【完結】頂戴、と言われ家から追い出されました

さち姫

文字の大きさ
15 / 19

15

しおりを挟む
「やっほー」

意気揚々といつもの傲慢な顔で私に微笑んだ。

びくりと心臓が鷲掴みになるほど、驚き嫌な気分になった。

朝早く客人が来てますと、客間に呼ばれた。

「何よ、朝早くからわざわざ来てあげたのに、誰も迎えがないなんて、どういう教育してんの?あ、もしかして、わざと?私を楽しませる為、的な?」

こちらの動向を見たいのがバレバレの、急な訪問。

「サラ、今日来ることは知らせてたの?」
「え。親戚なんだから、そんなもん必要ないでしょ。ねえお母様」

「そうよ。全く気がきかないわね。来てあげたんだから、早く部屋に通らせなさいよ。姉さんはまだ出てこないの?まあいいわ、わかってるから。サラ行きましょう」

「ほんっとにここの召使いも気が付かないのばっかりだわ。何様のつもりよ」

「本当ですよ」

ぼそりとシャオレが言うのに、あわてて、

「すぐ叔母様といくわ」

と言った。

「聞こえてませんよ」

「そうだけど」

だが、確かにどっちが何様のつもりなのか。

親しき仲にも礼儀あり、と言うように、親戚だからこそするべきだ。それさえも出来ないと、いやいつもの事だな。

サラも全く変わってない。

嫌な気分になったということは、あの家ともう関わり合いになりたくないと、と思っているんだな、と自分の気持ちに気づいた。

ふう、と溜息をつき叔母様を呼びに行いき、戻った。

「遅いいい!!」

勝手に来といて、酷い言い草だ。

ふんぞり返って座るサラは、伯爵令嬢とは思えない格好だ。

綺麗なドレスが勿体ない。

もう、お茶もお菓子も、食べ散らかしていた。

「あああ!!」

「え!?」

急に私を指さし立ち上がった。

「何よそのドレス!すごい高そう!!頂戴!!」

久しぶりに聞いた。

でも、これはあげれない。ガタルに頂いたものだから、絶対に嫌だ。

「・・・これは上げられないわ」

「はっ!?何言ってんの、頂戴よ!!」

顔つきが変わった。

私が初めて、駄目だと言ったのにも驚いたのだろうが、欲しいものは何が何でも、手に入れる。

喚いたり物を投げたり、まるで子供のように暴れまくる。

それが今までは当たり前だった。

その前に甘やかす両親があの手この手で、手に入れサラに渡す。

すぐ飽きるのに。

「これは、ミヤ様に求婚されている方からの頂き物ですので無理でございます」

静かにシャオレが後ろから答えた。

「そうよ。どうしてもミヤが欲しいと、言ってくださってるの」

横にいた叔母様も答えた。

「どの爵位なの?」

そこを1番に聞いてくる所がサラらしい。

それも負けたくない、と敵意むき出し顔で。

「爵位はありません」

シャオレの言葉に、お母様とサラは大声で笑いだした。

「爵位がないですって!男爵ぐらいに嫁ぐと思っていたらそれされえもない貧民になるのね。あ、無理して買って貰ってるのね。だから、数少ないからくれないんだ」

仕方ないなあ、といつもの嫌な笑いだ。

そうでは無い。

王家に爵位なんかない。

だって、王家なのだから。

そう思って成程と思った。

2人の答えは確かに正しい。そして、あえて教えないんだ。

「本当に、我が家を出たらこんな事になってるなんて、姉さんの愚かさがよくわかるわ。そんな男性を許すなんて。お金は持ってるの?それくらいは知ってるのよね」

「ええ。とてもね」

叔母様が言いながら、私に微笑んだ。

それも間違ってない。

「成金てわけか。いいわあ。じゃあ貰うのやめとくわ。なになに?いつ結婚するの?」

「それはまだ、決まってないわ。ミヤの気持ちを大事にして下さって、2ヶ月間待って下さってるの。これからよ返事は」

頷いた。

「決めちゃいなよ、ミヤに凄い似合ってるわ。もしかして、結婚したら農作業とかすんの?」

「稲刈りの手伝いしたわ」

この、人を人と思えない暴言。

昔から聞いているはずなのに、凄く腹が立つ。

「ぶふっ!!マジマジ!そいつに決めちゃいなよ。でも結婚式には呼ばないでね。汗臭い汚い農民なんかと一緒なんて、恥ずかしいわ。臭いしね」

「そんな事言うもんじゃないわ。私達の食料はその人の……」

「バッカね!!あいつらは私達がいるから、役に立ってんのよ。私達がいなけりゃ、意味の無い生き物なの!!」

