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ビカード村にて
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トレント変異種討伐の依頼を受けた翌日、俺達はヘスニルから南に延びる街道を辿ってビカード村へと向かうことにした。
バイクを先頭に馬が2頭続き、かなりの速度で走っている。
今回の討伐に際し、俺とコンウェルの他に同行者が付かない可能性があったのだが、このことをパーラに話すと当然のように同行を口にし、俺としてもパーラと一緒の方が心強いので快諾して今はバイクの後部シートに座らせている。
2頭いる馬の内1頭にはコンウェルが乗っているのだが、もう1頭の方にはギリアムが乗っていた。
なんでも元々コンウェルとは知り合いだったらしく、今回の討伐の話をどこからとなく聞くと、流石に俺とコンウェルの2人だけでは心配になり、ルドラマに直訴する勢いでこの同行の許可をもぎ取って来たという。
意外とやることが大胆だと思うが、ギリアムを含めたビカード村の住民の護衛についていた騎士たちは現在休養を与えられているため、この同行も騎士としての立場ではなく、一人の冒険者として付いて来ているのだそうだ。
確かに身に着けているのは以前見た騎士の鎧ではなく、革鎧の所々に金属製のプレートが打ち付けられている軽鎧姿になっていた。
ビカード村へは普通に人の足では徒歩で3日はかかると言われている。
避難民がヘスニルへ到着するのに4日ほどかかったのは、大人数の移動であることと怪我人の存在があったせいだろう。
なので俺達の様に馬の速度で走り続ければ、朝発って夜になる前には着くぐらいの時間で着いてしまう。
そうなるとビカード村についてすぐに討伐とはいかず、一晩野宿をして次の日から討伐に乗り出すことになる。
道中に一度休憩を挟み、馬の疲労が回復するまでの間に食事を摂ることにした。
春の昼ともなると大分暖かいもので、街道脇に火を熾して料理をすると汗ばむぐらいになっていた。
火にかけた鍋には乾燥した野菜と干し肉、大麦をはじめとした雑穀類をまとめて煮込んだ粥のようなリゾットのような中途半端な料理が出来上がっていた。
本当は米があればいいのだが、まだ出来上がっていないだろうし、べスネー村とヘスニルでは距離がかなりあるため、流通し始めるのはまだまだ先のことになりそうだ。
お湯で戻した野菜とジャガイモを潰したものを味付けして混ぜ合わせたポテトサラダ擬きを皿に山盛りで添え、4人分の昼飯が完成した。
最初に食べたコンウェルが感心するようなため息とともに口を開いた。
「こりゃあうまいな。出先でこんなものが食えるなんて、冒険者稼業じゃ普通有り得ないぞ。お前らいつもこんなの食ってんのか?」
「まあ大体はこんな感じですね」
「アンディと一緒ならいつでもおいしいものが食べられる。おかわり」
ズイッと皿を差し出しながらそういうパーラは、何故かドヤ顔をしている。
なぜお前が威張る?
「まあアンディは普通の冒険者と一緒にするには規格外すぎるんだろう。俺が前に一緒に森を抜けた時も色々と非常識なものを見せられたからな」
ギリアムが遠い目をしながら思い出しているのは、恐らく俺と一緒に初めて出会った時のことだろう。
思い返してみると、こっちの世界のことを何も知らなかった俺は結構派手にやらかしていたのではないかと、今になって少し反省している。
「それにしても…バイクだっけか?あれ、いいよな」
「あぁ、それは俺も思った。騎士団に一つあれば早馬の代わりに使えるかもしれん」
コンウェルとギリアムから注がれる視線を受け、少しバイクの説明をしておく。
魔力タンクを使っているので定期的に魔力の補充が必要なことと、今俺が乗っているのは手ずから設計し、高性能の魔石を積んでいるため同じ性能のバイクは簡単には作れないことを伝えると、コンウェルはガッカリした顔をして諦めたようだったが、ギリアムは少し悩みはしても諦める様子は感じられない。
騎士団がバイクを所有するとなれば、所属している魔術師を使えば魔力の補充もそれほど困らないし、騎士団としての活動の中で強力な魔物を倒す機会もあるのだからそれに見合った高品質な魔石も手に入る可能性はある。
一応ルドラマが一台自分用にバイクを持っていると教えておけば、その伝手を使ってバイクの制作も出来るだろう。
休憩を終えて移動するとなったら、コンウェルがバイクに乗りたいと言い出して来た。
「おいずるいぞ、コンウェル!そういうことなら俺だって乗りたい!」
「バカ野郎、言い出しっぺは俺なんだ。お前は別の機会にしとけ」
「その別の機会はいつになるんだ。大体、俺は将来的に騎士団にバイクを導入するのを見越して乗り心地をだな…」
「そっちこそその将来的にってのはいつなんだよ。俺は今乗りたいんだ」
大の大人がギャーギャー言い争う姿は実に見苦しいものだ。
そもそもバイクは練習も無しに運転するのは難しいので、運転は俺かパーラがして一人を後ろに乗せるということになる。
そうなるとバイクを降りたどちらかが馬で移動するのだが、正直バイクの乗り心地にすっかり慣れ切ってしまった俺の尻が馬による振動に耐えられるのか心配だ。
どうしたものかと思っていると、俺の服をクイクイと引っ張っるパーラが口を開く。
「アンディ、私が馬に乗るよ」
「いいのか?」
「うん、そうしないとあの2人はいつまでも言い合いを続けるからね」
まあ確かに。
子供に気を使わせる大人というのはどうなのだろうか?
