レンズ越しの彼は……

なめめ

文字の大きさ
18 / 33
複雑な幼なじみからの告白

複雑な幼なじみからの告白③

しおりを挟む


準備をしていくうちに気が付けば開場の時間になっていた。赤や青、黄色、オレンジなど色とりどりのヨーヨーをプールの水に浮かべて遊びに来る子供たちを待つ。
一般客は一回100円。施設内の子供たちは利用者パスを首から下げて、遊び放題だった。

 子供たちが釣り糸で目当てのヨーヨーを一生懸命釣る姿を楽しそうに眺める遼人の傍らで、旭は時折手持ちのカメラのシャッターを切りながらも、彼らの手伝いをしていた。


 星杏ちゃんも、準備前は遼人と喧嘩腰であったものの楽しんでいるようで一先ず安堵した。

 丁度、御昼を回った頃。旭は、遼人たちのためにお昼ご飯の差し入れするために売り場を離れた。

 施設で暮らしていてお世話になった理事長や、食堂のおばちゃん、OBに挨拶しがてら、屋台の焼きそばや焼き鳥、飲み物やらを購入しに行く。

 遼人たちの出店に戻ってくると、白い口元のちょび髭が特徴的なおじいちゃん先生こと武夫先生が代わりに店番をして遼人はそのすぐ後ろでパイプ椅子に座って休んでいた。

「遼、ただいま。武夫先生もありがとうございます。差し入れです」

 椅子に座る遼人には買ってきた焼きそばとお茶を渡す。店番をしている御客さんが引いたのを見計らって先生にも同じものを渡した。

「旭くんわざわざ、ありがとね。君も手伝ってくれて助かってるよ」
「いいえ、先生方にはお世話になったので……。僕、店番代わるので休んでてください。遼も」
「そうかい?じゃあお言葉に甘えて少しだけ席を外していいかい?」
「はい、ごゆっくり」

 旭が渡した食べ物を持って席を立つ武夫先生を見送り、旭が代わりに先生が座っていたパイプ椅子に座る。

「お前、お人好しすぎだろ。あくまでお前ゲスト側だろ?」
 
背後から遼人に問われて振り返る。

「先生にはお世話になってたし。僕も暇だから」
「そう……」
「そういえば、星杏ちゃんは?」
「ああ、そこら辺の露店見に行った」
「そっか、遼はいいの?」
「うん、此処にいる方が楽しいからいい」
「そっか、遼が楽しんでくれてれば僕はこれ以上言うことないよ」

 遼人は割り箸で焼きそばを食べながら答える。確かに小学生の頃は一緒に廻っていた露店も、中学生になって大人と手伝えるようになってから遼人はすっかりホスト側になっていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】俺はずっと、おまえのお嫁さんになりたかったんだ。

ペガサスサクラ
BL
※あらすじ、後半の内容にやや二章のネタバレを含みます。 幼なじみの悠也に、恋心を抱くことに罪悪感を持ち続ける楓。 逃げるように東京の大学に行き、田舎故郷に二度と帰るつもりもなかったが、大学三年の夏休みに母親からの電話をきっかけに帰省することになる。 見慣れた駅のホームには、悠也が待っていた。あの頃と変わらない無邪気な笑顔のままー。 何年もずっと連絡をとらずにいた自分を笑って許す悠也に、楓は戸惑いながらも、そばにいたい、という気持ちを抑えられず一緒に過ごすようになる。もう少し今だけ、この夏が終わったら今度こそ悠也のもとを去るのだと言い聞かせながら。 しかしある夜、悠也が、「ずっと親友だ」と自分に無邪気に伝えてくることに耐えきれなくなった楓は…。 お互いを大切に思いながらも、「すき」の色が違うこととうまく向き合えない、不器用な少年二人の物語。 主人公楓目線の、片思いBL。 プラトニックラブ。 いいね、感想大変励みになっています!読んでくださって本当にありがとうございます。 2024.11.27 無事本編完結しました。感謝。 最終章投稿後、第四章 3.5話を追記しています。 (この回は箸休めのようなものなので、読まなくても次の章に差し支えはないです。) 番外編は、2人の高校時代のお話。

【完結】男の後輩に告白されたオレと、様子のおかしくなった幼なじみの話

須宮りんこ
BL
【あらすじ】 高校三年生の椿叶太には女子からモテまくりの幼なじみ・五十嵐青がいる。 二人は顔を合わせば絡む仲ではあるものの、叶太にとって青は生意気な幼なじみでしかない。 そんなある日、叶太は北村という一つ下の後輩・北村から告白される。 青いわく友達目線で見ても北村はいい奴らしい。しかも青とは違い、素直で礼儀正しい北村に叶太は好感を持つ。北村の希望もあって、まずは普通の先輩後輩として付き合いをはじめることに。 けれど叶太が北村に告白されたことを知った青の様子が、その日からおかしくなって――? ※本編完結済み。後日談連載中。

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

ある日、友達とキスをした

Kokonuca.
BL
ゲームで親友とキスをした…のはいいけれど、次の日から親友からの連絡は途切れ、会えた時にはいつも僕がいた場所には違う子がいた

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

寡黙な剣道部の幼馴染

Gemini
BL
【完結】恩師の訃報に八年ぶりに帰郷した智(さとし)は幼馴染の有馬(ありま)と再会する。相変わらず寡黙て静かな有馬が智の勤める大学の学生だと知り、だんだんとその距離は縮まっていき……

【完結・BL】春樹の隣は、この先もずっと俺が良い【幼馴染】

彩華
BL
俺の名前は綾瀬葵。 高校デビューをすることもなく入学したと思えば、あっという間に高校最後の年になった。周囲にはカップル成立していく中、俺は変わらず彼女はいない。いわく、DTのまま。それにも理由がある。俺は、幼馴染の春樹が好きだから。だが同性相手に「好きだ」なんて言えるはずもなく、かといって気持ちを諦めることも出来ずにダラダラと片思いを続けること早数年なわけで……。 (これが最後のチャンスかもしれない) 流石に高校最後の年。進路によっては、もう春樹と一緒にいられる時間が少ないと思うと焦りが出る。だが、かといって長年幼馴染という一番近い距離でいた関係を壊したいかと問われれば、それは……と踏み込めない俺もいるわけで。 (できれば、春樹に彼女が出来ませんように) そんなことを、ずっと思ってしまう俺だが……────。 ********* 久しぶりに始めてみました お気軽にコメント頂けると嬉しいです ■表紙お借りしました

恋の闇路の向こう側

七賀ごふん
BL
学校一の優等生として過ごす川音深白には、大切な幼馴染がいる。 家庭の事情で離れ離れになった幼馴染、貴島月仁が転校してくることを知った深白は、今こそ昔守られていた恩を返そうと意気込むが…。 ──────── クールで過保護な攻め×完璧でいたいけど本当は甘えたい受け

処理中です...