「サラ、辞めてあげなさい。これから結婚するする御相手なのよ」

よくわかった。

「あ、ごめーん」

「本当に呼ばなくでいいのね?」

確認する。

はああああ、と大袈裟にため息をつかれた。

「さっきもい言ったでしょ。行かないわよ。ミヤがどうしても、と頼んでもお断りよ」

「わかったわ」

叔母様とシャオレの気持ちが、

よくわかった。

「じゃあ帰るわ。ミヤがの幸せな顔見れて安心したわ。そうそう、もうすぐ公爵様と会うことになってるの。あ、でもお、私達の結婚式には呼んであげるわ。これが本物の結婚式ていうのを見せてあげるわ。さ、お母様帰りましょう」

「そうね。じゃあ姉さんと義兄さんに、まともな考えにならないとミヤが不幸になるわよ、と教えて上げて」

「ええ。まともな考えを、ね。言っておくわ」

また、2人は可笑しそうに笑いだし帰って行った。

「よく我慢したわね」 

「・・・叔母様、シャオレ、私も仲間に入る!私も、この気持ちをそのまま返したい!!」

絶対に許さない。

あんな酷いことばっかりで、勝手なことばかりいって!

ぽんとシャオレが肩を叩いた。

「では、そうしましょう。これは、ミヤ様がメインで動かなければ意味はありません。それにね、もう、始まってるんですよ」

意味ありげに得意げに笑うシャオレに、叔母様も首を傾げた。

「何?」

「なんですの?」

「まあ、それはもう少し後でお伝えします。では、ミヤ様、婚約を決められたんですね」

「うーん、まあ、ね。ガタルが婚約しても、立場的に婚約期間も長いし、王宮での教育も入るから、やっぱり嫌だ、と思ったら何時でも言ってくれたらいいから、と言ってくれたから」

「あらあら、上手く言ってきたわね」

「やはりいい拾い物でしたね」

「だから、その言い方はどうかと思うよ。けど、悪い人じゃないし一緒にいて楽しいしね」

「成程。では、ミヤ様、どうやり返しますか?」

2人の顔を見る。

「多分同じ考えで出来ると思う。来月のパーティ」

「その通りね」

「やはり、そこですね」

この悔しい気持ちを、そっくりそのまま返してあげるわ。

 待ってなさい!
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

婚約破棄したくせに「僕につきまとうな!」とほざきながらストーカーするのやめて?

百谷シカ
恋愛
「うぅーん……なんか……うん、……君、違うんだよね」 「はっ!?」 意味不明な理由で婚約破棄をぶちかましたディディエ伯爵令息アンリ・ヴァイヤン。 そんな奴はこっちから願い下げよ。 だって、結婚したって意味不明な言掛りが頻発するんでしょ? 「付き合うだけ時間の無駄よ」 黒歴史と割り切って、私は社交界に返り咲いた。 「君に惚れた。フランシーヌ、俺の妻になってくれ」 「はい。喜んで」 すぐに新たな婚約が決まった。 フェドー伯爵令息ロイク・オドラン。 そして、私たちはサヴィニャック伯爵家の晩餐会に参加した。 するとそこには…… 「おい、君! 僕につきまとうの、やめてくれないかッ!?」 「えっ!?」 元婚約者もいた。 「僕に会うために来たんだろう? そういうの迷惑だ。帰ってくれ」 「いや……」 「もう君とは終わったんだ! 僕を解放してくれ!!」 「……」 えっと、黒歴史として封印するくらい、忌み嫌ってますけど? そういう勘違い、やめてくれます? ========================== (他「エブリスタ」様に投稿)

婚約破棄させたいですか? いやいや、私は愛されていますので、無理ですね。

百谷シカ
恋愛
私はリュシアン伯爵令嬢ヴィクトリヤ・ブリノヴァ。 半年前にエクトル伯爵令息ウスターシュ・マラチエと婚約した。 のだけど、ちょっと問題が…… 「まあまあ、ヴィクトリヤ! 黄色のドレスなんて着るの!?」 「おかしいわよね、お母様!」 「黄色なんて駄目よ。ドレスはやっぱり菫色!」 「本当にこんな変わった方が婚約者なんて、ウスターシュもがっかりね!」 という具合に、めんどくさい家族が。 「本当にすまない、ヴィクトリヤ。君に迷惑はかけないように言うよ」 「よく、言い聞かせてね」 私たちは気が合うし、仲もいいんだけど…… 「ウスターシュを洗脳したわね! 絶対に結婚はさせないわよ!!」 この婚約、どうなっちゃうの?