ついついジト目で2人を見てしまうのも仕方ない事だろう。
過去のことまで持ち出して言い合っていた2人にパーラが馬に乗ることを伝え、まずはコンウェルを先に後ろに乗せて走り、次の休憩の時にギリアムがコンウェルと交代するということで話をまとめ、ようやく出発することができた。
馬とは違って振動がほとんどなく、目線も低い状態で走る光景は新鮮なようで、コンウェルは子供の様にはしゃいでいる。
それは交代したギリアムも同様で、興奮した様子の2人ともがバイクへの憧れはますます強まったように感じられた。
緊張感に欠けた移動となったが、2度の休憩を経てようやく俺達はビカード村に到着する。
空は夕焼け色に染まっており、あと1時間もしないで完全に日は沈むだろう。
俺達は村から少し離れた場所にある、恐らく普段は農作業をする村人たちの休憩に使われていただろう小屋を宿とすることに決めた。
ただこの小屋には馬を入れる場所がないため、野生動物や魔物が出る可能性を考えると無防備に馬を外に置くのは躊躇われる。
そこで俺が土魔術で簡単な馬房付きの小屋を作ることにした。
特に形に凝る必要も無く、屋根付きの頑丈な小型の厩舎が出来上がる。
その中に馬を牽きいれるが、特に興奮する様子も無く大人しく馬房にそれぞれ入っていく。
俺が土魔術で建物を作る光景を既に見ているパーラとギリアムは特に反応することなく馬の移動を手伝ってくれたが、この光景を初めて見るコンウェルは口をアングリと開けて硬直していた。
「噂には聞いていたが、こうして目にすると凄いものだったな。…ギリアム、お前は驚いていないが、見たことがあったのか?」
「ああ、俺は以前アンディが野営用の小屋を建てたのを利用したことがあるからな」
「そうか。…こうして見ると避難所の家を一人で作ったって話も本当だったってことか」
しみじみと話す2人をよそに、俺とパーラはバイクから荷物を下ろして今日の宿となる小屋へと運んでいく。
「それでどうします?今日はこのまま休みますか?」
この面子の中ではリーダー的な位置にいるコンウェルにこの後のことを尋ねる。
「いや、少しだけ討伐目標を偵察に行こうと思っている。俺とギリアムだけで行ってもいいが、お前たちも見ておいた方がいいだろう」
「そうだな。一度、目にしておくだけでも心に余裕ができる。そうすれば実戦の際に余計な力が抜けて思う通りに体が動かせるはずだ」
流石、経験値が俺達とは違う。
戦う前からの準備は精神的なものにまで及ぶのが熟達した戦士の在り方だと見せつけられた気分だ。
早速薄闇が漂い始めたビカード村へと潜入する。
偵察である以上は無暗に敵を刺激する必要はないし、本番が明日である以上はここで怪我をするのは避けたいところだ。
村の周りを囲っていた柵が所々壊れていたため、そこから俺達は侵入する。
この柵を壊したのがトレント変異種なのかそれ以外なのかはわからないが、壊れ方からすると明確な意思があって壊したというよりも、猪か何かが進行方向にあった物をそのままぶち抜いたといった感じがした。
立ち並ぶ家々を縫うように極力音を立てずに進み続けると、村の中の広場が見える位置までたどり着く。
家の壁に張り付くようにして顔をのぞかせると、広場の中央には高さ15メートルほど、幹回りは大人3人が手を繋いでようやく囲えるぐらいの太さの木が立っていた。
もちろんこれが普通の木ではないのは一目瞭然で、枝に葉は無く、木肌も普通の木とはかけ離れた真っ青な色とあっては、まず間違いなくこいつがトレント変異種であろうと予想がつく。
「あれか。情報通りに広場の真ん中にある井戸の上に陣取っているようだな。放置すれば汲み上げた水でこの先どんどん成長していくぞ」
「…俺がこの村に護衛で派遣された時はあんなところにはいなかった。村の西側にある窪地にいたのがここまで来ていたとはな」
