、終わった後、顔を引き攣らせて去っていく殿方達。
ご愁傷様です。
明日には、いや、既に両足が赤く痣になっているだろうな、と湿布を渡したくなるもの。
サラのダンスのセンスのなさは、褒め讃える程だ。
私が、ダンスは令嬢のたしなみよ、より上手くなって損は無いわよ、とゆるーく言ってあげてるのに全く言うことを聞いてくれない。
デビュタントして間もないから、まだダンスの申し込みがあるだろうが、いつの間にか、誰にも声をかけてくれない日が来るんじゃないか、と本気で心配してる。
「お嬢様、シーフ様が来られました」
召使いの1人が、扉を叩き部屋の中に入ると、ダンスの先生の訪問を告げた。
「わかったわ」
さて、今日も頑張ろう。
うーん、背伸びした。
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