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二 渦
ナニカ2
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「れ、霊道!?」
堀先輩が悲鳴に近い声を上げて、部屋を見渡した。
「じゃ、じゃ、ここになんかいるのかよ?!」
私も室内をキョロキョロとして見たが当然見えない。
霊感が少しだけあるとはいえ、見えることは稀だ。
「なに? いきなり人んち来て鬼門だとか霊道だとか失礼じゃない? バカみたい」
悠里が刺々しい言葉でなじる。
私から言わせれば、呪いをやっちゃうほうがそら恐ろしい。
でも。
悠里の変化に、良くないモノが関わってるのだとしたら、説明がいく気がした。
「じゃあ、どうするんですか? 引っ越しを考えるとか?」
橋本先輩が首を横に振って、「試す」と言った。
「何をです?」
ビビった堀先輩がいつの間にか私の背中にくっついているので、暑苦しい。
「俺にできるかわからないけれど、ここに現在居座ってる霊を祓う」
橋本先輩は、ある一点を見つめて低い声で言った。
先輩が見つめていたのは、部屋のクローゼットと出窓の間にある隙間だ。
つられて私も、そこを見ているうちに、なんとなくぞわッときた。
光が入り込まないからか、昼間なのに暗く感じてしまう。
「祓うってなに? 霊媒師にでもなったつもり? 気持ち悪いこというのやめてよ」
悠里が青ざめた顔で橋本先輩を見た。
「霊媒師ではないけど。お前がまた生霊飛ばして、誰かを苦しめて、それが己に跳ね返ってくるのを手助けしてる霊を一時的にでも追い出すんだよ」
“生霊” と、本人の前で初めて口にした先輩の口調は冷たかったけれど、表情は怒ってなかった。
橋本先輩は、用意していたらしいグラスに、おそらく清水《せいすい》だと思われる透明な液体を入れて、淀んだ所へ榊と一緒に置いて、その水を辺り一面に振りかけた。
――もし。
橋本先輩が、陰陽道を心得てる人なら、私が映画や漫画で見た、有名なあの呪文を唱えるはずだ。
――臨・兵・闘・者・皆・陣・裂・在・前――
陰陽道だけでなく修験道等でも基本的に「護身」用の呪文として使われていたという呪文。映画の中では、この九字を唱えるだけで、結界をはる事ができて自分自身の身を守る事ができるようだった。
しかし、橋本先輩は――
堀先輩が悲鳴に近い声を上げて、部屋を見渡した。
「じゃ、じゃ、ここになんかいるのかよ?!」
私も室内をキョロキョロとして見たが当然見えない。
霊感が少しだけあるとはいえ、見えることは稀だ。
「なに? いきなり人んち来て鬼門だとか霊道だとか失礼じゃない? バカみたい」
悠里が刺々しい言葉でなじる。
私から言わせれば、呪いをやっちゃうほうがそら恐ろしい。
でも。
悠里の変化に、良くないモノが関わってるのだとしたら、説明がいく気がした。
「じゃあ、どうするんですか? 引っ越しを考えるとか?」
橋本先輩が首を横に振って、「試す」と言った。
「何をです?」
ビビった堀先輩がいつの間にか私の背中にくっついているので、暑苦しい。
「俺にできるかわからないけれど、ここに現在居座ってる霊を祓う」
橋本先輩は、ある一点を見つめて低い声で言った。
先輩が見つめていたのは、部屋のクローゼットと出窓の間にある隙間だ。
つられて私も、そこを見ているうちに、なんとなくぞわッときた。
光が入り込まないからか、昼間なのに暗く感じてしまう。
「祓うってなに? 霊媒師にでもなったつもり? 気持ち悪いこというのやめてよ」
悠里が青ざめた顔で橋本先輩を見た。
「霊媒師ではないけど。お前がまた生霊飛ばして、誰かを苦しめて、それが己に跳ね返ってくるのを手助けしてる霊を一時的にでも追い出すんだよ」
“生霊” と、本人の前で初めて口にした先輩の口調は冷たかったけれど、表情は怒ってなかった。
橋本先輩は、用意していたらしいグラスに、おそらく清水《せいすい》だと思われる透明な液体を入れて、淀んだ所へ榊と一緒に置いて、その水を辺り一面に振りかけた。
――もし。
橋本先輩が、陰陽道を心得てる人なら、私が映画や漫画で見た、有名なあの呪文を唱えるはずだ。
――臨・兵・闘・者・皆・陣・裂・在・前――
陰陽道だけでなく修験道等でも基本的に「護身」用の呪文として使われていたという呪文。映画の中では、この九字を唱えるだけで、結界をはる事ができて自分自身の身を守る事ができるようだった。
しかし、橋本先輩は――
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