[異世界恋愛短編集]私のせいではありません。諦めて、本音トークごと私を受け入れてください

石河 翠

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1.私のせいではありません。諦めて、本音トークごと私を受け入れてください

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 って、どうしてこうなった。

「アリサ、今日も可愛いな。だが、その衣装は男の目を引きすぎる。もう少し、露出を少なくするように。ああ、今夜のデザートはアリサの好きなベリーパイだ。心配せずとも、例の書類については」
「好き勝手に何言ってやがるんですか。魔力不足は回復したとはいえ、読心能力も消えていないし! むしろ前より口数が増えてうるさい!」
「すごいな、心の声と口に出ている言葉が完全に一致しているアリサはいつ見ても気持ちがいい」
「マジで失礼ですね!」

 結局私は元の世界には帰らなかったし、旦那さまが異能を失うこともなかった。まあ、旦那さまの肌艶が少しばかり健康的になったような気はする。

「どうしてあの時、私の声を戻してほしいなんて願っちゃったんです。もっと他に望むべきものがあったでしょうが」
「声をちゃんと聞きたいと思ってね」
「私の声?」
「アリサの喘ぎ声は、やはり心ではなく耳で直接聞く方が甘くて美味しい。溢れ出る魔力も至高の味わいだ」
「うっ」
「ありのままのわたしを受け入れてくれたアリサなのだ。わたしもありのままのアリサを愛しているよ」

 嬉しいような、嬉しくないような。旦那さま、顔の良さで全部ごり押ししてきやがりますね。好き。全部許す。

 ちなみにお嬢さまは、もしも私が銀の杭を使用していたらこれ幸いとばかりに辺境伯の地位に就いて実権を握る予定だったらしい。いつまでもうじうじしていて、ようやく来た嫁にも手を出せないようなヘタレにこの地の防衛など任せてはおけないと考えていたのだとか。

 やはり、見た目以上にアグレッシブなご令嬢である。結局彼女は、そんなに辺境伯の仕事をしたいのならと国境付近に女騎士として派遣されたのだけれど、ものすごい勢いで武勇を上げているそうだ。

「何を考えている?」
「いや、お嬢さまはお元気にしているかなあと思いまして」
「殺しても死なない女だぞ」
「あのお嬢さまなら、『くっ殺女騎士』になるどころか、相手を手懐けて逆ハーレムを築きそうですし、いつの間にか隣国も手中におさめてそうです」
「いつまでも、わたしの前で他の人間の話をするとは良い度胸だ」
「へ?」

 思ったよりも嫉妬深かったことを思い出して慌てて口をつぐんだのだけれど、旦那さまはそれは楽しそうに口角をにっこりあげたのだった。ひーん、これは朝までコースだ。ごめんなさい。そういうわけでとりあえず私は、愛する旦那さまの元で幸せに暮らしております。
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