ビカード村が襲撃されたのは村の西側で、居合わせた冒険者と騎士が迎撃したが、住民を守りながらの撤退戦だったため、防御に専念できたおかげで怪我人こそ出たが死者は出なかったと聞いている。
だが討伐となれば正面からあの巨体から繰り出される攻撃と向き合う必要があるため、先の撤退戦とは難易度は比較にならないだろう。
現に討伐隊は一度敗れているのだし。
「あの周りにある死骸はなんですかね?」
「あっちのは灰色狼に角猪、それとそっちに足長狐と…私も知らないのがいくつかある」
変異種の周りにはポツポツと動物や魔物の死骸が落ちており、その配置が変異種を中心に散らばっていることから奴が殺したのは間違いない。
俺とパーラの疑問にコンウェルが答えをくれた。
「あれがトレント種のやり方だ。ああして放っておけば土に返って養分になるし、他の動物が死体の匂いを嗅ぎつけて引き寄せられて来たら、また殺して養分兼撒き餌にするんだ」
なるほど、よく考えられているな。
ああしているだけで匂いに誘われて肉を狙った動物は自分から来てくれるし、仮に獲物が来なかったとしても土に返った養分を吸収したのち、自分から移動して獲物がいる場所を目指すというわけか。
「あの感じだと、一番外側にある死体が変異種の攻撃の有効射程と言うことになるんですかね?」
俺の視線の先には元はキツネ型の動物だっただろうと思われる、内臓をばらまいて息絶えている物体があった。
変異種からは10メートルほど離れた位置にあるそれ以外に死体が無いことからも、そこが変異種が攻撃を届かせることが出来る距離ではなかろうか。
「うん?…なるほど、確かにそうとも言えるな。とはいえかなり離れているし、あれだけの距離があれば有効な攻撃は限られている。ギリアム、あの距離で効く攻撃は?」
「無いな。俺とお前は完全に近接戦闘型だ。アンディやパーラなら魔術で攻撃できるだろうが、どうなんだ?」
俺とパーラが魔術を使えるのは既に明かしているので、この状況では普通なら俺達に縋るのが正しいだろう。
「威力は問題ないですけど、逆に威力がありすぎて他の建物に被害が出る恐れがあります」
「私の方は威力不足だと思う。まだ強い攻撃が使えるほど魔術には慣れてないから」
威力がありすぎて被害が広まるのと、威力が足りてなくて決定打にはなりえない二人の魔術師はさぞかし使いどころが難しい存在だろう。
極力村に被害は出ないようにと言われているため、大規模な攻撃魔術は厳禁だ。
トレント変異種の大きさを見るに、恐らくかなりの高威力で攻撃する必要があるが、そうなると周りに建つ民家の2軒や3軒は瓦礫に変わる恐れもある。
「まあ仕方ない、いざとなったら被害を気にせず変異種を倒せ。そうなる前に何とか倒す手立てを考えよう。とりあえず一旦戻るぞ」
コンウェルがそう言って振り返って歩き出すと、遠くの方にいる変異種が一瞬ブルリと蠢くのを見た。
その瞬間、背筋を駆けのぼる電流のような直感に従い、コンウェルの横合いからタックルをぶちかまして押し倒す。
「うおっ!?何を―」
それと同時に先程までコンウェルが立っていた空間を高速で何かが通り過ぎるのを感じ、その先にあった建物の壁が轟音を立てて崩れていくのが見えた。
その場の全員がその光景を見た驚きで動けないところに、さらに危機は迫る。
変異種からの攻撃がこれで終わったとは思えず、とっさに広場との間の地面の土を大きく盛り上げて変異種から俺達を隠すようにして遮蔽物を作ると、俺達をターゲットにしたと思われる何かが土壁にぶつかり、その衝撃で土壁が大きく飛散し、防御壁としての役割を果たしはしたが、土壁は既に次の攻撃に耐えられるような物ではなくなっていた。
「退避!パーラはアンディだ!」
ギリアムが叫ぶと同時に倒れ込んでいる俺とコンウェルを二人がそれぞれ引きずるようにして立ち上がらせながら建物の陰に飛び込み、変異種から姿を見られないルートを辿って何とか村の外へと出ることに成功した。
逃げている最中も何かが壁にぶつかる轟音が何度かしていたが、恐らく変異種による攻撃が続いていたのだろう。
