転生陰陽師は呪詛をしたくない—余命半年の陰陽師【全公開はカ◯ヨムのみ】

光月海愛(こうつきみあ)

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四 白と黒

普通の人

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 でも。
 うちの神社で丑の刻参りしてたオカルト団体と、【ゴールド・スター】は関連性はあるのかな?
 悪魔と鬼と崇拝する対象が違うし、それに同じ黒魔術でも血生臭さが段違いのような……。
 もし、【ゴールド・スター】が堀先輩の行方不明に関わってるのだとしたら、一体どこに拘束されてるんだろうか?
 今頃、無事でいるんだろうか?

「そういや、リリの部活の先輩、神社に行ったきり帰ってないんでしょ? 見つかったの? 皆、場所が場所だけに神隠しって言ってるよ」

 加奈がついでのように訊いてきた。

「まだ。ちょっとメッセージ送ってみる」

 どうせ既読にはならないだろう、と思いながらも何度も送った同じ文言のメッセージ。

【皆が心配してます どこにいますか?】

 ――数十秒後。

 今日のは直ぐに既読がついた。

「う、そ」

「どうした? 面白い顔して」

「堀 先輩に連絡つくかも!」

 私は咄嗟に電話をかけた。
 けれど、電話は取ってくれなかった。
 ううん、取れなかったのか。
 もしかしたら、橋本先輩が電話をかけたら取ったかも。

「ちょっと、三年生のところ行ってくる」

「えー、もうすぐホームルーム始まるよ」

 居ても立っても居られず、私は橋本先輩の教室に向かった。
 お父さんからは、部活以外は関わるなって言われていたけど、だからなのか尚更、顔見て話したくなった。

 先輩は大体どんな時も“話しかけるな”オーラを出していて、近寄りがたい。
 でも、ある程度心を許した人になら、その堅い殻から少しだけ素を見せてくれる。
 それを見たことのある私は、心の何処かで勘違いしてたのかもしれない。
 だから、おかしなことを口走ったりしたんだ。

 教室に入ろうとする橋本先輩の背中を見つけて、

「はし……」

 声をかけようとして言葉を呑み込んだのは、先輩が珍しく笑顔で同級生と挨拶を始めたからだ。

「あれ、なんか今日の橋本君、ご機嫌?」

 その中には女子も含まれて、先輩の変化に嬉しそうにしていた。
 見慣れない光景に戸惑う私。

 ――先輩、普通の人になってる。

 『普通が一番だ、普通の高校生に戻りなさい』

 うちのお父さんがああ言ったから、あの堅い殻を突き破ろうとしてるのかな?
 そう思ったら、先輩……健気。
 だけど。
 ちょっぴり、寂しい。
 私は、橋本先輩に声かけることなく自分の教室に戻った。



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