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「それで、これからどうするつもりだ」
「『片付け』の聖女の極大魔法を発動させて、加護の回収と記憶の改ざんを行いましたからね。私は故郷に帰ります」
「恩人を追い出すような真似はしない」
「そもそも、魔法少女として活動しているところを見られたら、『片付け』の聖女としての力も失ってしまうのです。殿下のお役にはもう立てそうもございません。どうぞ故郷へ戻ることをお許しください」
今まで王太子に対してもぞんざいな口調だったのは、『片付け』の聖女だったから。力を失った状態では、貴族の令嬢として礼を尽くすのみだ。だが、そんな彼女のことを王太子がぎゅっと抱きしめた。
「こちらを夢中にさせておきながら、お前は俺を捨てると?」
「へ?」
「お前がいなくなるなど許さない」
「いや、殿下。それ、超わがままじゃないですか? 聖女という理由もなしに、田舎貴族の令嬢をそばに留め置いちゃダメですよ」
つい素の口調でツッコミを入れたところで、王太子がにやりと笑う。
「まったく不敬な女だ。しっかりと躾けてやろう」
「はわわあわわわ」
「急にどうした」
「いや、だって、なんか台詞が超エロくてですね。なんだか萌えパワーがみなぎってきて……あれ? 聖女としての力が復活しているような」
「回収した加護を与えた神々が、また別の加護をぽこぽこそこらへんに授けたのであろうよ。もしくはお前の桃色妄想が天元突破したのかもしれんな」
あきれ果てたといいたげなもふもふが、説明しつつ、気だるげにワインをラッパ飲みしていた。後片付け中のパーティ会場から持ち出してきたらしい。可愛らしいが、よく考えると最低な絵面である。
「いや、殿下。それはやっぱりなんというか」
「お前を望んで何が悪い?」
「力目当てですか! 殿下、私の身体だけが目当てなんですね! いくら、特別な力を宿しているからって。いやらしい! スケベ!」
「そうだ。お前の身体目当てだ。好きな女と相思相愛だとわかっているのに、王国の利益のために口に出せず、好きでもない女どもの機嫌をとっていた男の不満がわからないのか?」
「わわわわわわあ、な、なにを言っているのか、意味が」
「意味がわからないのなら、わかるようになるまでじっくり教えてやろう。そもそもお前が聖女の力を取り戻さずとも、逃がす気はなかったからな」
「アンネマリー、この男は『良縁』の加護を持っていた。お前とこいつを結ぶ赤い糸が日に日に太くなって、紐どころか綱になっていくさまはさながらホラーだったぞ。まあ相思相愛なら、かまわんだろ。諦めろ」
それから引退し損ねた「片付け」の聖女さまは、愛されポンコツ王妃として長く国民に愛された。ときどきとんでもなく個性的なドレスをお召しになるらしい、それは夫君のご趣味らしいという噂をまき散らしながら、大好きな旦那さまのためにせっせと働いたと言われている。
「『片付け』の聖女の極大魔法を発動させて、加護の回収と記憶の改ざんを行いましたからね。私は故郷に帰ります」
「恩人を追い出すような真似はしない」
「そもそも、魔法少女として活動しているところを見られたら、『片付け』の聖女としての力も失ってしまうのです。殿下のお役にはもう立てそうもございません。どうぞ故郷へ戻ることをお許しください」
今まで王太子に対してもぞんざいな口調だったのは、『片付け』の聖女だったから。力を失った状態では、貴族の令嬢として礼を尽くすのみだ。だが、そんな彼女のことを王太子がぎゅっと抱きしめた。
「こちらを夢中にさせておきながら、お前は俺を捨てると?」
「へ?」
「お前がいなくなるなど許さない」
「いや、殿下。それ、超わがままじゃないですか? 聖女という理由もなしに、田舎貴族の令嬢をそばに留め置いちゃダメですよ」
つい素の口調でツッコミを入れたところで、王太子がにやりと笑う。
「まったく不敬な女だ。しっかりと躾けてやろう」
「はわわあわわわ」
「急にどうした」
「いや、だって、なんか台詞が超エロくてですね。なんだか萌えパワーがみなぎってきて……あれ? 聖女としての力が復活しているような」
「回収した加護を与えた神々が、また別の加護をぽこぽこそこらへんに授けたのであろうよ。もしくはお前の桃色妄想が天元突破したのかもしれんな」
あきれ果てたといいたげなもふもふが、説明しつつ、気だるげにワインをラッパ飲みしていた。後片付け中のパーティ会場から持ち出してきたらしい。可愛らしいが、よく考えると最低な絵面である。
「いや、殿下。それはやっぱりなんというか」
「お前を望んで何が悪い?」
「力目当てですか! 殿下、私の身体だけが目当てなんですね! いくら、特別な力を宿しているからって。いやらしい! スケベ!」
「そうだ。お前の身体目当てだ。好きな女と相思相愛だとわかっているのに、王国の利益のために口に出せず、好きでもない女どもの機嫌をとっていた男の不満がわからないのか?」
「わわわわわわあ、な、なにを言っているのか、意味が」
「意味がわからないのなら、わかるようになるまでじっくり教えてやろう。そもそもお前が聖女の力を取り戻さずとも、逃がす気はなかったからな」
「アンネマリー、この男は『良縁』の加護を持っていた。お前とこいつを結ぶ赤い糸が日に日に太くなって、紐どころか綱になっていくさまはさながらホラーだったぞ。まあ相思相愛なら、かまわんだろ。諦めろ」
それから引退し損ねた「片付け」の聖女さまは、愛されポンコツ王妃として長く国民に愛された。ときどきとんでもなく個性的なドレスをお召しになるらしい、それは夫君のご趣味らしいという噂をまき散らしながら、大好きな旦那さまのためにせっせと働いたと言われている。
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テンポもノリもアッサリ感も、
いい感じのバカバカしさも良かったです🤣
面白かったです😄