それも村を出る直前にパッタリとやんだことから、攻撃圏外へ出ることが出来たと判断する。
全員が腰を抜かしたようにその場で座り込むと、コンウェルが礼を言ってきた。
「アンディ、助かった」
「いえ、俺も直感に従っての行動でしたから、上手い事防げませんでした。ギリアムさんとパーラがいなかったらやばかったです」
実際不可視の一撃を防ぐことは出来たが、一撃を防いだだけで土壁が役に立たなくなったのを見ると、連続で攻撃されていたら確実に命は無かった。
すぐに撤退の判断を下したギリアムは、流石隊長格だと言える。
「てっきり周りにある死骸の位置までが奴の攻撃できる範囲の外だと思い込んでいたが、どうやらそうではないようだったな」
「ああ。俺達が奴に近付くときに反応せず、コンウェルが来た道を戻ろうとした時に攻撃してきたということは、誘い込んだ獲物を逃がさないための行動だろう」
「だとしてもあの攻撃は何だ?枝でも根でもない、見えない何かが迫ってきてたぐらいしかわからんが…。魔術か?」
「魔術じゃありませんよ。木の実を飛ばしてきたんです。ほら、あそこに転がってます」
俺が指さした先では、変異種が飛ばした木の実が建物の壁を貫通して転がり出てきて地面に落ちていた。
大きさとしては大人の人差し指一本分とほぼ同じぐらいで、形状はライフル弾を彷彿させるものではあるが、明確な違いは細くなっている先端部分がドリルの様に捩れているところだ。
この形状のおかげで撃ちだした時に加わる回転によって、貫通力を高める効果が発揮されているのだろう。
防御用としては優秀な土魔術で作った土壁があっさりと破壊されたことからも、その破壊力は並外れたものだと想像する。
手に取ってみると見た目よりも重量感があり、先端も石のような硬さがある。
だが硬いのは先端のみで、中ほどは指で強く押すとベコベコとするような感触があり、恐らく貫通できない時には中ほどまで先端が押し込まれ、貫通力が一転して衝撃力へ変わるという、よく出来た構造をしていた。
「ふーむ、初めて見る形だ。それに木の実にしてはデカすぎる」
「冒険者としての経験が豊富なコンウェルさんが知らない以上、この木の実はあの変異種から生み出された可能性が高いでしょう。そして、これを使って攻撃してくるのであれば、想定よりもずっと攻撃範囲は広まります」
「対策を練る必要があるか…」
「次から近付くのも難しくなるかもしれんぞ」
コンウェルとギリアムが腕を組んで相談している間、木の実をしげしげと見ていたパーラが静かに呟いた。
「私が何とかしてみる。多分…きっとやれる…はず」
その一言に俺達の視線がパーラに集められ、作戦が組み立てられていった。
バイクを先頭に馬が2頭続き、かなりの速度で走っている。
今回の討伐に際し、俺とコンウェルの他に同行者が付かない可能性があったのだが、このことをパーラに話すと当然のように同行を口にし、俺としてもパーラと一緒の方が心強いので快諾して今はバイクの後部シートに座らせている。
2頭いる馬の内1頭にはコンウェルが乗っているのだが、もう1頭の方にはギリアムが乗っていた。
なんでも元々コンウェルとは知り合いだったらしく、今回の討伐の話をどこからとなく聞くと、流石に俺とコンウェルの2人だけでは心配になり、ルドラマに直訴する勢いでこの同行の許可をもぎ取って来たという。
意外とやることが大胆だと思うが、ギリアムを含めたビカード村の住民の護衛についていた騎士たちは現在休養を与えられているため、この同行も騎士としての立場ではなく、一人の冒険者として付いて来ているのだそうだ。
確かに身に着けているのは以前見た騎士の鎧ではなく、革鎧の所々に金属製のプレートが打ち付けられている軽鎧姿になっていた。
ビカード村へは普通に人の足では徒歩で3日はかかると言われている。
避難民がヘスニルへ到着するのに4日ほどかかったのは、大人数の移動であることと怪我人の存在があったせいだろう。