(完結)妹の身代わりの私

青空一夏
恋愛
妹の身代わりで嫁いだ私の物語。 ゆるふわ設定のご都合主義。

病弱を演じていた性悪な姉は、仮病が原因で大変なことになってしまうようです

柚木ゆず
ファンタジー
 優秀で性格の良い妹と比較されるのが嫌で、比較をされなくなる上に心配をしてもらえるようになるから。大嫌いな妹を、召し使いのように扱き使えるから。一日中ゴロゴロできて、なんでも好きな物を買ってもらえるから。  ファデアリア男爵家の長女ジュリアはそんな理由で仮病を使い、可哀想な令嬢を演じて理想的な毎日を過ごしていました。  ですが、そんな幸せな日常は――。これまで彼女が吐いてきた嘘によって、一変してしまうことになるのでした。

妹のせいで婚約破棄になりました。が、今や妹は金をせびり、元婚約者が復縁を迫ります。

百谷シカ
恋愛
妹イアサントは王子と婚約している身でありながら騎士と駆け落ちした。 おかげでドルイユ伯爵家は王侯貴族から無視され、孤立無援。 「ふしだらで浅はかな血筋の女など、息子に相応しくない!」 姉の私も煽りをうけ、ルベーグ伯爵家から婚約破棄を言い渡された。 愛するジェルマンは駆け落ちしようと言ってくれた。 でも、妹の不祥事があった後で、私まで駆け落ちなんてできない。 「ずっと愛しているよ、バルバラ。君と結ばれないなら僕は……!」 祖父母と両親を相次いで亡くし、遺された私は爵位を継いだ。 若い女伯爵の統治する没落寸前のドルイユを救ってくれたのは、 私が冤罪から助けた貿易商の青年カジミール・デュモン。 「あなたは命の恩人です。俺は一生、あなたの犬ですよ」 時は経ち、大商人となったデュモンと私は美しい友情を築いていた。 海の交易権を握ったドルイユ伯爵家は、再び社交界に返り咲いた。 そして、婚期を逃したはずの私に、求婚が舞い込んだ。 「強く美しく気高いレディ・ドルイユ。私の妻になってほしい」 ラファラン伯爵オーブリー・ルノー。 彼の求婚以来、デュモンの様子が少しおかしい。 そんな折、手紙が届いた。 今ではルベーグ伯爵となった元婚約者、ジェルマン・ジリベールから。 「会いたい、ですって……?」 ======================================= (他「エブリスタ」様に投稿)

妹が私の婚約者と結婚しちゃったもんだから、懲らしめたいの。いいでしょ?

百谷シカ
恋愛
「すまない、シビル。お前が目覚めるとは思わなかったんだ」 あのあと私は、一命を取り留めてから3週間寝ていたらしいのよ。 で、起きたらびっくり。妹のマーシアが私の婚約者と結婚してたの。 そんな話ある? 「我がフォレット家はもう結婚しかないんだ。わかってくれ、シビル」 たしかにうちは没落間近の田舎貴族よ。 あなたもウェイン伯爵令嬢だって打ち明けたら微妙な顔したわよね? でも、だからって、国のために頑張った私を死んだ事にして結婚する? 「君の妹と、君の婚約者がね」 「そう。薄情でしょう?」 「ああ、由々しき事態だ。私になにをしてほしい?」 「ソーンダイク伯領を落として欲しいの」 イヴォン伯爵令息モーリス・ヨーク。 あのとき私が助けてあげたその命、ぜひ私のために燃やしてちょうだい。 ==================== (他「エブリスタ」様に投稿)

幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ

猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。 そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。 たった一つボタンを掛け違えてしまったために、 最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。 主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?

姉にざまぁされた愚妹ですが何か?

リオール
恋愛
公爵令嬢エルシーには姉のイリアが居る。 地味な姉に対して美しい美貌をもつエルシーは考えた。 (お姉様は王太子と婚約してるけど……王太子に相応しいのは私じゃないかしら?) そう考えたエルシーは、自らの勝利を確信しながら動き出す。それが破滅への道とも知らずに…… ===== 性懲りもなくありがちな話。だって好きだから(•‿•) 10話完結。※書き終わってます 最初の方は結構ギャグテイストですがラストはシリアスに終わってます。 設定は緩いので何でも許せる方向けです。

処理中です...