なので俺達の様に馬の速度で走り続ければ、朝発って夜になる前には着くぐらいの時間で着いてしまう。
そうなるとビカード村についてすぐに討伐とはいかず、一晩野宿をして次の日から討伐に乗り出すことになる。
道中に一度休憩を挟み、馬の疲労が回復するまでの間に食事を摂ることにした。
春の昼ともなると大分暖かいもので、街道脇に火を熾して料理をすると汗ばむぐらいになっていた。
火にかけた鍋には乾燥した野菜と干し肉、大麦をはじめとした雑穀類をまとめて煮込んだ粥のようなリゾットのような中途半端な料理が出来上がっていた。
本当は米があればいいのだが、まだ出来上がっていないだろうし、べスネー村とヘスニルでは距離がかなりあるため、流通し始めるのはまだまだ先のことになりそうだ。
お湯で戻した野菜とジャガイモを潰したものを味付けして混ぜ合わせたポテトサラダ擬きを皿に山盛りで添え、4人分の昼飯が完成した。
最初に食べたコンウェルが感心するようなため息とともに口を開いた。
「こりゃあうまいな。出先でこんなものが食えるなんて、冒険者稼業じゃ普通有り得ないぞ。お前らいつもこんなの食ってんのか?」
「まあ大体はこんな感じですね」
「アンディと一緒ならいつでもおいしいものが食べられる。おかわり」
ズイッと皿を差し出しながらそういうパーラは、何故かドヤ顔をしている。
なぜお前が威張る?
「まあアンディは普通の冒険者と一緒にするには規格外すぎるんだろう。俺が前に一緒に森を抜けた時も色々と非常識なものを見せられたからな」
ギリアムが遠い目をしながら思い出しているのは、恐らく俺と一緒に初めて出会った時のことだろう。
思い返してみると、こっちの世界のことを何も知らなかった俺は結構派手にやらかしていたのではないかと、今になって少し反省している。
「それにしても…バイクだっけか?あれ、いいよな」
「あぁ、それは俺も思った。騎士団に一つあれば早馬の代わりに使えるかもしれん」
コンウェルとギリアムから注がれる視線を受け、少しバイクの説明をしておく。
魔力タンクを使っているので定期的に魔力の補充が必要なことと、今俺が乗っているのは手ずから設計し、高性能の魔石を積んでいるため同じ性能のバイクは簡単には作れないことを伝えると、コンウェルはガッカリした顔をして諦めたようだったが、ギリアムは少し悩みはしても諦める様子は感じられない。
騎士団がバイクを所有するとなれば、所属している魔術師を使えば魔力の補充もそれほど困らないし、騎士団としての活動の中で強力な魔物を倒す機会もあるのだからそれに見合った高品質な魔石も手に入る可能性はある。
一応ルドラマが一台自分用にバイクを持っていると教えておけば、その伝手を使ってバイクの制作も出来るだろう。
休憩を終えて移動するとなったら、コンウェルがバイクに乗りたいと言い出して来た。
「おいずるいぞ、コンウェル!そういうことなら俺だって乗りたい!」
「バカ野郎、言い出しっぺは俺なんだ。お前は別の機会にしとけ」
「その別の機会はいつになるんだ。大体、俺は将来的に騎士団にバイクを導入するのを見越して乗り心地をだな…」
「そっちこそその将来的にってのはいつなんだよ。俺は今乗りたいんだ」
大の大人がギャーギャー言い争う姿は実に見苦しいものだ。
そもそもバイクは練習も無しに運転するのは難しいので、運転は俺かパーラがして一人を後ろに乗せるということになる。
そうなるとバイクを降りたどちらかが馬で移動するのだが、正直バイクの乗り心地にすっかり慣れ切ってしまった俺の尻が馬による振動に耐えられるのか心配だ。
どうしたものかと思っていると、俺の服をクイクイと引っ張っるパーラが口を開く。
「アンディ、私が馬に乗るよ」
「いいのか?」
「うん、そうしないとあの2人はいつまでも言い合いを続けるからね」
まあ確かに。
子供に気を使わせる大人というのはどうなのだろうか?
ついついジト目で2人を見てしまうのも仕方ない事だろう。
過去のことまで持ち出して言い合っていた2人にパーラが馬に乗ることを伝え、まずはコンウェルを先に後ろに乗せて走り、次の休憩の時にギリアムがコンウェルと交代するということで話をまとめ、ようやく出発することができた。
馬とは違って振動がほとんどなく、目線も低い状態で走る光景は新鮮なようで、コンウェルは子供の様にはしゃいでいる。
それは交代したギリアムも同様で、興奮した様子の2人ともがバイクへの憧れはますます強まったように感じられた。
緊張感に欠けた移動となったが、2度の休憩を経てようやく俺達はビカード村に到着する。
空は夕焼け色に染まっており、あと1時間もしないで完全に日は沈むだろう。
俺達は村から少し離れた場所にある、恐らく普段は農作業をする村人たちの休憩に使われていただろう小屋を宿とすることに決めた。
ただこの小屋には馬を入れる場所がないため、野生動物や魔物が出る可能性を考えると無防備に馬を外に置くのは躊躇われる。
そこで俺が土魔術で簡単な馬房付きの小屋を作ることにした。
特に形に凝る必要も無く、屋根付きの頑丈な小型の厩舎が出来上がる。
その中に馬を牽きいれるが、特に興奮する様子も無く大人しく馬房にそれぞれ入っていく。
俺が土魔術で建物を作る光景を既に見ているパーラとギリアムは特に反応することなく馬の移動を手伝ってくれたが、この光景を初めて見るコンウェルは口をアングリと開けて硬直していた。
「噂には聞いていたが、こうして目にすると凄いものだったな。…ギリアム、お前は驚いていないが、見たことがあったのか?」
「ああ、俺は以前アンディが野営用の小屋を建てたのを利用したことがあるからな」
「そうか。…こうして見ると避難所の家を一人で作ったって話も本当だったってことか」
しみじみと話す2人をよそに、俺とパーラはバイクから荷物を下ろして今日の宿となる小屋へと運んでいく。
「それでどうします?今日はこのまま休みますか?」
この面子の中ではリーダー的な位置にいるコンウェルにこの後のことを尋ねる。
「いや、少しだけ討伐目標を偵察に行こうと思っている。俺とギリアムだけで行ってもいいが、お前たちも見ておいた方がいいだろう」
「そうだな。一度、目にしておくだけでも心に余裕ができる。そうすれば実戦の際に余計な力が抜けて思う通りに体が動かせるはずだ」
流石、経験値が俺達とは違う。
戦う前からの準備は精神的なものにまで及ぶのが熟達した戦士の在り方だと見せつけられた気分だ。
早速薄闇が漂い始めたビカード村へと潜入する。
偵察である以上は無暗に敵を刺激する必要はないし、本番が明日である以上はここで怪我をするのは避けたいところだ。
村の周りを囲っていた柵が所々壊れていたため、そこから俺達は侵入する。
この柵を壊したのがトレント変異種なのかそれ以外なのかはわからないが、壊れ方からすると明確な意思があって壊したというよりも、猪か何かが進行方向にあった物をそのままぶち抜いたといった感じがした。
立ち並ぶ家々を縫うように極力音を立てずに進み続けると、村の中の広場が見える位置までたどり着く。
家の壁に張り付くようにして顔をのぞかせると、広場の中央には高さ15メートルほど、幹回りは大人3人が手を繋いでようやく囲えるぐらいの太さの木が立っていた。
もちろんこれが普通の木ではないのは一目瞭然で、枝に葉は無く、木肌も普通の木とはかけ離れた真っ青な色とあっては、まず間違いなくこいつがトレント変異種であろうと予想がつく。
「あれか。情報通りに広場の真ん中にある井戸の上に陣取っているようだな。放置すれば汲み上げた水でこの先どんどん成長していくぞ」
「…俺がこの村に護衛で派遣された時はあんなところにはいなかった。村の西側にある窪地にいたのがここまで来ていたとはな」
ビカード村が襲撃されたのは村の西側で、居合わせた冒険者と騎士が迎撃したが、住民を守りながらの撤退戦だったため、防御に専念できたおかげで怪我人こそ出たが死者は出なかったと聞いている。
だが討伐となれば正面からあの巨体から繰り出される攻撃と向き合う必要があるため、先の撤退戦とは難易度は比較にならないだろう。
現に討伐隊は一度敗れているのだし。
「あの周りにある死骸はなんですかね?」
「あっちのは灰色狼に角猪、それとそっちに足長狐と…私も知らないのがいくつかある」
変異種の周りにはポツポツと動物や魔物の死骸が落ちており、その配置が変異種を中心に散らばっていることから奴が殺したのは間違いない。
俺とパーラの疑問にコンウェルが答えをくれた。
「あれがトレント種のやり方だ。ああして放っておけば土に返って養分になるし、他の動物が死体の匂いを嗅ぎつけて引き寄せられて来たら、また殺して養分兼撒き餌にするんだ」
なるほど、よく考えられているな。
ああしているだけで匂いに誘われて肉を狙った動物は自分から来てくれるし、仮に獲物が来なかったとしても土に返った養分を吸収したのち、自分から移動して獲物がいる場所を目指すというわけか。
「あの感じだと、一番外側にある死体が変異種の攻撃の有効射程と言うことになるんですかね?」
俺の視線の先には元はキツネ型の動物だっただろうと思われる、内臓をばらまいて息絶えている物体があった。
変異種からは10メートルほど離れた位置にあるそれ以外に死体が無いことからも、そこが変異種が攻撃を届かせることが出来る距離ではなかろうか。
「うん?…なるほど、確かにそうとも言えるな。とはいえかなり離れているし、あれだけの距離があれば有効な攻撃は限られている。ギリアム、あの距離で効く攻撃は?」
「無いな。俺とお前は完全に近接戦闘型だ。アンディやパーラなら魔術で攻撃できるだろうが、どうなんだ?」
俺とパーラが魔術を使えるのは既に明かしているので、この状況では普通なら俺達に縋るのが正しいだろう。
「威力は問題ないですけど、逆に威力がありすぎて他の建物に被害が出る恐れがあります」
「私の方は威力不足だと思う。まだ強い攻撃が使えるほど魔術には慣れてないから」
威力がありすぎて被害が広まるのと、威力が足りてなくて決定打にはなりえない二人の魔術師はさぞかし使いどころが難しい存在だろう。
極力村に被害は出ないようにと言われているため、大規模な攻撃魔術は厳禁だ。
トレント変異種の大きさを見るに、恐らくかなりの高威力で攻撃する必要があるが、そうなると周りに建つ民家の2軒や3軒は瓦礫に変わる恐れもある。
「まあ仕方ない、いざとなったら被害を気にせず変異種を倒せ。そうなる前に何とか倒す手立てを考えよう。とりあえず一旦戻るぞ」
コンウェルがそう言って振り返って歩き出すと、遠くの方にいる変異種が一瞬ブルリと蠢くのを見た。
その瞬間、背筋を駆けのぼる電流のような直感に従い、コンウェルの横合いからタックルをぶちかまして押し倒す。
「うおっ!?何を―」
それと同時に先程までコンウェルが立っていた空間を高速で何かが通り過ぎるのを感じ、その先にあった建物の壁が轟音を立てて崩れていくのが見えた。
その場の全員がその光景を見た驚きで動けないところに、さらに危機は迫る。
変異種からの攻撃がこれで終わったとは思えず、とっさに広場との間の地面の土を大きく盛り上げて変異種から俺達を隠すようにして遮蔽物を作ると、俺達をターゲットにしたと思われる何かが土壁にぶつかり、その衝撃で土壁が大きく飛散し、防御壁としての役割を果たしはしたが、土壁は既に次の攻撃に耐えられるような物ではなくなっていた。
「退避!パーラはアンディだ!」
ギリアムが叫ぶと同時に倒れ込んでいる俺とコンウェルを二人がそれぞれ引きずるようにして立ち上がらせながら建物の陰に飛び込み、変異種から姿を見られないルートを辿って何とか村の外へと出ることに成功した。
逃げている最中も何かが壁にぶつかる轟音が何度かしていたが、恐らく変異種による攻撃が続いていたのだろう。
それも村を出る直前にパッタリとやんだことから、攻撃圏外へ出ることが出来たと判断する。
全員が腰を抜かしたようにその場で座り込むと、コンウェルが礼を言ってきた。
「アンディ、助かった」
「いえ、俺も直感に従っての行動でしたから、上手い事防げませんでした。ギリアムさんとパーラがいなかったらやばかったです」
実際不可視の一撃を防ぐことは出来たが、一撃を防いだだけで土壁が役に立たなくなったのを見ると、連続で攻撃されていたら確実に命は無かった。
すぐに撤退の判断を下したギリアムは、流石隊長格だと言える。
「てっきり周りにある死骸の位置までが奴の攻撃できる範囲の外だと思い込んでいたが、どうやらそうではないようだったな」
「ああ。俺達が奴に近付くときに反応せず、コンウェルが来た道を戻ろうとした時に攻撃してきたということは、誘い込んだ獲物を逃がさないための行動だろう」
「だとしてもあの攻撃は何だ?枝でも根でもない、見えない何かが迫ってきてたぐらいしかわからんが…。魔術か?」
「魔術じゃありませんよ。木の実を飛ばしてきたんです。ほら、あそこに転がってます」
俺が指さした先では、変異種が飛ばした木の実が建物の壁を貫通して転がり出てきて地面に落ちていた。
大きさとしては大人の人差し指一本分とほぼ同じぐらいで、形状はライフル弾を彷彿させるものではあるが、明確な違いは細くなっている先端部分がドリルの様に捩れているところだ。
この形状のおかげで撃ちだした時に加わる回転によって、貫通力を高める効果が発揮されているのだろう。
防御用としては優秀な土魔術で作った土壁があっさりと破壊されたことからも、その破壊力は並外れたものだと想像する。
手に取ってみると見た目よりも重量感があり、先端も石のような硬さがある。
だが硬いのは先端のみで、中ほどは指で強く押すとベコベコとするような感触があり、恐らく貫通できない時には中ほどまで先端が押し込まれ、貫通力が一転して衝撃力へ変わるという、よく出来た構造をしていた。
「ふーむ、初めて見る形だ。それに木の実にしてはデカすぎる」
「冒険者としての経験が豊富なコンウェルさんが知らない以上、この木の実はあの変異種から生み出された可能性が高いでしょう。そして、これを使って攻撃してくるのであれば、想定よりもずっと攻撃範囲は広まります」
「対策を練る必要があるか…」
「次から近付くのも難しくなるかもしれんぞ」
コンウェルとギリアムが腕を組んで相談している間、木の実をしげしげと見ていたパーラが静かに呟いた。
「私が何とかしてみる。多分…きっとやれる…はず」
その一言に俺達の視線がパーラに集められ、作戦が組み立てられていった。
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授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。
今日からはじめる錬金生活〜家から追い出されたので王都の片隅で錬金術店はじめました〜
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マユラは優秀な魔導師を輩出するレイクフィア家に生まれたが、魔導の才能に恵まれなかった。
そのため幼い頃から小間使いのように扱われ、十六になるとアルティナ公爵家に爵位と金を引き換えに嫁ぐことになった。
だが夫であるオルソンは、初夜の晩に現れない。
マユラはオルソンが義理の妹リンカと愛し合っているところを目撃する。
全てを諦めたマユラは、領地の立て直しにひたすら尽力し続けていた。
それから四年。リンカとの間に子ができたという理由で、マユラは離縁を言い渡される。
マユラは喜び勇んで家を出た。今日からはもう誰かのために働かなくていい。
自由だ。
魔法は苦手だが、物作りは好きだ。商才も少しはある。
マユラは王都の片隅で、錬金術店を営むことにした。
これは、マユラが偉大な錬金術師になるまでの、初めの一歩の話──。
没落貴族は最果ての港で夢を見る〜政敵の公爵令嬢と手を組み、忘れられた航路を拓いて帝国の海を制覇する〜
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日本の海運会社に勤めていた男は、事故死し、異世界の没落貴族の三男ミナト・アークライトとして転生した。
かつては王国の海運業を牛耳ったアークライト家も、今や政争に敗れた見る影もない存在。ミナト自身も、厄介払い同然に、寂れた港町「アルトマール」へ名ばかりの代官として追いやられていた。
無気力な日々を過ごしていたある日、前世の海運知識と経験が完全に覚醒する。ミナトは気づいた。魔物が蔓延り、誰もが見捨てたこの港こそ、アークライト家再興の礎となる「宝の山」であると。
前世の知識と、この世界で得た風を読む魔法「風詠み」を武器に、家の再興を決意したミナト。しかし、その矢先、彼の前に最大の障害が現れる。
アークライト家を没落させた政敵、ルクスブルク公爵家の令嬢セラフィーナ。彼女は王命を受け、価値の失われた港を閉鎖するため、監察官としてアルトマールに乗り込んできたのだ。
「このような非効率な施設は、速やかに閉鎖すべきですわ」
家の再興を賭けて港を再生させたい没落貴族と、王国の未来のために港を閉鎖したいエリート令嬢。
立場も思想も水と油の二人が、互いの野望のために手を組むとき、帝国の経済、そして世界の物流は、歴史的な転換点を迎えることになる。
これは、一人の男が知識と魔法で巨大な船団を組織し、帝国の海を制覇するまでの物語。
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商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
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